イノベーションの知恵

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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822248291

作品紹介・あらすじ

「世のため人のため」の共通善(コモングッド)経営に還れ!アメリカ流の分析的な経営学の限界を乗り越える野中「知識創造理論」の新たな展開を9つの事例で解説。

感想・レビュー・書評

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  • 『〜である』から『〜する』への変化
    「モノ」から「コト」、「名詞」から「動詞」など現代社会はネットによって「~する」という「行動」そのものが身体的行動が減り、頭脳的感覚行動に頼った判断になっていることだ。いわゆる数字統計、文献情報などの「理論武装」的発想だけで物事を判断する状況になっていることに危機感を感じる。ネット社会でも『〜する』身体的実践行動が必要だと言うコトなのか。

  • 共通善を目指し、身体性を持ってコトに当たる。動きながら考え、好奇心を持って見つめ見えない文脈を見抜く。イノベーションは1人の頭脳の中のみで生まれるわけではなく、様々な主体の相互身体性が大きなうねりとなるんだなぁ、と感じました。

  • 類稀なリーダーにより奇跡的な成功を実現した「イノベーション」の実例を紹介しつつ、経営学的見地からの解釈を差し挟む構成。

    本著で紹介されているイノベーションのケースは以下の通りです。
    ・<a href="http://www5.city.asahikawa.hokkaido.jp/asahiyamazoo/">旭山動物園</a>
    ・<a href="http://www.edu.city.kyoto.jp/hp/horikawa/">京都市立堀川高校</a>
    ・JR東日本・<a href="http://www.ecute.jp/">エキュート</a>
    ・トヨタ自動車・<a href="http://toyota.jp/iq/">iQ</a>
    ・霞ヶ浦・<a href="http://www.osekkaiz.com/asaza.html">アサザプロジェクト</a>
    ・<a href="http://www.musou03.org/">社会福祉法人むそう</a>
    ・<a href="https://www.saishunkan.co.jp/">再春館製薬所</a>
    ・徳島県上勝町・<a href="http://www.irodori.co.jp/">いろどり</a>
    ・<a href="http://www.gin-pachi.jp/">銀座ミツバチプロジェクト</a>

    どのケースも、読んでいるだけで元気になってくるような魅力にあふれており、それだけでも一読の価値があると思います。

    特に強く印象に残ったのは再春館製薬所の4500平米・1200人収容のワンフロア・オフィスですね。
    ちょっとこれは普通の会社では真似できないな、という感じです。
    その他、”アサザプロジェクト”や”いろどり”のような地域活性化系のケースも、地道な活動が大輪を咲かせた感が感動的です。

    で、差し挟まれる野中郁次郎氏の解釈編ですが、これがまた分かるような分からないような(笑)。
    ・「理論的三段論法」から「実践的三段論法」へ
    ・「モノ的発想」から「コト的発想」へ
    ・「考えて動く」から「動きながら考え抜く」へ
    ・「名詞」ベースでなく「動詞」ベースで発想する
    ・「見えない文脈」を見抜く眼力をつける
    ・偶然を必然化する

    例えば「実践的三段論法」とは、「目指すべき目的がある」「目的を実現するにはこんな手段がある」「ならば、実現に向け行動を起こすべきである」と結論を導き出すこと。
    正直、これを「論法」と言ってしまっていいのか?という感じではありますが、要するに大切なのは「行動する」ことであると。
    当たり前だけど、なかなかこれができないのですよね。

    「まとめ」の章では、リーダーに必要なのは「場のマネジメント」である、ということが提唱されます。
    これは納得です。
    いくら机上でうんうん唸っていてもイノベーションなど生まれない、綺麗にまとめようとしているうちはダメ、ってことですかね。

  • イノベーションを成し遂げた変革のリーダーに共通する、知の作法を徹底解明する。

    第1章 「理論的三段論法」ではなく「実践的三段論法」を身につける
    第2章 「モノ的発想」から「コト的発想」へ転換する
    第3章 「考えて動く」ではなく「動きながら考え抜く」
    第4章 「名詞ベース」ではなく「動詞ベース」で発想する
    第5章 結びつかないもの同士の「見えない文脈」を見抜く眼力
    第6章 偶然を必然化する

  • 「イノベーションの本質」「イノベーションの作法」に続くシリーズ(?)第三作。前二作同様、実際のイノベーションの事例をストーリーと解説という2段階で紹介していて、面白く、示唆に富む内容である。
    第三作の事例は主にソーシャルビジネスや公共事業が取り上げられている。しかし、そこから抽出されるイノベーションの要因や原動力は、ひろく一般企業にも応用可能な内容である。

  • 「時計時間:クロックタイム」と「適時時間:タイムリータイム」
      時計時間から離れ、適時時間で新たに構築する。
      二つの時間を融合する。

    「実践的三段論法」=目的x手段x行動

      自分の存在意義を問い直す。
      ひとつひとつの積み重ねが「奇跡」を生む。

    「モノ的発想」から「コト的発想」へ転換する。
      コト作りは常に変化し続けれねばならない。
    「考えて動く」ではなく「動きながら考え抜く」
    「名詞」ベースではなく「動詞」ベースで発想する。
    「分析的戦略」ではなく「物語的戦略」。見えない文脈を見抜く。
    「リアリティ」ではなく「アクチュアリティ」
    「決定力:デシジョン」ではなく「判断力:ジャッジメント」

  • 『失敗の本質』の野中郁次郎氏と『イノベーションの本質』『イノベーションの作法』の勝見明氏の両氏による、企業の先進事例を題材としたケーススタディが展開される。
    一即多 多即一の概念、演たく法 帰納法 、仮説と実証。イノベーティヴな取組みの背景には、関わる人を鼓舞する良い議論があると教えてくれる。
    そして良い議論の下地とは、関わる人が直感的にブレない「あるべき姿」を共有している環境であり、良い議論とはどのように「あるべき姿に変容していくか」が述べられる場と言える。
    「あるべき姿」は論理的であるとか説明的であるよりも寧ろ、キチンとイメージ出来るかという点が重要なのかもしれないと考えさせられる。

  • 9つの「知識想像論」の事例を紹介している一冊。
    旭山動物園や堀川高等学校そしてエキュートの事例が特に印象深い。
    既存にある当たり前を疑う事で、そこに新たなる価値を生み出したプロセスが記されている。既存にあるものに対してなにも考えずに受け入れるのではなく、「もっと良くならないか」「ここは変えたほうがいいんじゃないか」と常に別の角度から物事を見る事の大切さ・面白さを感じさせられた。

  • とてもわかりやすかった。

  • 骨のある本でした。各章の事例より学ぶことが多くありました。深さを身につけなくてばのぉー。

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著者プロフィール

野中郁次郎
一九三五(昭和一〇)年、東京に生まれる。早稲田大学政治経済学部卒業。富士電機製造株式会社勤務ののち、カリフォルニア大学経営大学院(バークレー校)にてPh.D.取得。南山大学経営学部教授、防衛大学校社会科学教室教授、北陸先端科学技術大学院大学教授、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授などを歴任。一橋大学名誉教授。著書に『組織と市場』、『失敗の本質』(共著)『知識創造の経営』『アメリカ海兵隊』『戦略論の名著』(編著)などがある。

「2023年 『知的機動力の本質』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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