殉情詩集 (愛蔵版詩集シリーズ)

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  • 日本図書センター
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  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820595625

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  • 親友谷崎潤一郎の妻千代子に恋慕し、彼女への想いをうたった詩が中心となった『殉情詩集』
    年譜を見れば、佐藤春夫は恋多き文学者のように思われました。
    21歳 青鞜社の同人尾竹紅吉の妹ふくみを
       恋し、不眠症となる
    22歳 芸術座の女優川路歌子(本名遠藤幸子)と
       同棲し新居を持つ
    25歳 遠藤幸子と別れる
       谷崎潤一郎を知る
       女優米谷香代子と同棲 
    28歳 谷崎潤一郎の妻千代子に恋して悩み、
       帰郷
       米谷香代子と別れる
    29歳 谷崎潤一郎と絶交する 
       『殉情詩集』刊行
    32歳 小田中タミと結婚
    35歳 谷崎潤一郎との交友復活
    38歳 妻タミと離婚
       谷崎潤一郎の前妻石川千代子と結婚
    同棲生活の相手は二度とも女優さんだし、もしかして華のある綺麗な女性がタイプだったのでしょうか。親友の妻に恋をしてから、女優さんとは別れたものの、永遠に手の届かない千代子への恋心を抱いたまま、別の女性と結婚しちゃいます。
    いつも女性がそばにいないとダメになっちゃうのかな。それとも、女性からしたらほっとけない男性なのか、はたまた女性がほっとかない魅力的な男性なのか。とても気になる人です。
    でも、自分の恋人だったり、夫だったりが他の女性への愛を持ち続けているとなれば、寂しいですね。
    心は誰のものでもないとは言え・・・
    愛しい千代子への想いが綴られた詩は、とても素晴らしいです。壊れてしまわないように抱きしめたい、でも、壊れてしまうほど抱きしめたい。そんな好きで好きでたまらない。でも、全然いやらしくない。『片こひ』です。
    ふと、この詩集は佐藤春夫と共に過ごした、女性たちの彼への気持ちでもあるのではないかと思えました。

  • 作者の背景を知らないまま読んだから恋愛詩ばかりでちょっとびっくりした。水邊月夜の歌とためいきが好き。

  • 詩人の背景を知るとぐっと詩の重み響きが変わってきます。

    1921年初版発行と約100年前の詩集ですが、熱く激しい恋の歌が印象的でした。
    ここ100年ぐらいで日本人の本質的なDNAというか魂の核の部分は大きく変わっていないんだなと。

    現代人よ、命がけの恋してますか?

  • すまじきものは恋にして
    苦しきものぞ こころなる

    迸る情熱が怖い

  • 『せつなき戀(こい)をするゆゑに…』谷崎潤一郎が憎くなるほど嵌った作品。

  • 端的な、しかしどこまでも美しいことばで綴られるうたに酔う。至高の作品。

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著者プロフィール

さとう・はるお
1892(明治25年)~ 1964(昭和39年)、日本の小説家、詩人。
中学時代から「明星」「趣味」などに歌を投稿。
中学卒業後、上京して生田長江、堀口大學と交わる。
大正2年、慶応義塾を中退、
大正6年、「西班牙犬の家」「病める薔薇」を発表し、
作家として出発。
「田園の憂鬱」「お絹とその兄弟」「都会の憂鬱」などを
発表する一方、10年には「殉情詩集」、14年「戦線詩集」を刊行。
17年「芬夷行」で菊池寛賞を受賞。23年、芸術院会員となり、
27年「佐藤春夫全詩集」で、29年「晶子曼陀羅」で
それぞれ読売文学賞を受賞し、35年には文化勲章受章。
小説、詩、評論、随筆と幅広く活躍。

「2018年 『奇妙な小話 佐藤春夫 ノンシャラン幻想集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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