ザ・チーム 日本の一番大きな問題を解く

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822249243

感想・レビュー・書評

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  • チームで問題を解決するには?

    →チームの前提条件とは、お互いの弱みを知っていること
    コンフリクトがないのは、平和ではなく真剣に議論してないから
    イマジネーションは、日頃のトレーニング、常にホワイを意識することが大事
    異質な価値観、才能、文化をもつ人がチームを組んで共通の目的のために助け合うことが絶対条件となる

  • 前半40%は筆者の経歴(=ほぼ自慢)で読む必要なし、その後の45%で、いかに「グループ」ではなく「チーム」が重要か、日本の組織はほとんどグループであること、チームには女性が必要だ、などと述べてある。理由は曖昧。あと、チームの作り方は「引き抜き」のみ紹介。悪い本ではないと思うが、チームの作り方がさっぱり分からないのでうーん。
    http://nagoemon.blog56.fc2.com/blog-entry-613.html

  • 米国での起業をしてきた経験から、日本の停滞の原因をチームがないことと喝破した、鋭い指摘の本。
    自分のようなワンマンな人間には良薬口に苦しで参考になりますが、そのチームをどう作るかが具体的でないのが残念。

  • 10年以上前の本なのにまだこの時と日本は変わっていないんですね。

    日本のチーム不在の状況は、会社や家庭などの人間関係の中で、ビジョンを描くリーダーがおらず、何でも他人事のように扱ってしまう状況ではないでしょうか。

    本書にも自分でオーナーシップを持つことの重要性がかいてありますが、何でも自分事として取り組む習慣を考えたいです。

  • "著者が経験してきて感じた日本企業、日本国政府に足りないもの。
    それが、目的を明確にしたチーム。多様性を受け入れ、自由な発想を取り入れられるチーム。技術と社会の欲するものを融合する。多くの課題に取り組むチームが生まれにくいことも、体験から語られている。"

  • 日本にはチームがない、これをイノベーション、アントレプレナー、リスクコントロール力を失っている原因と捉え、チームの必要性について論じている。近道はコミュニケーション能力の高い女性を大胆に登用すること。

    チームがないという問題意識についてとても腑に落ちました。僕が入社したてにとても疑問に思ったのが、「なんでこんなに部門間で中が悪いのか?」でした。ついでにこれを部長に言ったら、「そんなことない」と言われたのを記憶しています。単に決められたことをやるだけならば縦割りで分業化が進んだ今の組織体系は効率的でしょう。しかし多様な人材や価値観を内包して、異なる意見をぶつけ合いながら新しいものを生んでいくことが必要な今の時代では生き残れない。
    チームというのは意識の持ち用の違いだと思いました。今のオラオラ系トップダウンのマネージャーに、いきなりチームを作れというのも困難だと思います。マネジメントのあり方そのものを変えるには、やや短絡的ではありますがマネージャーを変える必要があり、本書でも触れられているとおり、女性を登用する!というのは一つの解だと思いました。

    今社内で進んでいる風土改革も、言い換えれば同じ目的を持ったチーム作りなのだと思います。



    以下抜粋。

    ◯なぜチームが必要か?
    ・問題解決の第一歩は、解決すべき問題を見つけること。
    ・日本社会に活力が乏しい。GDPが3位に転落しても、逆転やむなしというあきらめムード。
    ・貧しくとも夢があれば何とかなるという両親の教え、日本社会の問題は夢がないこと
    ・日本の組織はずっと同じ構造で官民でもどの企業でも変わらない。男ばかりで多様性がなく年功序列。3.11の事故対応は同室集団の失敗を如実に表した(リーダーシップ欠如、各省庁の機能不全)
    ・個人は優秀だが、集団になると意思決定できない。与えられたことをこなす組織。
    ・「規制の組織力が強く、集団の崩壊なしに組織の変更は不可能」 by 中根千枝
    ・日本の競争社会は試験勉強、個人の成果主義と個人主義が社会に広がる。少子化、孤独死もチーム欠如が問題では?アメリカでは、個人ではなくチームで評価される。

    ◯チームとは?
    ・「異質な才能がある目的下に集まって構成される集団」
    ・何より必要なのはパッション。
    ・歴史に残るチーム: アポロ計画、10/40万人がエンジニアで平均27歳、リーダーは30代のシェイ、プロジェクト毎にマネージャーを置くマトリクス組織で、畑違いの混成チームを見事にまとめあげた。
    ・一万社を超えるベンチャーを観察してきてわかった、いい企業の共通点は失敗を何度も重ね、その経験が後の成長に生きていること。

    ◯チームの前提条件
    ・弱みを知っていること、真剣な議論をし、対立した時に、発言の背景、悪気はない事がわかる。
    ・6~8人がお互いの個性、強みと弱みを分かり合える規模。
    ・チームには最初にビジョンを頭に描く人がいる。チームの要はナンバー2。リーダーへの、最初のフォロワーのナンバー2がいないと後が続かない。この2人だけでなく、チームメンバーは全くの対等。
    ・失敗を許容できること。

    ◯破壊的イノベーションにはチームが必要
    ・完全に既存の部門から切り離された特命チームが必要。
    ・ソニーの全盛期は秘書まではんだ付けの研修をやり、秘密プロジェクトがいくつも走っていた。
    ・ボーイングの開発には修理屋さんも入っている、修理しにくい機体は買ってもらえないから。
    ・マイクロソフトの開発にはテスターが同格で入っている。
    ・同質のエンジニアの集まりからはイノベーションは生まれない。
    ・個別技術の最適化では、継ぎ接ぎだらけ、システム化されない。チームができないのが根本原因。携帯でいうと、電池や通信量などの制約条件を考えて、トレードオフを考えること。全体最適の視点。

    ◯女性を登用しよう
    ・女性の方がコミュニケーション能力が高いので、トップは女性の方がいい。1人だと孤立するので複数。男は内向きで昇進ばかり気にする。
    ・キャリア官僚は2年ごとに異動するので専門性に乏しいうえ、個人のパフォーマンスで評価されるのが問題。個人ではなく、チームで評価する。

  • 著者を知らずに読んだが、まずこの著者がとてもすごい人なのだとわかる本だった。普通の人の自伝であれば途中で飽きてパラパラ見てしまうが、わりと頭の良いぶっとんだ人だったので、ドラマや小説を見る感じですぐ読めてしまった。肝心のチームが重要だという提言と、もともと本を書く人ではないので、そこまで煮詰まった本にはなっていないのが残念だが、著者への興味は高まった。

  • 内容としては前半は本人の経歴話、後半は日本ではなぜイノベーションが起こりにくいのかという話がされている。
    その解決策はチームである。
    チームはグループとは違う。
    グループは同質な人の集団であるがチームは異質な才能がある目的のもとに集まって構成され「パッション」がある。
    そしてお互いの弱みを知っているので、ただついていくのではなく、お互いに足りない部分を補い合いながら前に進むことができる。
    また例外処理能力を身につけるためにwhyを問う訓練をする。少なくとも5回は深掘りすると良いと書いてある。

    やはりどの本を読んでいても感じるのは深掘りする大切さである。
    深掘りすることで自分の言葉で物語を語れるようになるし、突飛な出来事にも落ち着いて対処ができる。

  • ザ・チーム 日本の一番大きな問題を解く
    齋藤ウィリアム浩幸(さいとう・ウィリアム・ひろゆき)、WilliamHiroyukiSaito

     ブックオフ16号沼南店で偶然手に入れた本、久しぶりに自分の人生に影響を与えてくれる良い本に出会った!と思った。著者は、そこに課題があったら、既存の価値観に捕らわれず目的志向で手段を考え出していく。
     この本は、あの『スティーブ ジョブズ』に勝るとも劣らない天才いや秀才の伝記かもしれません。にもかかわらず、どんな偉人の物語よりも、私のような凡人に行動を促す魅力に溢れています。それは、この本が著者である齋藤ウィリアム浩幸さんご自身によるもので、かつ齋藤さんが慣れ親しんだ言語で書かれているからです。でも、それだけじゃありません。何よりも、この本には、若い頃の彼に機会を与えた日本の企業が衰退して行く姿に心を痛めた齋藤さんが、これからの日本を支える人たちに読んでもらいたいという熱い思いが込められているからです。

     ブックオフ16号沼南店で偶然手に入れた本ですが、久しぶりに自分の人生に影響を与えてくれる良い本に出会った!と思いました。

     ちょっと積んであったのですが、読み始めたら止まりません。目次は、プロローグ.チームをつくり、まずヘルプから.第1章 ウィリアムの冒険.第2章 なぜ日本でチームが必要なのか?.第3章 なぜ日本でイノベーションが止まったのか?.第4章 なぜ問題解決ができないのか?.第5章 国家戦略、それが問題なの? .エピローグ.料理と例外処理と計画されない人生で、取り急ぎ第4章まで読んだのですが、真骨頂は!

     努力の結果として既得権益を手に入れた人たちは、それを失わないために、責任をとることを恐れるようになる。だから、既存の価値観や行動原則に捕らわれないイノベーションは、「失うものがなにもない、あるいは失ってもまた手に入れればいい、いやもっと大切なものが手に入るかもしれない。」と考える人にしか起こせなくなります。

     著者は、とても凄い人で、私のような凡人とは思考が違うのだと思いますが、そこに課題があったら、既存の価値観に捕らわれず目的志向で手段を考え出していきます。彼は、そこに必要なのが、チームだと言い切ります。確かに彼の周辺には、安定した生活や高い報酬など、日本の子供たちが押し付けられる価値観とは縁がない、情熱に支えられたチームが立ち上がります。255文字では伝えられない素晴らしい世界があります。

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著者プロフィール

1971年アメリカ・ロサンゼルス生まれ。16歳でカリフォルニア大学リバーサイド校に合格。同大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部を卒業。10代で商用ソフトウェアのプログラミングを始め、大学在学中にI/Oソフトウェアを設立。指紋認証など生体認証暗号システムの開発に成功。1998年「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」(アーンスト・アンド・ヤング、ナスダックおよびUSAトゥデイ主宰)を受賞。2004年会社をマイクロソフト社に売却、日本に拠点を移し、ベンチャー支援のインテカー設立。2012年、日経ビジネス「次代を創る100人」に選ばれる。また同年、国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(NAIIC)では、ITなどのインフラ設備構築で手腕を発揮。国家戦略会議フロンティア分科会「繁栄のフロンティア」委員を務める。現在、内閣府参与(科学技術・IT戦略担当)。
ダボス会議を主催する世界経済フォーラム(WEF)とは、2011年ヤンググローバルリーダーに選ばれてからの関わり。WEF内のグローバルシェイパーズ・コミュニティの立ち上げに尽力し、同コミュニティのボードメンバーに選ばれている。

「2017年 『世界一の会議 ダボス会議の秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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