- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784820746089
感想・レビュー・書評
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会社の先輩から借り読破。
ものすごくシンプルなドラッカー入門の一冊。
古い本のため、途中に出てくる事例の時代遅れ感は否めないが、
ドラッカーの理論の全体像を短時間で網羅できる。
【第8章:戦略のタイプ】が良かった。
■競争戦略:
(大きな市場のトップに立つための戦略)
①総力戦略
(イチかバチかの戦略。リスク高くお薦めできない)
②創造的模倣戦略
(誰かがつくったものを創意工夫して、もっと顧客に満足してもらう戦略。市場志向が必要。リスクが小さく成果が大きいお薦めの戦略)
③企業家的柔道戦略
(「良いモノは良い」「最適化志向」により、模倣と最小機能によるコストダウン等で戦う戦略。もっともリスクが小さく成功確率の高い戦略)
(※②③はゲリラ戦略。すなわち、大企業の手薄なところを攻撃する戦略)
■生物学的(ニッチ)戦略:
(小さな市場で実質的な独占を狙う戦略)
①関所戦略
(あるプロセスに欠かせないもの。市場は限定されており、また暴利は取れない)
②専門技術戦略
(商品を中心に構築される戦略。中核技術を生かし、新しい市場が発生した直後にいち早く参入する。絶えず技術向上が必要。関所よりも市場は大きい)
③専門市場戦略
(市場に対する専門知識を中心に構築される戦略。特定市場に対して、投入する商品は問わない専門商社のイメージ)
■市場や商品の意味を変える戦略:
(用途や制度などの開発そのものを商品にする戦略)
①価格戦略
(ジレットひげそり系。モノに対する所有価格ではなく、使用価値に対する価格設定を行う)
②価値創造戦略
(モノではなく効用そのものを商品にする戦略。潤滑油が原因で機械が止まればペナルティを支払う潤滑油メーカーの戦略。「潤滑油の販売」から「潤滑油トラブルに限定した保険販売」に事業の定義を変更。「顧客が何のために買うのか?」から考える)
③事情戦略
(顧客の事情(合理性/現実)に合わせた販売方法をとる戦略。農家の合理性「農機を買えば生産効率が上がる」+顧客の現実「現金一括払いでは買えない」⇒「農機の分割払い」)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「事業」は、「経営環境」に適応させ、そして経営環境をも創造するために行うものであり、そこでは顧客ニーズに応え、またそのニーズを作り出していくことも求められます。したがって、経営環境の正しい認識なくして、事業戦略を考えることないといっています。そして、「事業」に関しては「何のための事業か」ということ、「事業の目的」を明確にしなければ、はたして「何に対して・どこから手をつけてよいか」で迷うことになります。
また、事業は「自社の強み」そのものである必要があり、「強み」があってこそ、顧客にとっての魅力的な商品開発やその提供方法を確立することできるといえます。
ではその「自社の強み」とは何かを考えていかなければならいないのですが、今の混沌とした、競争のはげしい世の中では早々簡単に見つかるものでもなく、またその「強み」を持っているからといって、いつまでも「唯一絶対の強み」として維持できるというものでもありません。では「強み」に辿り着くのにはどうすればいいか、そこで本書の中で述べている「強みを活かす」に書かれているそれぞれの対応を参考に考えていきます。
経営者は、強みを伸ばし、弱みを克服したうえで、新規事業を探さなければならない、としています。ここで伸ばす「強み」が心もとないのであれば、「弱み(マイナス要因)をプラスに変える」ということを考えるべきなのだろうと考えます。「弱みの克服やアンバランスの是正、脅威をチャンスとしてとらえることは、多くの場合、経営者や管理者の考え方や取り組み姿勢だけで実現できる」とドラッガーは述べていますが、それについて考えます。チャンスにするための「弱み」について本書では、生産や販売工程の弱み、業界の弱み、市場の弱みをあげています。どんな企業でも様々な弱みを持っているとはおもいますし、それをいかにチャンスとなりうるように変えるべきかを考えているのだろうと思います。これは部門に置き換えて考えてもあてはまることであり、自らの部門においても、いろいろな克服しなければならない課題や問題が、部門、あるいは所属員の個々人に発生した都度、この弱み、逆境の指摘を克服するための努力があるからこそ、「強くなれる要素がある」「努力しがいもある」、そしてその困難と克服の過程は必ず、何かしらの形で残し、蓄積していこうと話をしております。 -
ドラッカーの本を読む前段階としての目次として利用
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まだ早かった。
結構本格的な経営の入門。
まとめ書としてはかなりレベル高い。
他のドラッカー書を読んでから再読、購入検討。 -
ぱらぱらめくって読んだ程度。うーん、別にドラッカーじゃなくてもその辺から引っ張ってこれそうなネタじゃないかな?
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ドラッカーについて、専門書は沢山あるが、どこから手をつけていいか
分からない人にお薦めですね。
本書にて、ざっくり概要を理解して、興味のある分野について、ドラッカー氏が
著された書籍をじっくりと読む。
こんな感じでしょうか。
利益を上げ続けることではなく、顧客を創造することが
企業の使命であるという考え方は、理解できるが実践が
難しいですね。