甘党男子が選んだ78店。
甘党の男が選んだなら、男の私の好みにも合うものが多いんじゃないかと思って開いてみた。
これまで見た女性をメインにしたガイド本だと、ちょっと首を傾げるものも多かったから、男がセレクトした本は大歓迎だ。
最近は、元横綱大乃国の芝田山親方や、俳優の的場浩司さん、それにどこからともなく現れたチョイ悪風のスイーツ番町も、大好きなスイーツのガイド本を出している。スイーツ界も甘党男子の台頭で俄然楽しくなってきた。
さて、本書。掲載店のほとんどは周知の有名どころ。これは仕方ない。ここまでスイーツブームだと隠れた名店もなかなかない。
そうなると要は、店自体よりその店のどのスイーツをイチオシに選んでいるかだ。
イチオシのひとつに、先日私も食べて気に入った和菓子があった。浅草は亀十の「松風」。たいていのスイーツガイド本は亀十なら「どら焼き」をドンとお勧めしているが、本書は「松風」だった。私は仲間数人と両方とも食べてみたのだが、そのときはみな「松風」の方が好みだった。本書と私の相性はいいかもしれないと嬉しく感じたところだった。
でも、やはり反対もあった。それは、ピエール・エルメの「マカロン」。もちろん、美味しいには美味しい。間違いない。でも、イチオシはどうか。私だったらイチオシするのは「ミルフィユ」だ。甘党の方々の目の前に、マカロンとミルフィユを並べて、「好きな方を選んで」といったらみんなミルフィユを選ぶんじゃないかなぁ〜、と私は思ってしまうのだが……。もちろん、不公平の無いように、同価格分の量に揃えるために、「マカロンなら3ついいよ」としたとしてもだ。
まあ、両方食べればいいし、そんなに真剣に考えることでもないか。みんなマカロンが好き、特にピエール・エルメのものは食べてみたいということなんだと思う。
本書で面白かったのは各店の評価項目。
1. 認知度
2. 1人 or みんな(イートインの場合)
3. 価格帯(高め、安め)
4. デートに向く?(イートインの場合)
5. うんちく度
6. 行列具合
7. 病みつき度
8. ビジュアル
9. ボリューム
以上9項目を4段階で評価している。
私の注目点は7番目の「病みつき度」。
美味しくてまた食べたい、ということだろうけど、「美味しいもの」の条件ってそれが一番なんじゃないかと思った。
「病みつき度4」の最高の評価店はざっと数えたら15店くらいあったかな。この季節、濃厚なモンブランやチョコレートケーキを買いに出かけたい。
私が最近気に入っているのは
◆イナムラ ショウゾウの「モンンブラン」
◆オーボンヴュータンの「オペラ」
(どちらも本書では紹介されていません)