ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則

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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822242633

作品紹介・あらすじ

『ビジョナリーカンパニー』の著者が7年ぶりに書き下ろす飛躍企業11社の秘密。

感想・レビュー・書評

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  • 経営者の自伝や一般的なビジネス書とは異なり、データを元に分析した内容と、その分析に至るまでの過程が書かれている。勉強になる話が多くて面白い。

    以下、本書より抜粋。
    「結果が悪かったとき、窓の外ではなく鏡をみて、責任は自分にあると考える。他人や外部要因や運の悪さのためだとは考えない。」

    「運転手には、『サーキット・シティの従業員のうち、顧客に最後に接するのが君だ。制服を支給する。髭を必ず剃り、身体をいつも清潔にしていなければいけない。プロになってほしい』と話した。」

    「バスから降ろすべきかではなく、採用すべきかが問題だと想定した場合、その人物をもう一度雇うだろうか。その人物がやってきて、素晴らしい機会があるので会社を辞めると話したとするなら、深く失望するだろうか、それともそっと胸をなでおろすだろうか。」

    「最後にはかならず勝つという確信、これを失ってはいけない。だがこの確信と、それがどんなものであれ、自分がおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視する規律とを混同してはいけない。」

    「針鼠の概念と3つの円。情熱をもって取り組めるもの。自社が世界一になれる部分。経済的原動力になるもの。」

    「高収益をあげた年には社内の全員が潤う。」

    「ほんとうに問題なのは、『なぜ偉大さを追求するのか』ではない。『どの仕事なら、偉大さを追求せずにはいられなくなるのか』だ。『なぜ偉大さを追求しなければならなのか、そこそこの成功で十分ではないのか』と問わなければならないのであれば、おそらく、仕事の選択を間違えている。」

  • 「よい企業が偉大な企業になるための特徴」が記載されています。
    本自体は、読みやすいです。各章の最後に概要としてまとめがついています。

    さて、その特徴とは
      第5水準のリーダシップ(野心は会社のため
      最初に人を選び、その後に目標を選ぶ(誰をバスに乗せるか)
      厳しい現実を直視する(最後には必ず勝つ)
      ハリネズミの概念(単純明快な戦略)
      規律の文化(人ではなく、システムを管理する)
      促進剤としての技術(新技術に振り回されない)
    そして、それを地道に行動し続けることです。(劇的な転換はゆっくりすすむ)

    これらの概念と、前書のビジョナリカンパニーで分析した4つの概念
      時を告げるのではなく時計をつくる
      ANDの才能
      基本理念
      基本理念を維持し進歩を促す
    との関連付けがあるのもうれしい

    一方で、つらかったところは、この本で紹介されている企業はほとんど知らないものばかり。なので、人名なのか社名なのかわからなくなったりと、そのところは読み返しが必要で、ちょっと苦労しました。

    さて、本書で気になったところは
    ハリネズミの概念
    ハリネズミの概念とは、世界一になれる部分、情熱を持って取り組めるもの、経済的原動力になるもの、のANDとなる部分を見つけ出し、それを単純明快な概念として確立すること
    やっぱり、好きなもの、勝てるものを一致させるのは重要かなっと

    そして、企業についての本なのですが、やはりマネジメントに関するところが記憶に残ります。

    「目標を決めて、それを実現する人」を選ぶのではなく、「最初に人を選んで、その後に目標を選ぶ」
    これ、ちょっと驚きました。ちょっと思っていたことと違ってました。
    さらに、モチベーションをあげさせることに努力するのは無駄であり、適切な人が乗っていれば、全員がモチベーションはすでに持っており、そのモチベーションを落とさせないことが重要。
    とのこと。
    これ、かなり重要かと思います。
    適切な人をバスに乗せるといっていますが、それってほんとうにできるのかなっと(できたから、偉大な企業になれているんだろうけど)

    最後に、「ストックデールの逆説」
    どれほどの困難にぶつかっても、最後には必ず勝つという確信を失ってはならない。そして、同時にそれがどんなものであれ、自分が置かれている現実のかなでももっとも厳しい事実を直視しなければならない

    うーん、むずかしいけど、心したいところです。

  • 前書『ビジョナリーカンパニー』の続編として出版されているが、内容としてはこちらが前編と言える。前書が扱ったのは偉大な実績をあげている企業を、偉大さが永続する卓越した企業にする方法であるが、本書では良い組織を偉大な実績を持続できる組織に飛躍させる方法を扱っている。

    本書は企業の変化の過程を3つの大きな段階に分けて考えている。そして、各段階それぞれに2つの主要な概念を含んでいる。
    ①規律ある人材
    ②規律ある考え
    ③規律ある行動
    この3段階を継続した行動で推し進めることで偉大な企業へと進化する。

    その中でも第5章が最も印象的であり、②に関連する針鼠の概念は個人の考え方としても応用ができる。
    針鼠の概念とは、ある3つの円が重なる部分に関する理解から導きだされる、企業の資質である。
    ・自社が世界一になれる部分はどこか
    ・経済的原動力になるものはなにか
    ・情熱をもって取り組めるのはなにか
    この3つの円を深く理解することで針鼠の概念を確立できる。
    針鼠の概念は企業だけでなく個人としても同様だ。
    自分が働くうえで、持って生まれた能力にぴったりか、それで十分に稼げるのか、情熱をもって取り組めるのか(これが1番難しいか)、これらを考えることが自分の生き甲斐、天職を見つける大きなポイントになるのではないかと思う。

  • 飛躍を導いた経営者は、派手さやカリスマ性とは縁遠い地味なしかも謙虚な人物だった
    とあるが、現在では存在する企業もあると思われる。
    その点を踏まえて、新しい作品を読んでみたい。
    また、人材を集めてから動くことは、なるほどと思う。


    ベストセラー『ビジョナリーカンパニー』の著者が7年ぶりに書き下ろす 飛躍企業11社の秘密!!
    ごく普通の会社が、世界有数の経営者に率いられた超一流企業に勝るめざましい業績をあげるまでに変身した。全米1435社の中から選ばれた傑出した業績を長期間持続させることに成功したジレット、フィリップ・モリス、キンバリー・クラーク、ウェルズ・ファーゴ等の飛躍を遂げた企業11社をそれぞれの業種で競合関係にある企業と詳細に比較・分析した結果、飛躍したこれらの企業には共通した以下のような特徴があった。

    ●飛躍を導いた経営者は、派手さやカリスマ性とは縁遠い地味なしかも謙虚な人物だった。その一方で勝利への核心を持ち続ける不屈の意思を備えており、カエサルやパットン将軍というよりは、リンカーンやソクラテスに似た思索する経営者であった。
    ●飛躍を導いた経営者は、最初に優秀な人材を選び、その後に経営目標を定める。目標にあわせた人材を選ぶのではない。
    ●飛躍を導いた経営者は、自社が世界一になれる部分はどこか、経済的原動力は何か、そして情熱を持って取り組めるものは何かを深く考え、必要とあればそれまでの中核事業を切り捨てる判断さえ下す。
    ●劇的な改革や痛みを伴う大リストラに取り組む経営者は、ほぼ例外なく継続した飛躍を達成できない。飛躍を導いた経営者は、結果的に劇的な転換にみえる改革を、社内に規律を重視した文化を築きながら、じっくりと時間をかけて実行する。

    飛躍した企業と比較対象企業の例 ジレット vs ワーナーランバート フィリップ・モリス vs R.J.レイノルズ キンバリー・クラーク vs スコットペーパー ウェルズ・ファーゴ vs バンク・オブ・アメリカ

  • まず「誰をバスに乗せるか」に至極納得すれど、バスから降りるべき人への対応とそれによって疲弊する組織は多く存在するのは確か。
    「ストックデールの逆説」は再読したなかで自分自身に勇気を与えてくれるものであった。厳しい現実に目を背けない、しかし先の見通しは明るい(信じる、覚悟を決める)ANDの精神が胸に刺さった。

  • 学生時代にこの本読んだことがあるんですが、
    その時は自分の心が準備できていなくて、
    今一つピンとこなかったのです。。
    今回、社内研修の指定読書だったので、
    もう一度チャレンジすることになりました。

    前回読んだ時は、「誰バス」の話しか記憶に残っていません。。
    (そういう人、結構多いのではないかと思います、笑。)

    この本が偉大な本であることは疑いようがないのですが、
    改めて再読してみて、以前の自分よりは
    より心にしみてきたのではないかと思います。

    キーワードで言うと、
    ・第五水準のリーダーシップ
    ・だれをバスに乗せるか
    ・厳しい現実を直視
    ・針鼠の概念
    ・システムを管理
    ・新技術にふりまわされない
    ・弾み車
    この辺りが(乱暴に言うと)ビジョナリー・カンパニー(偉大な会社)への道ではあるのですが、
    中々上手にキーワードにしたなぁ…と感心する一方、
    本を読まないと何のことを言っているのか意味不明だと思います。

    一方、結構キーワードが抽象的過ぎて、
    例えば「針鼠の概念」って言いたいことはよく分かるけど、
    実際に「世界一になれる領域」を探すのは並大抵のことではない…。
    「誰バス」も日本企業では(或いは自分のチームでは)、実践することは相当なハードルがある。
    だからこそ、ビジョナリー・カンパニーになれる企業は限られているのだろうけど。。

    という訳で?、ビジネスマンなら、一度は読むべき本かもしれません。
    読んだところで、実践できるわけではないけれど、
    それでも読んだ方が良い一冊なんだと思います。

  • 前作に続き良本

    GOOD TO GREATに飛躍するための要諦がファクトをもとに分析され、述べられている

    特に印象的なのは、会社として何をするかを決めるより、誰とするかが大切であるということ。変化に対応して、継続的に成長する組織においては、"適切な人員整備"が何よりも大切とのこと

    その他学びは多い

  • 第五水準の指導者に導かれたい。
    でも私はバスから下されないか心配になりました。

  • 圧倒的な調査力に基づく説得力。1回じゃ理解しきれないので数回読み直そう。

  • 規律ある人材から始めよう

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著者プロフィール

『ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則』(Built to Last、ジェリー・ポラスとの共著)をはじめとする世界で1000万部超のロングセラー『ビジョナリー・カンパニー』シリーズの著者。米コロラド州ボールダーの研究ラボを拠点に四半世紀以上にわたって偉大な企業を研究、経営者から絶大な支持を集める。2017年にはフォーブス誌の『現代の経営学者100人』にも選出された。著書に『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』(Good to Great)、『ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階』(How the Mighty Fall)、『ビジョナリー・カンパニー4 自分の意思で偉大になる』(Great by Choice、モートン・ハンセンとの共著)。

「2021年 『ビジョナリー・カンパニーZERO』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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