プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動

著者 :
  • 日本能率協会マネジメントセンター
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784820717331

感想・レビュー・書評

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  • 実践しなきゃ、と思えるトピック満載でした。

  • 佐々木直彦著「プロドゥース能力」日本能率協会マネジメントセンター(2008)
    *プロドゥースのスタートにはビジョンがある。ビジョンは実現したい未来のイメージである。ビジョンが魅力的でワクワクする物であればあるほど、人々の共感は集まる。それ以前にビジョンを描いた自分自身のやる気と元気がパワーアップする。だから魅力的なビジョンは実現しやすい。
    *どこか大企業に就職すれば安泰というようなキャリアのレールが幻想にすぎない時代となった。自分のビジョンをもって、時々それを見直しながら状況に応じて自分をプロドゥースするとう作業は非常に有効で、創造的、発展的に成果をもたらす事が多い。いくつか用意された選択肢からこれまでの情報を参考にして選んだり、決まったスタイルに自分を会わせて行くために用意された訓練をうけるという発想ではなく、新しい事例を自分がはじめに創り出すという発想がどこかにあって初めて未来がひらけてくることは非常に多い。
    *プロドゥースは、自分はこんな未来を実現するという未来仮説をみずから行動を起こす事で検証していくプログラムだと言える。
    *最低限の情報は必要だが、たくさん情報を集めてから動くより実際に動きながら情報をあつめていくほうがより正しい未来仮説ができあがる。情報が不足していても、この方法でやってみようと思えたら、動いてみた方が実現しやすくなる。それは、自分がうごいてみたからこそ、気づいたり、発見したりする情報は非常に多い。自分が語ったからこそ、相手が語ってくれる情報は常にある。また、自分が動く事、語る事は、自分から周囲に情報発信することである。それが自分を周囲の関係を変えたり、周囲のムードを変えたりする。自分の夢について、あるいは夢の拝見にある自分の熱い思いを話せば、周囲に共感がおこる可能性がある。周囲に変化が起き、共感者、支援者が登場するたびにこんな未来を実現したいというビジョンは自分の中でも、周囲の人々の間でも信憑性がたかmっていく。なぜなら、1人の人間が自分の思いを持って行動をおこし、周囲に変化を起こし始めている事自体がビジョンに向かって前進している証だからだ。
    *ビジョン:自分の欲求、動機と実現したビジョンは何か?
    (1)ビジョンは何か(自分は何がやりたいのか)
    (2)なぜそのビジョンなのか(なぜ、それをやりたいのか)
    *ストラテジー:どんな方法によってプロドゥースを実現できるか?
    (1)コアテーマは何か(突破口を開く鍵となるアイディアはなにか)
    (2)自分に何ができるのか(自分の果たす役割は何か)
    (3)誰に何をやってもらうか(誰にどんな役割を担っているか)
    *バリュー:プロドゥースはどんな価値を生み出すか?
    (1)大義名分はなにか(なぜ、このプロドゥースが必要か)
    (2)付加価値はなにか(どのような波及効果がうまれたか)
    *プロドゥース経験がプロドゥーサーをつくる。こうしたダイナミックな変化を一度体験すると、人は、信じて動けば何が起きて、賛同者が現れたり、今まで否定していた人の気持ちが変わったりしてやりたい事が実現していくものだという感覚を持てるようになる。失敗する事もある。いつも希望通りにことが運ぶ訳ではない。しかし、逆に思った以上に成功することもある。
    *1980年代後半にはすでに企業経営の現場では目標とは違うビジョンが組織変革や開発創造のために有効だという認識が生まれていた。ビジョンという言葉がタイトルに含まれた書籍も出版された。しかし肝心のビジョンの定義nついて一言も触れられていなかったり、ビジョンの意味を正しくとらえていないものが非常に多かった。政府の関係機関が発行する報告書に記された21世紀ビジョンの類もほとんどが21世紀に向けての大間かな計画という意味で使われていたと言ってもいい。
    *ビジョンの意義を説明したり、ビジョン実現によってどんな感動的な出来事がおきるかといった臨場感のある話も重要だ。プレゼンでは自分自身の熱い気持ちを表現することも必要だ。大切なのはなぜ自分が熱い気持ちを持つに至ったかという拝見を語る事である。なぜ、このプロドゥーサーはこのプロドゥースを仕掛けたいのかというプレゼンターの心の中にある理由が分かったとき人はなるほどと腑に落ちる。これもまた人を動かすロジックになる。構想が実現すればどんな価値ある事が連鎖的に起きるかについて事前にシュミレーションしておくことも良い。
    *プロドゥースは論理だけでは説明できない問題解決の方法である。なぜ、このプロドゥースが必要なのか。方法論の選択肢は他にないのか。本当にできるのか。これらの疑問に対して100%の筋の通ったSteveつめいをする事はプロドゥースでは難しいという宿命がある。
    *しかし、自分自身がやる気になり、しかも人から賛同を得るためのロジックを組み立てることは充分可能である。世の中をあっと驚かせる創造や変革を起こすためにも自分の人生を切り開くためにもそのロジックが非常に重要な役割を果たす事になる。新しい事をはじめたり、変革を仕掛けたりすれば反対や妨害にあうこともある。人や組織、社会に影響を及ぼすプロデュースには常に共感者を生み出す可能性と抵抗者を生み出す可能性の両方がある。
    *大義名分は、反対を押さえる力になる。構想の核心は、あくまで何をやるのかという具体的なアイデアはないかと思われるかもしれなし。だた、人の力を借り、人に影響力を及ぼしながら構想を実現していくプロドゥーサーは何のためにやるのか?誰のためになるのか?どんな価値が生まれ広がって行くのか?ということを伝えられるかどうかが成功の鍵になる。
    *プロドゥースが立ち上がるとき、反対者とできるだけかかわらにようにすることは重要である。それは大きな成功要因である自分を含めたチームメンバーのモチベーション維持を阻害しないためだ。

  • プロデュースとは何か?について丁寧に書かれている本。
    プロシュースを行う上で、人に共感して協力してもらうことが重要になってくる。どうやって共感して、自分のやりたいことを人のやりたいことにするかはビジョンがとても大切になる。ビジョンの語り方などなど。
    そもそもビジョンが持てるようになるまでは大変だと思う。プロデュースの戦力となるしかない。

  • 今、仕事で『ビジョン策定』ということを考える必要があって、職場では割と中心になって行動しているのですが、そのからみでとある先輩が貸してくれた本でした。

    『プロデュースとは、一つのビジョンのもとに、人々の力を借り「新しい何か」を創りだし、現状を変えること』

    ビジョン=目標、と考えていたのですが、この本を読んだらビジョン≠目標なんだなと。目標は大切だけど、それは手が届く存在でなければならない分、どうしても遊び心が欠けてしまう。本書で言うビジョン、は人をドキドキワクワクさせる力を持った道標のようなものだなと思いました。

    プロデュースと聞くと古くは(!?)モーニング娘。、最近だとAKB48のようなアイドルとか芸能界とかそんなイメージしかなかったのですが、自分のような普通の会社員にも起きる、起こせる変化なんじゃないかと思うことができました。

  • 著者の佐々木直彦さんは、コンサルタントとして、「プロデュース能力」というものを体系化した方です。

    これと対比されるのは、「合理的問題解決力(コンサルティング力)」です。

    ちなみに、本書の中でも、「プロデュース」と「コンサルティング」の違いが説明されています。

    詳しくは書評ブログで!↓
    http://ameblo.jp/nori-shohyo/entry-10867852910.html

  • プロデュースという概念を、普段の仕事や問題解決に使えるようにリフレームした内容。
    普段の仕事でわき起こる疑問を個人の力でいかに改善していくのか、実際にありそうなエピソードを小説風に書いているので、イメージし易かった。

    ●全体像
    ・ヴィジョン(何を実現したいのか?)
    ・戦略 (どんな方法で?)
    ・価値 (どんな価値を生み出すのか?)

    ・ストーリー

    以上をふまえた7つのポイント
    1 自分は何をやりたいのか?
    2 なぜそれをやりたいのか?
    3 突破口を開く鍵となるアイデアは?
    4 自分の果たす役割
    5 誰に何をやってもらうか?
    6 大義名分は?
    7 付加価値は?

  • 副題「ビジョンを形にする問題解決の思考と行動」に、既存のロジカルな問題解決の手法とは違う、なにか面白そうな方法が書かれてそうな感じがして読んでみた。既存の問題を如何に解決するかではなく、未来の夢を如何に実現するか、という観点の話は面白かった。

    [読書録]====================================================
    ■第一章:プロデュースとはなにか
    プロデュースにはエンタテインメントの要素があり、プロデュースのプロセスで周囲の人を巻き込んで進んでいく特性がある。

    自分自身をプロデュースするという考え方も重要になってきた。
    いくつか用意された選択肢から、これまでの情報を参考にして選んだり、決まったスタイルに自分を合わせていくために用意された訓練を受けるという発想ではなく、新しい事例を自分がはじめに作り出すという発想が何処かにあって初めて、未来が開けてくることは非常に多い。

    外見を変えるのもプロデュース。外見を変えるだけで、相手と自分の関係が変わることはある。それ以前に、自分自身のマインドが変わり、やる気がグッと湧いてきて元気になるという効果が生まれることもある。

    プロデュースの決定には、多人数による合議が向いているとは言えない。

    指示命令に従わず約束を破れば、モラルに反したり誰かを悲しませる結果になる。それは罪だという思いが、「おかしいから変えるべきだ」という考えをストップさせてしまうということはだれにでも起きうる。「囚われの思考」

    「何かをやらないままに済ませたときに生じるリスク」がどのくらい大きかという観点が欠落したまま、プロデュースのリスクが強調されることは非常に多い。

    必要なときには、直接会いたい人にアポイントをとればいい。どんなに忙しい人でも、どんな世間的には偉くて有名な人でも、本当に自分が必要とするなら、以外にあってくれるものである。


    ■第二章:プロデュース思考
    未来へのストーリーを、その場にいる自分が目の前で展開する光景を見ているかのように描くことができるほど、プロデュースは実現しやすい。

    プロデュース思考の全体像:
    1.ビジョン:自分の欲求、同期と実現したいビジョンはなにか。
    2.戦略:どんな方法によってプロデュースを実現するか。
    3.価値:プロデュースはどんな価値を生み出すか。
    4.ストーリー

    ビジョンの裏にある「WHY」の部分がわかると、たとえそれがどんなに個人的なことであっても、共感は広がりやすい。

    モチベーションを維持し、高めるために役立つなら、自分自身が必要だと思う新しい体験をしたり、会うべき人と会ったり、会うべきではない人と会わないようにしたり、自分を癒したり、好みの道具を揃えたり、気分が高まる服を着たり、やる気になれる場所を活動拠点にしたりすることも、でいる限りすべきなのである。


    ■第三章:壁を越える行動
    小さな行動:自分自身の判断で実施できる広い意味でのリサーチ活動。
    ・生の情報を収集する
    ・支援者、共感者を作る
    ・より良い未来仮説を作る
    ・自分のモチベーションを高める

    正攻法で正面から提案していくやり方は、かえって周囲に判断を保留にしたいという機運をもたらしてしまいかねないと言える。

    たとえ小さな仕掛けであっても、何かを仕掛けてみて、仕掛けてみた意味があったという効力感を味わうという体験こそ、プロデューサーとしてのキャリアである。

    新しいことを仕掛けるときには、必ず壁があるものなのだ。その時に、「あなたは正しい、私は信じる応援する」というメッセージを送ってくれる人が身近にいることによって、初めて前に進んでいける、という部分が多かれ少なかれ人間にはある。


    ■第四章:ビジョナリー・リーダーシップ
    ビジョンは単にゴールのイメージではなく、もっと総合的なもの。細部はファジーでよく、「こういう考え方もあるんじゃないのか」と解釈が多少分かれることを許す。実はそれが、いろいろな人の思いを吸収できる要素にもなる。

    良いビジョンの条件:
    ・目指す未来の情景がイメージできる
    ・実現したときの様々な付加価値が想定でき魅力的である
    ・現状から飛躍しているが実現可能性を感じられる
    ・実現の方法やプロセス、関わり方を限定しない
    ・説明しやすい

    自分自身のビジョンと絡めたプレゼンは、相手に納得をもたらす場合が多い。なぜなら相手は、提案内容の良し悪し以前に、目の前にいる人間がどういうモチベーションを持ってその提案をしてきたのかということがわかるほど、納得し、安心するからだ。

    妄想癖のような「イメージトレーニング」は、プロデュースの予行演習になる。そして同時に、やる気とエネルギーが湧きでてくる源泉となる。

    現状とビジョンの間に大きなギャップがあっても、ビジョンで描いた世界の魅力が、お金を持った人、人脈を持った人、専門的な知識や技術を持った人などの第三者に行動を起こさせるから、ギャップは埋まっていく。それが「思いもよらぬすごいこと」につながる。
    ビジョンに対するWHYが重要。「なぜこれをやるのか」という理由を良く考えていくと、自分の個人的な思いから始まったことが、実は多くの人が「来れは自分の問題でもある」と感じる普遍性を持っていることは意外に多い。

    熱い想いを持ち、何かをやってやろうというエネルギーを発散している人間のことを聞いてやれば、後で帰ってくるものがあるだろうと思える。それが周囲を自分のビジョンに巻き込んでいく。


    ■第五章:「熱」と「ロジック」が推進力
    プロデュースに協力しようとする人は、なぜこのプロデュースが実現可能なのか、そこにしっかりとした裏付けがあると感じ、また実現すれば自分も含めて周囲にとって望ましいことが起きると感じるから支援するのである。

    自分が動き始めたら、一緒にやって欲しいと思っていた自分都賀目の前で感動してくれたり、自分以上に本気でやる気になったりするという変化を目の当たりにしたら、どうなるだろうか。自分の中にあった優柔不断な部分や、ぐらついていた気持ちは、そういう出来事をきっかけに、吹っ切れるのではないだろうか。

  • ・「何かをやらないままに済ませたときに生じるリスク」がどのくらい大きいという観点が欠落したまま、プロデュースのリスクが強調されることが多い。

    ・プロデュース思考の全体像
    ①ビジョン
    aビジョンは何か?(自分は何がやりたいのか?)
    bなぜ、そのビジョンなのか?(なぜそれをやりたいのか?)
    ②ストラテジー
    cコアテーマは何か?突破口を開くカギとなるアイディアは何か?
    d自分に何が出来るか?自分の果たす役割は何か?
    e誰に何をやってもらうか?誰に何の役割を担ってもらうか?
    ③バリュー
    e大義名分は何か?なぜこのプロデュースが必要か?
    f付加価値はなにか?どのような波及効果が生まれるか?

  • 囚われの思考からの脱却
    「いい人」は本当にいい人にはならない
    ワクワクドキドキが最後には勝つ

    ストーリー性にあふれた構成
    魅力的なストーリーは、高いモチベーションを作り出す
    魅力的なストーリーは、実現するイメージを強化し、行動の迷いをなくす
    魅力的なストーリーには、人を説得し、恊働作業に巻き込む力がある

    プロデュース思考の根幹
    ①ビジョン 自分の欲求・動機と実現したいビジョンは何か?
    ・ビジョンは何か(自分は何をやりたいのか?)
    ・なぜ、そのビジョンなのか(なぜそれをやりたいのか?)
     ビジョンは、目指す方向性が明確で魅力的な未来への展開がイメージしやすいものである一方、ビジョンを考えた人はなぜそんなことを考えたのか、というビジョンの背景にある事情が隠れて見えなくなっていることが多い。→ビジョンにある背景も知りたいと思うのが人間心理 WHY?

    ビジョンと目標は違う。ビジョンには物語がある

    ②戦略 どんな方法によってプロデュースを実現するか
    ・コアテーマは何か(突破口を開く鍵となるアイデアは何か)
    ・自分に何ができるか(自分の果たす役割は何か)
    ・誰に何をやってもらうか(誰にどんな役割を担ってもらうか)

    ③価値 プロデュースはどんな価値を生み出すのか
    ・大義名分は何か(なぜ、このプロデュースが必要か)
    ・付加価値は何か(どのような波及効果が生まれるのか)

    ④ストーリー

  • <図書館で借りる>

    pp.259-261
    「ビジョンは合議から生まれない」
    ---------------------
    時間をかけ、多くの人々が集まって議論していくと、ビジョンは、角のとれた刺激のない標語になっていく傾向がある。合議というのは、そこに集まった意見の異なる人たちが互いの立場を考慮しあって、どちらの意見も同等に盛り込んだ予定調和的なものになりやすい。誰も文句はいえないが、インパクトもない、というものができあがりやすく、多くの社員が本音で共感できる魅力的なビジョンとして広がっていくことは少ないのである。
    ---------------------

    ビジョンって「こうしたい」っていう思いなので、共感できる人だけを集めてやるならば一部の人のインパクトのあるビジョンを出すことは有効だと思うけれども、「このメンバーでやりたい」という「人ありき」ならば、ビジョンが伝わらなかったり共感してもらえない可能性もあるので、みんなで描けるしくみもあったほうがやる気がでるのでは??と思った部分でした。

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