- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822236915
作品紹介・あらすじ
アパレル業界がかつてない不振にあえいでいる。オンワードホールディングス、ワールド、TSIホールディングス、三陽商会という業界を代表する大手アパレル4社の売上高は激減。店舗の閉鎖やブランドの撤退も相次いでいる。またアパレル業界と歩みをともにしてきた百貨店業界も、地方や郊外を中心に店舗閉鎖が続き、「洋服が売れない」事態は深刻さを増している。なぜ突如、業界は不振に見舞われたのか。経済誌「日経ビジネス」の記者が、アパレル産業を構成するサプライチェーンのすべてをくまなく取材した。
ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、「もう、"散弾銃商法"は通用しない」と業界不振に警鐘を鳴らす。大手百貨店首脳は「我々はゆでガエルだった」と自戒。業界を代表する企業の経営者から、アパレル各社の不良在庫を買い取る在庫処分業者や売り場に立つ販売員まで、幅広い関係者への取材を通して、不振の原因を探った。
また本書では、業界の将来を担うであろう新興企業の取り組みについても取材した。ITなどを武器に、業界の「外」から勢力図を変えようとするオンラインSPA(製造小売業)や、業界の「中」から既存のルールを変えようと挑戦するセレクトショップなど、国内外の新興プレーヤーの取り組みを紹介する。この1冊を読めば、アパレル産業の「今」と「未来」が鮮明に見えるはずだ。
【登場する企業】
オンワードホールディングス/ワールド/TSIホールディングス/三陽商会/ファーストリテイリング/ストライプインターナショナル/GAP/H&M/三越伊勢丹ホールディングス/大丸松坂屋百貨店/高島屋/そごう・西武/スタートトゥデイ/メルカリ/エアークローゼット/ナノ・ユニバース/トウキョウベース/ジャパンブルー/ミナペルホネン/パタゴニア/エバーレーン/エムエムラフルール/グレイツ/アマゾン・ドット・コム/レントザランウェイ など
感想・レビュー・書評
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【感想】
本書で紹介されているユナイテッドトウキョウでジャケットを買ったとき、思わず驚いた。製造が完全国内なのに、他ブランドと比べて20%ほど安いのだ。
アパレル企業はかつて、価格上昇を抑えるために工場を海外に移転していた。国内から中国へ、中国からベトナム、カンボジア、バングラディシュへと、人件費の安い途上国に生産を任せることで、服の価格を安く保ってきたという歴史がある。
しかし現在は、工場を国内に回帰させる動きが強まっているという。しかも、中国生産のときよりも安く、利益率も高い。その秘訣は、単なる縫製費用の節約ではなく、服の製造・販売全体をつなぐサプライチェーンの革命にあった。
本書『誰がアパレルを殺すのか』は、不振にあえぐアパレル業界の内情にメスを入れる一冊だ。旧態依然としたシステムの問題点を指摘すると同時に、業界の常識を破壊しながら成長を続ける新興勢力を描き、アパレル業界の未来のありかたを探っていく。
何故いまアパレル業界がピンチなのか。理由の一つに、アパレル業界全体が閉鎖的であり、高度経済成長期のシステムから脱却しようとしないことが挙げられている。
実は、服を一着作るのには、多数の工程が踏まれている。販売計画→デザイン検討→サンプル作成→検討会議や展示会×n→再作成→デザイン決定→製造発注→製造進捗管理→納品・検品→販売と、プロセスは多岐にわたり、さらに縫製工場との調整や素材の確保なども発生する。サプライチェーン全体を関係者別に眺めれば、川上(糸や生地メーカー、縫製工場)、川中(アパレル企業や商社、OEMメーカー)、川下(百貨店やショッピングセンター(SC)などの小売店)と多数存在し、しかも関係者間の統合がされておらず、やりとりは各階層で断絶されているのが現状だ。
ここまでプレイヤーが多ければ、コストも段階的に増していくことになる。なにより、デザイン決定から販売までに膨大な時間がかかる。アパレル業界ではこの「時間」が何よりの天敵だ。売る服はシーズンごとに変えなければならないため、時期を逃せば不良在庫となるからだ。結果、納品遅れなどによって売り時を逃した服は、シーズン終わりにセールでさばかねばならなくなり、安く売ることで利益が減少していく。
この「安売り」が、アパレル業界の首を絞め続けている。
かつての高度経済成長期には、服は高かったが、黙っていても売れた。しかしバブルが崩壊し日本経済が貧しくなると、ユニクロをはじめとしたファストファッションが流行し、一気に服がデフレ化していく。衣服1枚あたりの価格は、1990年の6,846円から年々下落し、2019年は3,202円、つまり半分以下にまで下がったという。
服には流行がある。良くも悪くも、世間の流れに敏感に反応するのがアパレル業界だ。ユニクロが出現してからは消費者心理がファストファッションに傾き、既存のアパレル企業は高価格路線を貫けなかった。多くの企業はユニクロに追従し、生産拠点を海外に移し価格を抑える戦略を取ったのだが、ただのユニクロの真似事で終わり、定常的な利益を生み出す「サプライチェーンの効率化」にはいたらなかったらしい。結果としてますます服が安くなり、利益がどんどん減少している、というわけだ。
――「中間層が服を買わなくなった」。大手アパレル企業や百貨店の関係者に不振の理由を問うと、判で押したように同じ答えが返ってくる。長引くデフレは消費者の財布のひもを固くし、所得格差も広がり続けている。ただ、問題の本質は外部環境にはない。既存のビジネスモデルを守りながら、その上につぎはぎして延命を図る経営は限界にきている。ゼロから新しいビジネスを作るつもりで、既存のビジネスモデルを破壊する。経営者に問われているのは、その覚悟だ。
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以上が本書の一部である。
この他に、こうした不振を打開するための新興勢力たちが描かれる。工場を国内に戻すことでサプライチェーンの「時間」を縮め在庫を抑える企業、素材や生産背景を透明化し金額以外のプラスアルファを提供する企業など、彼らの多くは「大量生産による低価格化」に反旗を翻している。
本書を読むと、そうした新興アパレル企業の販売方法と理念に興味を惹かれて、つい買ってみたくなってくる。経営が効率的なだけでなく、そのうえで消費者に選んでもらえるような仕掛けを施しており、これが上手い。そうした「ブランドそのものにファンを増やす」という戦略も、今後のアパレルの生き残りに関わってくるのかもしれない。
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【まとめ】
1 なぜアパレル業界が今、深刻な不振に見舞われているのか?
洋服を作り、それが消費者に届くまでの流れを「サプライチェーン」と呼ぶ。アパレル企業が直接、または商社やOEM(相手先ブランドによる生産)メーカーなどを経由して工場に洋服を作るよう指示し、完成した洋服はアパレル企業が専門店に卸す、もしくは百貨店や直営店などを通じて消費者に販売する、というのが簡単な流れだ。
川上(糸や生地メーカー、縫製工場)から川中(アパレル企業や商社、OEMメーカー)、そして川下(百貨店やショッピングセンター(SC)などの小売店)へと洋服が移動していくなかで、必ず不良在庫が生まれる。
アパレル業界がほかと違うのは、大量の売れ残りを前提に価格を設定し、無駄な商品を作りすぎているという点だ。
経済産業省が2016年に公表した「アパレル・サプライチェーン研究会報告書」によると、国内アパレルの市場規模は1991年に約15.3兆円あったが、2013年には約10.5兆円に縮小した。一方、供給されるアパレルの数量は1991年時点で約20億点だったが、2014年には約38億点に増えている。つまり、市場規模が3分の2に落ちているのに、市場に出回る商品の数は倍増している、ということだ。
ユニクロや欧米ファストファッションは、アパレル産業の川上から川下までの情報を正確に把握し、サプライチェーン全体を合理的に管理している。だが、それに気付かなかった既存の大手アパレル企業は、製造拠点を中国に移すだけで、ユニクロや欧米ファストファッションと同じように人件費を安く抑えられ、大量生産によるスケールメリットによって製造コストを下げられると考えた。そして安易に中国生産に舵を切った。つまりは表面的に「ユニクロのようなビジネス」をまねようとしたのだ。
結果、1990年代を起点として、アパレル業界に「商品単価の大幅な下落」という大きな変化が起きた。1991年を100とした場合の購入単価指数は、2014年には60程度まで落ち込んでいる。中国で大量に作り、スケールメリットによって単価を下げる。代わりに大量の商品を百貨店や駅ビル、SCやアウトレットモールなど、様々な場所に供給することで何とか商売を成り立たせる。需要に関係なく、単価を下げるためだけに大量生産し、売り場に商品をばらまくビジネスモデルは、極めて非合理的だが、麻薬のように、一度手を染めると簡単にはやめられないものだった。その結果として大量の不良在庫が発生した。
ITの活用という面では国内のアパレル業界は周回遅れというのが現実だ。アパレル業界は「川上」「川中」「川下」に多層の分業体制を築くことで発展し、インターネットが発達した今も、この強固な分業体制が良くも悪くもなかなか崩れない。
かつてワールドで総合企画部長などを務めた北村禎宏氏はこう話す。
「まずは川上から川下まで、業界全体として不振の現状と原因を正しく認識し、その上で、連携して対応する必要がある。アパレル産業には糸や生地メーカーから商社、OEMメーカー、小売店まで様々な企業が関係しているが、階層ごとに断絶されていて連携が進まない。将来像を全体で共有しないまま、各プレーヤーが好き勝手に振る舞い続けていては、業界が集団自殺しているのと同じだ」
2 生産の現場
日本のアパレルを支えているのは中国の生産現場だ。しかし、中国一極集中が進んだ結果、人件費の増加により利益が圧迫されている。代わりにASEANに生産拠点を移そうとすると、日本への海上輸送のコストがかさんでしまう。
世界トップレベルの素材を持ちながら、それを商品力につなげられないことが国内アパレル企業の大きな問題だ。大手アパレル企業がモノ作りの精神を捨てて追い求めた大量生産・大量供給。それに、消費者は「NO」を突きつけている。
3 小売の現場
デベロッパーはこれまで、増えるSCのテナントを埋めるため、アパレル企業に大量の出店を求めてきた。アパレル企業としても出店が増えた分だけ売り上げの増加が見込める。こうした契約を受け入れ、SC展開に踏み込んでいったところは少なくない。在庫管理やブランド力低下などの問題があっても、目先の売り上げが確保できるSCの誘いに抗えなかったのだ。
SCが増え、競争が激しくなるほど、近隣SCとの差別化が必要となり、わずかに商品構成や名前が違うだけのブランドを乱発していった。結果、急激な商品の同質化が起こり、これがアパレル不振の一因となった。
4 販売の現場
ファッション業界専門の転職支援サービス、クリーデンスによると、販売員の平均年収(2016年)は25~29歳で292万円。35~30歳でも354万円までしか増えず、日本全体の平均給与である年420万円に届かない。手取り18万円、実家ぐらしがスタンダードだ。
「販売員が次のステップとして、バイヤーや商品企画担当者になりたいと考えても、社内にそのルートがない。じゃあ転職しようと思って中途採用の募集要項を見ると、『3年間のバイヤー経験必須』とあるんです。どんなに長く勤めても、販売員は販売員のまま。自分の経験が転職市場で評価されないと知った時は辛かったです」アパレル販売員の中村さんはそう語る。
5 消化仕入れという罠と、かつての栄光から抜け出せない日本
高度経済成長期、オンワード創業者の樫山は、百貨店を主な販路と見込み、当時としては画期的な「委託取引」を思い付く。いったん商品を百貨店に買ってもらうが、売れ残った商品をオンワード側が引き取る仕組みで、これが発展し現在の「消化仕入れ」につながっていく。当時、百貨店はアパレル企業から商品を買い取るのが主流だったが、それでは百貨店の予算分しか買ってもらえない。そこで、あらかじめ売れ残りを引き取ると約束することで、買い取りの場合よりも多く、オンワードの商品を棚に並べてもらうのが狙いだった。委託取引は在庫のリスクをアパレル企業側が負うことになるものの、百貨店による買い取りに比べて利幅が大きくなる。経済全体が成長して消費意欲も旺盛な時代だったため、返品はあまり負担にならなかった。
しかしその後バブルが崩壊。1990年代後半からユニクロを始めとしたファストファッションブームが起こり、業界全体を値下げが襲う。その後も利益減から持ち直すことができず、2010年代からは、業績不振による大手アパレル会社の統合が起こっていった。
ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション会長の尾原氏「ブランディングがいかに重要なのか、日本のアパレル関係者は全員、分かっていたと思います。日本の老舗企業ののれんが、どれだけのエネルギーによって生み出され、維持され続けているのか知っていますから。そういう素地があったにもかかわらず、戦後に米国式のマーケティングが入ってきて、宣伝やプロモーションによって商品が売れる経験をしました。ブランドに想いを込めて、哲学やコンセプトを定め、ブランドに合わないことはやらないと突き詰めることで、ようやくブランドが維持できる。それなのに、露出や知名度を上げることだけに腐心し、目先の利益を追いかけ、百貨店内のいい売り場を取ることがブランディングだと考えてしまった。経済成長やバブル景気の時期と重なったので、そうした施策の効果を検証しなくても商品は売れ、ブランディングについて誤解したままになりました」
6 新興勢力
・米国の新興アパレル企業「エバーレーン」。同社は「オンラインSPA」と呼ばれる新しい業態だ。
店舗や中間業者、大規模な宣伝広告といった、これまでのアパレル業界で「あって当然」「やって当たり前」だったことをなくしている。商品は小規模ロットで完全に売り切ることを前提とし、在庫は極力持たない。そのため売れ残った商品の大規模セールもせずに済む。マーケティングはSNSを駆使する。卸売りもほとんどせず、ネットを通じて直接、商品を消費者に届ける。
従来のアパレル企業は、春物、夏物など、季節ごとに商品を企画・販売し、シーズンが終わると在庫を大幅に値下げして売り切る。しかしオンラインSPAは、こういったシーズン制にとらわれず、コンスタントに商品を発売する。出店を抑え、広告宣伝をやめて浮いた資金は、商品の素材やデザイン、顧客サポートといった、アパレル企業が最も大事にすべき部分に投下。質の高い商品を、適正な価格で販売する。
・日本発の新興セレクトショップTOKYOBASE。同社の2017年2月期の売上高は前の期比53.7%増の約94億円、営業利益は95.5%増の約13億円となった。売上高営業利益率は約14%で、アパレル業界内でトップクラスの収益率の高さを誇る。
SPAブランドであるユナイテッドトウキョウの商品は、原価率が50%を超える。ユニクロですら原価率は30~40%だ。ユナイテッドトウキョウは高度な技術を持つ国内工場と直接取り引きして商品を作っているため、発注時期をギリギリまで引っ張ることができ、シーズン途中に流行し始めたスタイルや色にも柔軟に対応できる。結果、需要に合った商品を投入して売れ残りを防ぎ、これが利益率の高さに繋がっている。計数管理を徹底しながら原価率の高い良質な商品を適正規模で生産し、それを売る販売員にはインセンティブとして、個人売上の一部を給料に反映している。これが同社の成長戦略だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アパレル業界の構造的な問題と競争の歴史、現在の問題点が理解できました。 -
学生時代からつい最近までアパレル一本だったけど
ここ一年退いた身としてはなんとも耳が痛いというか
あぁ的を得ていると思う…なかなか厳しいことがたくさん書いてあるけどw
そこは悲観せずに、アパレルオワタ!ではなく
これからたぶんいろんな切り口の産業として
いろんな可能性があるのかなぁと思った。
ただ、このままじゃいかんのも確か。
特にバブル以前からやってる大手とか中小企業然り
うちは大丈夫と胡座かいてる上層部の方々。
わかる、わかるよ〜
アパレルってほんと、好きじゃないとやっていけないと思うし
耐え難きを耐え、忍び難きを偲び。
どの駅ビルやファッションビルも同じような品揃え
そりゃつまんねーってなるわな、消費者からすると
どれも同じなら安いとこで買ったほうがいいもの。
とか、ウンウン言いながら読んだ。
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●オンワード、ワールド、TSI、山陽商会、大手4社は売上高が1割ずつ減少し、二人三脚で成長してきた百貨店も、アパレル不振により構造改革を迫られている。百貨店の売上の3割はアパレル。
●しかし何故今なのか?バブル崩壊やリーマンならまだしも、アベノミクスの最中にアパレルだけが不振に喘ぐ。
●アパレル業界が他と違うのは、大量の売れ残りを前提に価格を設定し、無駄な商品を作りすぎている点。市場規模は3割以上減っているのに、供給は倍になっている。
●ユニクロなどファストファッションの強みは、サプライチェーンの全てを把握している点。ただ単に生産拠点を中国にして人件費を抑えれば良いというのではない。しかし大手アパレルはそこだけ真似て、単価だけを下げてきた。
●安く大量に生産できるからと言う理由で、優れた技術を持つ国内の産地や工場を置き去りにし、中国への工場移転を進め、高い技術力のある国内の縫製職人は仕事を失った。
●アパレル企業が「売れ筋を、安く、速く」作ろうとするあまり、商品企画やコンセプトまで外部に丸投げするようになった。ブランド名以外、皆同じような商品になってしまった。
●百貨店は「消化仕入れ」なのでノーリスク。とにかく目新しいブランドを掻き集めるだけ。同じような商品が並び、魅力が低下していく。
●アパレル販売員にはキャリアパスがない、将来に展望がない。客と同年代で揃えたくなると、派遣してもらう方がいい、使い捨ての意識。元々ブラックな職場だったのだ。
●柳井正 過去に「服もコンビニの弁当と変わらない」と発言しました。商品は商品ですから。その感覚が、アパレル業界の人に足りなかったんじゃないんですかね。ファッションは特別なものでなく、他と同じようにお客様がお金を払って買う商品だと言う認識が足りなかった。「商品は芸術だ」と言う、世界の水準から見たらあまりにも高い価格で商品を売っていたんじゃないかなと思います。
中国の人件費はこれからも上がっていくでしょう。しかしいろいろな国を探しているのですが、中国ほどきっちりと商品を作る国がなかなかない。ベトナム位かなと思いますが他にはカンボジアバングラディッシュとかインドネシア。
長く働き続けることができて、単純労働から知識労働に変わらない限り、企画製造小売業は付加価値を高められない。店のサービスも同じです。それには何年もの経験が入りますから。パートやアルバイトより正社員のほうがいいですよね。
●ZOZO 2006自社物流施設を立ち上げ、全てのサイズを測り直し、異なるブランドの服でも簡単にサイズ比較できるようになった。
●ZOZO 管理サイトが使える。自社在庫管理は当然、他社の商品のトレンドなども分析できる。
●TOKYO BASE 原価率50%国内生産。アパレル業界に大器晩成はない。販売員は、お客さんの服を買う理由の一つになれないと意味がない。
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日経ビジネスの記事「買いたい服がない」を読んだ。当時、私自身がそう思っていたので、タイトルだけでツボにはまった。それに大幅な加筆・修正をしたというこの本は興味ありありで手に取った。
大きく分けて内容は老舗アパレルの衰退、SPA、通販が主力の新興勢力、そして海外を見ている企業とそれ以外の企業の動向といったところでしょうか。
アパレル不振が叫ばれて長いけれども、読後は、業界自体が不振なわけではないと思うようになった。著者も、最初は誰がアパレルを殺すのか?という視点で見ていたのが、取材をしていくうちに死にそうなのは旧態を脱することができない会社だけという結論になったのではないだろうか。業界が不振と言われるのは、それらの会社の声が大きいからでしょう。
個人的には、ミナペルホネンについて取材されていたのも良かった。注目ブランドだったのと、そういう背景があるとは知らなかったので。
1つだけ難を言うと、製造現場への取材が少なすぎる。ただ、そこに足を突っ込むと1冊では終わらなくなってしまうので、この本はこれで良しかな。 -
アパレルに限らず、製造業で働いてる人は読むべき一冊。
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日経ビジネスでの特集を見て購入。衣装道楽で首が回らない私にはアパレル&百貨店の苦境は衝撃だけれども、ココ・シャネルになりたかった14歳までの自分の為に心して読むぞ♡
すてき♡と胸を撃ち抜かれたお洋服を値札をみずに試着して、勢いで分割払いしまくっている私に「こんなにいろんな方法があるの?」と愕然とさせまくった第3章は必見中の必見です。インターネットを活用したビジネスモデルが次から次へと紹介される様は、言うなれば服飾業界のFintech!同じレトロでクラシックでクラス感が求められるビジネスが今頃になってとんでもないビジネスモデルチェンジが表れること、志ある業界内外のプレイヤーが新しい流れに挑戦すること、そしてヒントや一歩先行く実践は案外海外でいっぱい見つけられること!
金融業界もアパレル業界も正直似たような構造問題にあり、殺されるかもしれないと怯えている分アパレル業界の方がまだあがきようがあるのかもしれません。
とはいえ、女性がメインターゲットのアパレル業界。男性よりも買い叩かれやすく、粗末に扱われてきたゆえにこの構造問題が先に表出したという可能性も・・・ -
NHKの連続テレビドラマ小説で出てきたあの方々も、時代の流れには対応しきれなかったのか。
将来、今の人たちがドラマの題材になるのかな -
アパレル業界の必衰に興味があり読んでみた。三陽商会やオンワード等の老舗のアパレル企業の歩みやゾゾタウン、アースミュージック&エコロジー等の新興企業の取り組み等がとても分かり易く書かれている。最初は消費者を向いていたはずがいつの間にか大量消費に合わせた値段設定になっている流れが老舗企業の没落に繋がっていったのかもしれない。小さくても顧客に向き合う姿勢を忘れないことが如何なる業種でも必要かもしれない。