ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか

著者 :
  • 日経BP
3.46
  • (4)
  • (6)
  • (11)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 134
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822250713

作品紹介・あらすじ

「スキルを身につけるのは、自分の志を達成するためです。スキルアップそのものが目標になってはいけないのです」
ハーバード大学経営大学院(ハーバードビジネススクール)のロバート・スティーブン・カプラン教授はこう言います。事実、ハーバードではいわゆる“仕事術”を一切、教えません。「プレゼンテーション資料のフォントはそろえる」「メールの文章は簡潔に」「会議ではホワイトボードの前に立つ」――。こうしたスキルをどこまで極めても、ハーバードが育てようとする「一流のリーダー」にはなれないからです。

 では、ハーバードでは何を教えているのか、一流のリーダーに本当に必要なものは何なのか。その答えを120のルールにまとめ、明日から実践できる、具体的な手引きとして解説するのが本書です。例えば、「プレゼンテーション資料のフォントはそろえる」は、ハーバードでは「プレゼンされる側の立場に立って、何が知りたいか、どんな資料だったらわかりやすいかを考え、資料を作成せよ」と教えます。つまり、「なぜリーダーはそういう行動をとるべきなのか」と、行動の理由の部分に力点を置いて、リーダー教育を施すのがハーバードなのです。

 120のルールは、「お金」「人間関係」「コミュニケーション」「思考」「失敗」「習慣」「人生」の7つの切り口で紹介します。一つひとつのルールは、著者が教授陣を徹底取材し、著書、論文なども参考にしながら、抽出したものです。「人生も仕事も、もうワンランク上を目指したい」と願うビジネスパーソンにとって、格好のブレークスルーとなるはずです。

〈本書で紹介する「一流になるためのルール」〉
寄付をする、貯金する、弱みをさらけ出す、完璧主義を手放す、0を1にする、資料づくりに夢中にならない、自分の国に誇りを持つ、シンプルに考える、失敗を語る、不運だったと考える、不要なものを買わない、病気の話をしない、ネット禁止の時間をつくる、野心を抱く、本を読む、親を誇りに思う、部下の手柄を横取りしない、社内政治に参加する、人の名前を覚える、「ありがとう」「光栄です」と言う、小さく賭け続ける、本流から外れる、批評家にならない…

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • <どんな本?一言で紹介>
    「ハーバード大学経営大学院(ハーバードビジネススクール)」で行われている、リーダーシップを学べる本。

    <どんな人におすすめ?>
    「自分はリーダーになるようなタイプではないと」考えている人。
    リーダーになりたい、仕事で活躍したい人。
    長い人生の中での「生きる指針」がほしい人。

    <読んだら、どんなことが分かるの?>
    「ハーバードビジネススクール」で教えている、リーダーの思考様式や行動様式。
    また、リーダーを目指していない人も「どう生きるか」についての考え方を知れる。

    ・お金のために働かない
    ・本物のリーダーは、自分の周りにいる人を大切にする

    ・一流のリーダーは躊躇することなく助けを求めることができる
    ・議論を戦わせることはあっても、相手を一方的に否定することはない

    ・優れたリーダーは、アンラーニング(学んだことを捨てる)の達人
    ・ハーバードの授業で強調されるのは、世界規模で考える思考法

    ・優れたリーダーは、リスクを読みながら行動する
    ・失敗を恐れずに挑戦して、克服する

    <日々の生活、仕事などに活かせるポイント>
    1.成功するリーダーは、成功する前から少額でも寄付を続ける

    欧米で社会的に恵まれた地位にある人は、「社会貢献する義務」があるという精神(ノブレス・オブリージュ)が浸透している。寄付をすれば一流の人に近づける。

    2.リーダーは自分から部下に対してアドバイスを求め、ネガティブな意見も聞き入れる
    人の意見を謙虚に聞いて、学び続ける。また、弱みをさらけ出すことは究極のリーダーシップで、一流のリーダーは躊躇することなく助けを求めることができる。

    3.「どこかおかしい」と感じたとき、「経済」「法律」「倫理」の3つの視点で分析する「LCA分析」をする
    例えば、自分の判断は「会社の利益になるか」(経済)、「法律を順守しているか」(法律)、「人の道を外れていないか」(倫理)と考えていく。重要な決断をする前に全体像をつかみ、問題を複眼的に見るのに役立ってくれる。

    また、リーダーは「利益よりも消費者の安全を優先させよ」というのが、ハーバードの教え。その模範例として挙げられるのが、全品回収で信頼を回復させたジョンソン&ジョンソンの頭痛薬「タイレノ―ル」のリコール。全品回収によって、同社の信頼を回復させることができ、タイレノールが世界に浸透するという長期的な利益につながった。

    <感想>
    全部で120項目にまとまっている。マイクロアントレプレナーになってガッツリビジネスをやりたい人に向けた項目もあれば、私のような普通の働く人でも、今日からできる項目もある。

    個人的に一番きになったのは、「同じことを言い続ける能力」。
    これは、リスペクトしていい人かどうかを見極める一つの基準だ(体験談)。

    こういう「上流」しか知らなかったノウハウを、一般市民でも知れる現代ってすごい。

  • ハーバードはなぜ仕事術を教えないのか
    2015/4/17 著:佐藤智恵

    リーダーを目指す人に向けて、世界最高の教育を施しているのがハーバード大学経営大学院。ハーバードでも一切、仕事術は教えない。徹底的に叩き込むのが、リーダーとしての思考様式と行動様式である。

    特に「なぜ、リーダーはそういう行動をとらなくてはならないか」、その理由の部分を強調して教えている。「なぜ」に納得すれば自分から行動できるようになるからである。

    本書の構成は以下の7章から成る。
    ①お金
    ②人間関係
    ③コミュニケーション
    ④思考
    ⑤失敗
    ⑥習慣
    ⑦人生

    仕事術が書かれている本は悪いわけではない。
    今目の前に困っていることがあり、その本からスキルを得て活用することによって救われることはある。

    そしてその積み重ねから成長していくというのもひとつのパターンである。

    しかし、本質を理解すればさらなる応用がきく。

    だからといって、ビジネス書の古典をいきなり読んでも得られることは人によるが少ない。

    やはりその時の環境や自分の能力や意欲に合わせた読み方学び方が何よりも大切である。

    本書は初級においても読んでも学べることも多く、かつ少しこなればビジネスマンが読んでも頷きながら読める良書であると思う。

  • 「当たり前だけど実行するのは難しい」ことばかりに感じた。それを愚直にやれるかどうかなんだと思う。
    ただその中で、
    P254.クレイジーな人になる
    は、ひと際輝きを感じた。

  • 項目別に、2ページずつで解説がかいてある。どこから読んでもそれなりに読める。なるほどと思ったり、よく聞くなあというシンプルな話だったり。

  • 86部下に「どうしたらいいと思う?」は、問題点を整理した上で!
    90自分で自分にフィードバック
    QUITやめてほしい事
    keep続けてほしい事
    start新しく始めてほしい事
    94相手を否定しない。ダメ、でも…でなく、「そうですね」「こういう処を生かそう」
    106資料作りに夢中になるより試作品
    120完璧より最善。80点を100点にする1時間と、0から80点を生み出す1時間。優先順位
    80点を2回取る人に負ける170失敗、悩みは紙に書く。原因と対策どれも、少し努力すれば改善可能な筈
    自分で解決できる/ないをわけて、できる方にアクションする

    196なりたい人のフリをする。「できるフリをするだけでなく、そのフリが本物になる迄。自分の一部になる迄」
    204アドバイスは「何のために」がわからないと応用効かない。靴を磨け会う人を不快にさせない新しい靴でも、磨いてもらってもいい

  • 題名の回答は前書きにちょっと書いている程度。
    ハーバードは超一流のリーダーを育成する場所であることから、仕事術という時に陳腐化するスキルではなく、普遍的で陳腐化しない思考、行動、習慣などを学ぶ場だからだという事と理解した。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

1998年3月 一橋大学法学部卒業
1999年8月 マールブルク大学(ドイツ)法学部公法・国際法専攻(LL. M)修了
2000年3月 一橋大学大学院法学研究科公法・国際関係専攻修士課程修了
2003年8月 マールブルク大学法学部公法・国際法専攻博士課程修了(Dr. jur)
外務省勤務,明治大学法学部専任講師・准教授等を経て,
2021年10月 明治大学法学部教授(現在に至る)

「2021年 『EU海洋環境法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤智恵の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
デールカーネギ...
ベン・ホロウィッ...
佐々木 圭一
冨田 和成
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×