- Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822246587
感想・レビュー・書評
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日本版の4分冊の2冊目。ここでは、労働/仕事について、多くのページが割かれています。今は当たり前になっている企業の社会的責任(CSR)についてもここで言及されています。もちろん、社会的責任だけでなく、責任と権限の関係についても明快に語られています。
また、知識社会における責任意識の強い働き手(Responsible Worker)という労働者像についても焦点が当てられています。そこから「人材こそわれわれの最大の資産である」というテーゼや、自己目標管理(MBO)という仕組みが出てくるのかと思います。
日本の仕組みが比較例としてよく挙げられていますが、しかしドラッカーさんは日本流の仕組みについても深い理解がありますね。
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ひとつ訳で気になるところがあります。
章のタイトルにもなっている、"Work", "Working", "Worker"をそれぞれ"仕事", "労働", "働き手"と訳しています。これらを対比的に扱っているのですが、"Work-*"の語の使い分けが出てきません。確かに日本語にはうまく言い換えるものがないように思いますので、この辺も翻訳の限界なのかもしれません。(上田さんの訳のエッセンシャル版でも同様でした)
たとえば「業務プロセスを管理する際の対象は、あくまで仕事であって働き手ではない」という文も趣きが違ってくるような気がします。
「仕事と仕事をするということとのあいだには、大きな違いが横たわっている」というようにも訳されているので、少し残念です。
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いずれにせよ、いろいろと考えさせてくれます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いやあ、ドラッガーの本は素晴らしい。
一行一行に知見がつまっている。
今回はさっくり読んだだけだけど、
再度、読み直して一章ずつ感想をまとめていきたい。
恐怖はムチとしての力を失った。
確かにそうだなあ。今の世の中バイトでも十分食べていけるし。
マネジメントには大きな期待が寄せられている。
期待が寄せられていることは分かるんだけど、
それは正しい期待なのかどうか。
事業の範囲外のことをしないと責められ、
事業が傾けば、範囲外のことをなぜやったと罵られそうだ。
じゃー、どうすりゃいいのさと問い詰めたくもなるだろう。
まあ、マネジャーは平均より実現力を高く持っているのだろうから、
社会の問題の解決も実現してよってことだろうけれど、
それって本来は政府の仕事なのにな。
何故責任がないマネジメント層が負担しなければならないのだろうか。
税金も払って、政府の仕事もしなくちゃならないなんて、大変。
消去法みたいなもんだよな。選ばれた理由も。
政府には期待がされていないってことだけど、確かにそうだろうな。
長期的視野に立てば、神の見えざる手以上に優秀なツールは見当たらない。
優秀な人が組織のトップに立てば、短期的には神の見えざる手以上の結果を残せるだろう。
しかし人は老いるし、市場にさらされない組織はいずれ問題を引き起こす。
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たとえ社会の病根が自分達とは一切関係が無かったとしても、社会を健全な方向へ導くことが、経営層の自己利益に繋がる
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これフリーライダーってやつで、政府がしなければならない仕事じゃないのか?
これらが仮に正しいとするならば、政府は殆どの仕事を企業に対する責務(法律遵守チェックなど)だけになって、かなり小さな政府になるな。
ってか、ここまで企業はしなければいけないのか。だったら減税しろよ!
問題の中から事業機会を見つけ出すとは興味深い。
まさにピンチをチャンスに替えるというわけか。
--気になった言葉--
マネジャーが問うべきは「より大型のツールはないだろうか」ではない。「この仕事を簡単にこなすための、もっともシンプルで小型軽量のツールは何か」という問いを常々念頭に置くべきなのだ(p144)
恐怖はムチとしての力を失った(P174)
「偉大なリーダー」が「暖かい人柄」であることは珍しく、むしろ冷たい人柄である場合が多い(P330)
実のところ、現代社会においては、企業の経営者を除いてはほかに、リーダーシップを発揮できる層はないのだ(P382)
たとえ社会の病根が自分達とは一切関係が無かったとしても、社会を健全な方向へ導くことが、経営層の自己利益に繋がる(P389)
ボランティア活動への参加を、賞賛、報酬、昇進などの対象にすべきではない(P481)
重要なのは、マネジャーが社会的責任の一環として、合理的な税制づくりに向けて努力することだろう(P492) -
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11/06/11。
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一回、読んだだけでは、わからない。
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何よりも大切なのは害を及ぼさないこと、それが責任の取り方。