「ソーシャルラーニング」入門

制作 : ダニエル・ピンク(序文) 
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822248758

感想・レビュー・書評

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  • ネットのソーシャルな場でこの本が紹介されていました。その人が紹介しているならということでさっそく購入し、読んでいます。

    もうこの行為(アクティビティ)自体がソーシャルラーニングなわけで、意識するしないに関わらず確かに学びはソーシャル化の恩恵に浴しています。

  • いわゆる、語学を教えあうLang-8みたいな、そういう類のSNSの紹介、または使い方のマニュアル的なものを想像していたが、かなり違っていたようだ。
    「ソーシャルラーニング」とタイトルされてはいるが、SNS上で「学習」する、という意味ではなく、SNS・または集合知をうまくつかって情報を効率的にPULL(引き出して)していこう、そのための心構えや大企業等での採用例を紹介している本である。
    「つながっていることがデフォルト」の世代が主役になるこれからの時代。
    「わからなければ聞きに来い」という我々を含むそれより前の世代の考え方のままでは生きて行けない。
    「わたしはこんなことを知っている」をどんどんシェアしてもらうこと。
    こうして出来たつながりが引いては自分に返ってくる。
    『情けは人の為ならず』を、身の回り、身近な人にだけでなく、ネットを介して世界レベルでそれを実現させる。またそうなりたい、と突き動かされる内容でもある。

  • 本書は、ソーシャルメディアを利用した「学び」の体型(ソーシャルラーニング)の提案。
    このソーシャルラーニングを企業や様々な組織に導入することで、新たな研修の形を生むことだけではく、自発的な学習を促すツールとしても多くの可能性があると言っています。

    僕が主催している勉強会でも、メンバーの日頃の学習をサポートする目的で、TwitterやFacebookを利用しているので、本書であがっているソーシャルラーニングの意味やその効果は非常に理解できるものでした。

    より効率良く生きるためには、多くの情報を集め、その複雑な概念を理解しなければなりません。
    しかし、情報過多と言われるこの時代、もはやそれは、1人単独で行えるものではなくなってきています。

    だからこそ、ソーシャルラーニングという考え方が必要になるわけです。

    リアルタイムで多くの知恵を集結させ、問題を解決する。そして、その過程を多くの人で共有することで、経験をシェアする。

    これにより、1人で行なうよりも何倍もの学習効果を生み出す。

    これからは、学校教育や企業研修でも、このソーシャルラーニングが当たり前になるかもしれません。

    そんな可能性を本書を読んで感じました。

  • SNSの普及は、私たちのコミュニケーションやビジネスだけでなく、学びのスタイルも変えます。野中郁次郎氏の知識創造プロセス(SECIモデル)に従えば、異なる知識が重なる場があれば知識は生まれるわけです。そしてSNSは間違いなく、その場をバーチャルに増やし、リアルな場をつくるきっかけを与えます。では、どのようにかわるのか。そしてどうかつようしていくべきなのか。私たちがSNSを通じて何を学びとして得れるのか、そんなポイントを「ソーシャル・ラーニング」として整理されているのがこの本です。

    以下、要点と解釈の整理です。

    ○ソーシャル・ラーニングの基本的な考え方
    もっとも根本的な考え方は「船にのれ」です。サントリーの言葉を借りるなら「やってみなはれ」、Facebookの言葉を借りるなら「Done is better then parfect」です。ようするに、まずは取り掛かること、試すことが必要ということです。

    そしてソーシャル・ラーニングは一人で行うものではありません。しかし、だれか仲間を探さないとできないものでもありません。普及し続けるSNSを利用し、つながりをつくっていくなかで、誰かとかかわりを持ちながら学んでいけばよいのです。これはビッグデータ時代で学びを重ねていくため(ビッグデータを手なづけるため)のアプローチともいえます。


    ○ソーシャル・ラーニングの特徴
    ソーシャル・ラーニングの特徴を整理すると、誰もが今の生活にアドオンして活用できる学びの機会であることが良くわかります。
     ・誰しもが利用できる
     ・大学の授業や研修と共存でき、シナジーを生む
     ・知識を詰め込むのではなく、経験を通じて学び取れる

    そして今までよりも
     ・より多くの情報
     ・より多くの接点
     ・より幅のある広がり
    を学びに提供するものでもあります。

    このとき、学びのメカニズムを整理すると、学びの効果の大半を占める経験部分をソーシャル・ラーニングが補完することもわかります。
     ・70%は経験を通じて得られる
     ・20%は他社からの指摘によって得られる
     ・10%は知識を詰め込むこと(大学の授業や企業研修)で得られる

    学びを、知識と経験により情報を取り込み新たな変革を生み出すもの、と定義するのであれば、ソーシャル・ラーニングが経験という側面から非常に高い学びの効果をもたらすことが期待できるわけです。


    ○ソーシャル・ラーニングのアプローチ
    ソーシャル・ラーニングのアプローチは、目的や利用するサービスによって多少違いがありますが、ポイントは変わりません。まず何より、楽しむこと。楽しくなければ継続することは困難です。

    その上で、
     ・できることから始める(無理はしない)
     ・互いを歓迎し、敬意を払う
     ・情報を発信する
     ・相手からの情報に傾聴する
     ・シンプルに、わかりやすく
    といったところを念頭に置き、特定のトピックスに対してソーシャルを通じてコミュニケーションを重ねていくことが必要になるのです。

    また、ソーシャル・ラーニングの実施ガイドラインといて
     ・情報の透明性 : 参加者に対して情報が明確に伝えられること
     ・情報の保護 : 個人情報等の管理
     ・相手への敬意 : 互いの権利を守り、尊厳を守る
     ・責任範囲 : ツール利用は個々人の責任において利用する
     ・貢献・目的 : 何が得られるのか、何に貢献すべきなのかを明確にする
    などを明らかにしてアプローチすることで、より高い効果を得ることが可能になります。

  • ソーシャルメディアのケーススタディを紹介する本はたくさんありますが、本書はそれを関係者の「気づき」・「学習」という観点で紹介するのがユニーク。意思決定のプロセスを共有して共感を得たりなど、非常に参考になることが多かったです。「新しい学びの場」という観点のソーシャルメデイア論で、斬新でした!!

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