プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動
- 日本能率協会マネジメントセンター (2008年12月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784820717331
感想・レビュー・書評
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実践しなきゃ、と思えるトピック満載でした。
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佐々木直彦著「プロドゥース能力」日本能率協会マネジメントセンター(2008)
*プロドゥースのスタートにはビジョンがある。ビジョンは実現したい未来のイメージである。ビジョンが魅力的でワクワクする物であればあるほど、人々の共感は集まる。それ以前にビジョンを描いた自分自身のやる気と元気がパワーアップする。だから魅力的なビジョンは実現しやすい。
*どこか大企業に就職すれば安泰というようなキャリアのレールが幻想にすぎない時代となった。自分のビジョンをもって、時々それを見直しながら状況に応じて自分をプロドゥースするとう作業は非常に有効で、創造的、発展的に成果をもたらす事が多い。いくつか用意された選択肢からこれまでの情報を参考にして選んだり、決まったスタイルに自分を会わせて行くために用意された訓練をうけるという発想ではなく、新しい事例を自分がはじめに創り出すという発想がどこかにあって初めて未来がひらけてくることは非常に多い。
*プロドゥースは、自分はこんな未来を実現するという未来仮説をみずから行動を起こす事で検証していくプログラムだと言える。
*最低限の情報は必要だが、たくさん情報を集めてから動くより実際に動きながら情報をあつめていくほうがより正しい未来仮説ができあがる。情報が不足していても、この方法でやってみようと思えたら、動いてみた方が実現しやすくなる。それは、自分がうごいてみたからこそ、気づいたり、発見したりする情報は非常に多い。自分が語ったからこそ、相手が語ってくれる情報は常にある。また、自分が動く事、語る事は、自分から周囲に情報発信することである。それが自分を周囲の関係を変えたり、周囲のムードを変えたりする。自分の夢について、あるいは夢の拝見にある自分の熱い思いを話せば、周囲に共感がおこる可能性がある。周囲に変化が起き、共感者、支援者が登場するたびにこんな未来を実現したいというビジョンは自分の中でも、周囲の人々の間でも信憑性がたかmっていく。なぜなら、1人の人間が自分の思いを持って行動をおこし、周囲に変化を起こし始めている事自体がビジョンに向かって前進している証だからだ。
*ビジョン:自分の欲求、動機と実現したビジョンは何か?
(1)ビジョンは何か(自分は何がやりたいのか)
(2)なぜそのビジョンなのか(なぜ、それをやりたいのか)
*ストラテジー:どんな方法によってプロドゥースを実現できるか?
(1)コアテーマは何か(突破口を開く鍵となるアイディアはなにか)
(2)自分に何ができるのか(自分の果たす役割は何か)
(3)誰に何をやってもらうか(誰にどんな役割を担っているか)
*バリュー:プロドゥースはどんな価値を生み出すか?
(1)大義名分はなにか(なぜ、このプロドゥースが必要か)
(2)付加価値はなにか(どのような波及効果がうまれたか)
*プロドゥース経験がプロドゥーサーをつくる。こうしたダイナミックな変化を一度体験すると、人は、信じて動けば何が起きて、賛同者が現れたり、今まで否定していた人の気持ちが変わったりしてやりたい事が実現していくものだという感覚を持てるようになる。失敗する事もある。いつも希望通りにことが運ぶ訳ではない。しかし、逆に思った以上に成功することもある。
*1980年代後半にはすでに企業経営の現場では目標とは違うビジョンが組織変革や開発創造のために有効だという認識が生まれていた。ビジョンという言葉がタイトルに含まれた書籍も出版された。しかし肝心のビジョンの定義nついて一言も触れられていなかったり、ビジョンの意味を正しくとらえていないものが非常に多かった。政府の関係機関が発行する報告書に記された21世紀ビジョンの類もほとんどが21世紀に向けての大間かな計画という意味で使われていたと言ってもいい。
*ビジョンの意義を説明したり、ビジョン実現によってどんな感動的な出来事がおきるかといった臨場感のある話も重要だ。プレゼンでは自分自身の熱い気持ちを表現することも必要だ。大切なのはなぜ自分が熱い気持ちを持つに至ったかという拝見を語る事である。なぜ、このプロドゥーサーはこのプロドゥースを仕掛けたいのかというプレゼンターの心の中にある理由が分かったとき人はなるほどと腑に落ちる。これもまた人を動かすロジックになる。構想が実現すればどんな価値ある事が連鎖的に起きるかについて事前にシュミレーションしておくことも良い。
*プロドゥースは論理だけでは説明できない問題解決の方法である。なぜ、このプロドゥースが必要なのか。方法論の選択肢は他にないのか。本当にできるのか。これらの疑問に対して100%の筋の通ったSteveつめいをする事はプロドゥースでは難しいという宿命がある。
*しかし、自分自身がやる気になり、しかも人から賛同を得るためのロジックを組み立てることは充分可能である。世の中をあっと驚かせる創造や変革を起こすためにも自分の人生を切り開くためにもそのロジックが非常に重要な役割を果たす事になる。新しい事をはじめたり、変革を仕掛けたりすれば反対や妨害にあうこともある。人や組織、社会に影響を及ぼすプロデュースには常に共感者を生み出す可能性と抵抗者を生み出す可能性の両方がある。
*大義名分は、反対を押さえる力になる。構想の核心は、あくまで何をやるのかという具体的なアイデアはないかと思われるかもしれなし。だた、人の力を借り、人に影響力を及ぼしながら構想を実現していくプロドゥーサーは何のためにやるのか?誰のためになるのか?どんな価値が生まれ広がって行くのか?ということを伝えられるかどうかが成功の鍵になる。
*プロドゥースが立ち上がるとき、反対者とできるだけかかわらにようにすることは重要である。それは大きな成功要因である自分を含めたチームメンバーのモチベーション維持を阻害しないためだ。 -
プロデュースとは何か?について丁寧に書かれている本。
プロシュースを行う上で、人に共感して協力してもらうことが重要になってくる。どうやって共感して、自分のやりたいことを人のやりたいことにするかはビジョンがとても大切になる。ビジョンの語り方などなど。
そもそもビジョンが持てるようになるまでは大変だと思う。プロデュースの戦力となるしかない。 -
今、仕事で『ビジョン策定』ということを考える必要があって、職場では割と中心になって行動しているのですが、そのからみでとある先輩が貸してくれた本でした。
『プロデュースとは、一つのビジョンのもとに、人々の力を借り「新しい何か」を創りだし、現状を変えること』
ビジョン=目標、と考えていたのですが、この本を読んだらビジョン≠目標なんだなと。目標は大切だけど、それは手が届く存在でなければならない分、どうしても遊び心が欠けてしまう。本書で言うビジョン、は人をドキドキワクワクさせる力を持った道標のようなものだなと思いました。
プロデュースと聞くと古くは(!?)モーニング娘。、最近だとAKB48のようなアイドルとか芸能界とかそんなイメージしかなかったのですが、自分のような普通の会社員にも起きる、起こせる変化なんじゃないかと思うことができました。 -
プロデュースという概念を、普段の仕事や問題解決に使えるようにリフレームした内容。
普段の仕事でわき起こる疑問を個人の力でいかに改善していくのか、実際にありそうなエピソードを小説風に書いているので、イメージし易かった。
●全体像
・ヴィジョン(何を実現したいのか?)
・戦略 (どんな方法で?)
・価値 (どんな価値を生み出すのか?)
+
・ストーリー
以上をふまえた7つのポイント
1 自分は何をやりたいのか?
2 なぜそれをやりたいのか?
3 突破口を開く鍵となるアイデアは?
4 自分の果たす役割
5 誰に何をやってもらうか?
6 大義名分は?
7 付加価値は? -
・「何かをやらないままに済ませたときに生じるリスク」がどのくらい大きいという観点が欠落したまま、プロデュースのリスクが強調されることが多い。
・プロデュース思考の全体像
①ビジョン
aビジョンは何か?(自分は何がやりたいのか?)
bなぜ、そのビジョンなのか?(なぜそれをやりたいのか?)
②ストラテジー
cコアテーマは何か?突破口を開くカギとなるアイディアは何か?
d自分に何が出来るか?自分の果たす役割は何か?
e誰に何をやってもらうか?誰に何の役割を担ってもらうか?
③バリュー
e大義名分は何か?なぜこのプロデュースが必要か?
f付加価値はなにか?どのような波及効果が生まれるか? -
囚われの思考からの脱却
「いい人」は本当にいい人にはならない
ワクワクドキドキが最後には勝つ
ストーリー性にあふれた構成
魅力的なストーリーは、高いモチベーションを作り出す
魅力的なストーリーは、実現するイメージを強化し、行動の迷いをなくす
魅力的なストーリーには、人を説得し、恊働作業に巻き込む力がある
プロデュース思考の根幹
①ビジョン 自分の欲求・動機と実現したいビジョンは何か?
・ビジョンは何か(自分は何をやりたいのか?)
・なぜ、そのビジョンなのか(なぜそれをやりたいのか?)
ビジョンは、目指す方向性が明確で魅力的な未来への展開がイメージしやすいものである一方、ビジョンを考えた人はなぜそんなことを考えたのか、というビジョンの背景にある事情が隠れて見えなくなっていることが多い。→ビジョンにある背景も知りたいと思うのが人間心理 WHY?
ビジョンと目標は違う。ビジョンには物語がある
②戦略 どんな方法によってプロデュースを実現するか
・コアテーマは何か(突破口を開く鍵となるアイデアは何か)
・自分に何ができるか(自分の果たす役割は何か)
・誰に何をやってもらうか(誰にどんな役割を担ってもらうか)
③価値 プロデュースはどんな価値を生み出すのか
・大義名分は何か(なぜ、このプロデュースが必要か)
・付加価値は何か(どのような波及効果が生まれるのか)
④ストーリー -
<図書館で借りる>
pp.259-261
「ビジョンは合議から生まれない」
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時間をかけ、多くの人々が集まって議論していくと、ビジョンは、角のとれた刺激のない標語になっていく傾向がある。合議というのは、そこに集まった意見の異なる人たちが互いの立場を考慮しあって、どちらの意見も同等に盛り込んだ予定調和的なものになりやすい。誰も文句はいえないが、インパクトもない、というものができあがりやすく、多くの社員が本音で共感できる魅力的なビジョンとして広がっていくことは少ないのである。
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ビジョンって「こうしたい」っていう思いなので、共感できる人だけを集めてやるならば一部の人のインパクトのあるビジョンを出すことは有効だと思うけれども、「このメンバーでやりたい」という「人ありき」ならば、ビジョンが伝わらなかったり共感してもらえない可能性もあるので、みんなで描けるしくみもあったほうがやる気がでるのでは??と思った部分でした。