ザ・チーム 日本の一番大きな問題を解く

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822249243

感想・レビュー・書評

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  • 人種も宗教も職業も違う世界中のハッカー相手に、経歴がほぼ同じな人間が対策を考えている日本。
    →日本の組織に多様性が欠けている

    何かを生み出し、解決するのがチーム。
    新しいビジネスを切り開くアントレプラナーシップやイノベーションを生み出すものこそ、チーム。守りの姿勢ではなく、リスクを引き受け、コントロールするのもチーム。
    熱い想いを持った人が問題解決のために助け合う関係。

    同質な人の集団である、グループ。
    決められたことを間違いなく処理するための組織。
    あらかじめ決められた目標を遂行するために集められる

    チームづくりの巧拙
    チームの坩堝

    オーナーシップ

    自分の弱みを知らない人は
    チームで働けない

    巧拙
    拙劣
    辣腕

    チームの前提条件は、
    お互いの弱みを知っていること

    漸進的↔︎破壊的

    Why 正しい問題を見つけること

  • チームの重要性についてはよくわかったか、具体的にどうチームを作り上げたらよいかといったことまではなかったのが残念だった。

  • セキュリティー技術のベンチャーを立ち上げ、現在は日本でベンチャー支援を行っている日系人起業家が語る、日本の課題。
    曰く、日本には組織はあってもチームが無い。むしろ組織間/組織内競争で個人主義化が進んでいると。日本の強さは組織力との意識がありましたが、3.11のような緊急事態への対応や、イノベーションには異質な力も取り込んだチームの方が優れている気がします。

  • 今年一番の良本。
     チームで仕事をしている体にはなっているけれど、あらかじめ決まっているチーム目標に向かうので、個人ベースでは割り当てられたことをすれば良いという意識に陥ってしまい、「自分のことだけすればいい」という思想になってしまっていることに納得。
     筆者がいうほど現在のチームのあり方には悲観的には思わないけれど、筆者の言うように、仕事の場面で本当の意味でのチームができていない。バックグランドも異なる人達が参画して目標設定しながら仕事をしていく仕組みは、「組織横断的な職務体制」ということになるのだろうけれど、現実的になぜか難しいのは、きっと今のやり方に慣れてしまっているからだろう。でも、それでは役所の仕事が回らないことは明らか。だから、そこを変えたい。

  • 【チームに必要なもの】
    ★パッション
    ★お互いの弱みを知っていること。強みではなく弱み。信頼感が生まれ、なんでも言い合える。
    ★縦割りと割り切らないこと。枠を超えて全体最適を考える。おせっかい。
    Ex.スマホで考える。部分最適だと、ロスが生じてすぐに電池切れになる。電話を使うときには画面を消すなど、個々の機能を全体として考えることができていないためである。多分、開発の現場でソフト担当者は「電池の人間は何やってるんだ」とぶつぶつ文句を言い、電池の担当者は「LCDは電池を食い過ぎだ」などと足を引っ張りあっている。
    ★悪魔の代理人。議論であえて反対の立場で質問し、相手の論理の弱点を突く
    Ex.GMのある会議。「この決定に関しては、意見が完全に一致していると了解してよろしいでしょうか?」と聞き、出席者全員がうなずくときは、「それでは、この問題について異なる見解を引き出し、この決定がいかなる意味をもつかについて、もっと理解するための時間
    が必要と思われるので、検討を次回まで延期することを提案したい」といったものがいる。

    キーワード:悪魔の代理人や枠を超えた仕事をするためには、リレーションパワーを高める必要がある

  • グループではなく、チームの大切さを述べた本。

    チームとは、与えられた目標を達成するために役割分担をするのではなく、各メンバーが課題に対する「オーナーシップ」を持って目標達成のために力を出し合うという姿のように感じた。

    自らの「弱み」を知ることといった、チーム作りをするために個々人がどう取り組むべきかについての指摘が非常に興味深い。

  • 「みんなで頑張る」と「みんなと頑張る」って違うかもしれない…日本にはグループはあるけどチームはない!と主張する本書を読み終わったあと、じわじわ感じた気分です。「みんなで」が「みんなと」にならないとグループはチームにならない、共創する文化はつくれない、と思います。それはチームに参加する人の当事者意識の有無ってこと。さてさて、自分のプロジェクトへのコミットメントはどこまで深いのか?そもそも自分にとっての「みんな」は誰になるのか?ちゃんど考えなくちゃ。「ザ・チーム」とは高い当事者意識のメンバーとお互いのリスペクトによって生まれるのだと思いました。

  • 3.11後の東電原発事故調査委員の最高責任者、国家戦略会議のフロンティア分科会の委員も務め著者がみる日本の問題点はチームがないことと指摘しこれからの日本復活に対して課題や解決案を示している。経営者としても数々の失敗を繰り返しながら成功をつかんできた著者だからこそすごく納得できる点が多い。

  • 日本にはグループはあるが、イノベーションを生むための「チーム」が存在しないということをまとめた本。基本的には著者のことがメインで、その視点からみた日本が書かれており、正直、薄い。かなり飛ばし読みしてしまった。中には興味深いことが書かれてるのだが、あまりツッコんでもいないので、非常に薄い。
    著者のプロフィールを見た限り、こんな薄い内容になる方が信じられない。「実行」すると「伝える」は違うのだな。。。
    とはいえ、広い。この著書に何度か出る「コミュニケーションに優れた優秀な女性をトップ」「問題提議を正しく行う」「失敗を許容するチーム」「トップ層がチーム文化を育てない、認めていないことが現在の日本の不幸」など、一つ一つのテーマを絞って、1冊の本にまとめてもよい気がするほど、深いテーマではある(この書物ではあっさり流している気もするが)

    気になったエッセンス)
    ・日本は官民問わず同じ組織が多い。与えられた仕事をこなす組織
    ・セキュリティ対策で同じ層が集まって、人種、年齢、国籍が様々なクラッカーへの対策を講じるなど、ジョーダンのような文化
    ・同質な人を集めたがる=イノベーションは起きない
    ・米国ではチーム活動が基本。有名大学に入るにはNPOにはいり、そこでチームの一員として活動するなどが必須、日本とは教育段階で大きく異なる
    ・日本は教育段階が個人主義となっており、そこで優秀な人材が社会のリーダー層となることが不幸
    ・米国では自分の弱みを知らない人は優秀ではない
    ・真剣な議論はコンフリクト(衝突)を呼ぶ
    ・チームで重要なのはフォロワー。リーダーにはパッションとフォロワーが不可欠
    ・チームは失敗を許容する
    ・チームは数字ではなく「何をやろうとしているのか」「どのようにチームをつくったか」がポイント。売上ではない
    ・イノベーションを生むプロジェクトは秘密プロジェクトから生まれる
    ・マイクロソフトではシステムの設計者とテスターが同等の資格でプロジェクトに加わる
    ・日本ではM&AでM(合併)は出来ても、N(吸収)は出来ない。人事部が複数社にまたがっている
    ・日本では女性が圧倒的にコミュニケーション能力に優れている。日本でチームを作るならばトップは女性がよい
    ・創業者が優れた会社は色々あるが、創業者がいなくなってからどうなるか。そんな会社が日本では多い
    ・例外処理が苦手。イマジネーションは日頃の訓練で鍛えるしかない。様々な人に出会うことが大事
    ・問題解決には
     正しい問題を設定する能力、広く浅い知識、
     幅広い人的ネットワークが必要
    ・日本では取締役会がボスの言いなりになって、意味がない

  • 【新風】
    考え方は生物の種の存続と同じであると考えてもいいと思います。
    また、投資のリスク分散にも似ているといえます。

    環境の変化に対応しながら存続していくためには均質な状態はよくないです。今の状態が環境に合っている間はいいのですが、環境は日々変化します。環境に合わなくなると、均質な状態では全滅してしまいます。一気にゲームオーバーになります。
    投資で例えれば、ある一つの会社の株に全財産を投じているようなものです。当たれば大きいが、その会社がつぶれたらジ・エンドになるハイリスク・ハイリターンな状態です。

    日本も均質な状態でうまくいっている時代もありましたが、この状態が環境にそぐはないようになってきています。

    また、同質なものが合わさっても同質しか生まれません。管理はしやすいですが、予測の範囲のものしか生まれず、環境の変化に柔軟性がありません。
    異質なものがぶつかりあって、はじめて想像もできないものが生まれるのです。
    異質な文化がまじりあわないところに革命は起きません。

    わたしもこのことはよくわかっているのですが、ついつい、いつものメンバーで呑みに行ってしまいます(笑)
    これでは新しい風は産まれませんね。。。

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著者プロフィール

1971年アメリカ・ロサンゼルス生まれ。16歳でカリフォルニア大学リバーサイド校に合格。同大学ロサンゼルス校(UCLA)医学部を卒業。10代で商用ソフトウェアのプログラミングを始め、大学在学中にI/Oソフトウェアを設立。指紋認証など生体認証暗号システムの開発に成功。1998年「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」(アーンスト・アンド・ヤング、ナスダックおよびUSAトゥデイ主宰)を受賞。2004年会社をマイクロソフト社に売却、日本に拠点を移し、ベンチャー支援のインテカー設立。2012年、日経ビジネス「次代を創る100人」に選ばれる。また同年、国会の東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(NAIIC)では、ITなどのインフラ設備構築で手腕を発揮。国家戦略会議フロンティア分科会「繁栄のフロンティア」委員を務める。現在、内閣府参与(科学技術・IT戦略担当)。
ダボス会議を主催する世界経済フォーラム(WEF)とは、2011年ヤンググローバルリーダーに選ばれてからの関わり。WEF内のグローバルシェイパーズ・コミュニティの立ち上げに尽力し、同コミュニティのボードメンバーに選ばれている。

「2017年 『世界一の会議 ダボス会議の秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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