- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822237271
作品紹介・あらすじ
2030年に、自動車産業は大きな変化を遂げているだろう。「モビリティー革命」の到来である。それは既に起こり始めている。
本書の前半では、モビリティー革命を引き起こす要因として、
(1)パワートレーンの多様化
(2)クルマの知能化・IoT化
(3)シェアリングサービスの台頭
──という三つを挙げる。その上でこれらの要因が、「現在の自動車産業をどのように変えていくのか」という点について詳しく分析する。
例えば、CO2排出量を現在の10分の1に抑えるには、2030年には新車販売台数の25%を、2050年には100%を電気自動車(EV)などの次世代車に置き換える必要があるという。そのためには2050年までに、合計で280兆円の投資が必要と試算する。
また、クルマの知能化・IoT化によって、3%の自動運転車が移動の30%を担うようになると分析。さらにシェアリングサービスの急拡大によって、2台に1台がシェアリングになると予想する。
本書の後半ではこれら三つの要因が自動車産業に与えるインパクトについて、数字を挙げながら考察する。「乗用車メーカーの利益が半減」「部品産業存亡の危機」「ディーラー数が7割減る」──など、そのシナリオは衝撃的である。
日本経済の根幹を支えてきた自動車産業は、こうしたモビリティー革命の激流に翻弄されるのではなく、“革命の指導者”となって今後の熾烈な競争を勝ち抜くことが求められる。本書の最後では自動車産業への提言として、生き残りに向けた具体策を示している。
感想・レビュー・書評
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述べられてるのは、近年確実に訪れるであろう変化の要素。有為転変は世の習い。強い者や賢い者が生き残るのではない。唯一生き残るのは変化できる者。茹でガエルにならないように、時代のうねりを捉えていかないと
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16年の本だが、今読んでも全く遅くはなく、これからの自動車産業について俯瞰的な目線で考えることができるようになる良本。
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バリューチェーン全体への影響がよくわかる。
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今となっては5年前の本だが業界を産業全体を俯瞰したことがない人には背景を理解する目的で読むのは有意義かと。
タイトルに自動車産業とあるように、企画、製造(サプライヤー含む)、販売の事に加え修理・メンテ業、保険に至る影響が整理されていて構造として理解できた。 -
ニュースサイトで言われている以上の情報は得られなかった。まとまっていることに価値がありそうです。
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近い将来に必ず流通するZEV(Zero Emission Vehicle)が社会にもたらす影響を様々な視点から述べた良書。
「質より量」の販売戦略で栄えた日本メーカーは、カーシェアリングの一般化や、自動運転による事故減少で生産数が伸び悩み、必ず衰退する。
また、大衆の価値観の変化も影響している。車という「モノ」の保有よりも、心躍る体験「コト」を求める風潮が更に自動車メーカーに追い打ちをかける。
あらゆる面で変化しなければ生き残れない。情報収集と柔軟な発想力が必須じゃないか。
対して社会のニーズは変わり増えるため、他業種との連携やビックデータの活用法次第では大きく成長出来る。
著者が触れていた『イノベーションのジレンマ』の「変われる会社が生き残る」という言葉がピッタリと当てはまると感じた。 -
カーシェアリングと地球温暖化を主としたモビリティ革命について書かれた本。
これからの時代、利益に注目したビジネスと違い、地球温暖化(人類の滅亡)に目を向けたビジネスという意味で、自動運転、電気自動車、カーシェアリングは非常に価値があると思った。
他のビジネスとは方向性が違うため、差別化がしやすく、今までの自動車産業とは明らかに違うタイプの新しい事業が始まるだろう。
自動車会社がコト作りを始めるのか、コト作りが得意なGAFAたちが自動車作りを始めるのか、はたまたどちらかが飲み込むのか、これからの動向にはかなり興味がある。 -
色々とアウトプットする機会もあったので、頭の中の整理に。
日経テクノロジーのサイトにデロイトの人たちが連載していた記事を一冊をまとめたもの。
2030年に向けて、どう変わっていくか。この通りにはならないだろうけど、方向性として理解しておこう。 -
自動車業界の今後の変化とチャレンジを分かりやすく解説した一冊。