- Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822250980
作品紹介・あらすじ
マーク・ザッカーバーグ(Facebook CEO)主催のブッククラブ第1回の課題書に選定されるや、全米で20万部超のベストセラーとなった話題作!
フィナンシャルタイムズ「2014年ベストブック」
アリアナ・ハフィントン(ハフィントン・ポスト創設者)絶賛
権力の衰退が世界を変えた!
今日の権力は行使も維持も困難である。権力そのものが、かつてない方法で攻撃されはじめているからだ。権力の劣化・衰退が、富裕層だけでなく中間層と生活困窮者に与える影響を分析。経済、政治、社会、ビジネスなど、あらゆる分野における権力衰退の要因と影響を明らかにする。
感想・レビュー・書評
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権力とは何か。国家や企業がかつてのように安易に権力を行使できないのはなぜか。「より入手し易く」なった一方で、「使いづらく」なった権力の”衰退”のメカニズムを、幅広い視点から解き明かした一冊。
権力とは、物理的強制力、規範、説得、報酬によって他人を動かす力であるが、世界的な豊かさの拡大とヒト・モノ・カネ・情報の移動に伴い、人々の権力に対する意識が変化したことで、権力に対する「参入障壁」が弱体化し、所謂「マイクロパワー」の台頭が政治、ビジネス、宗教等あらゆる分野で進行している。これらの動きは、イノベーションによる選択の自由というメリットをもたらす一方、特定の利害を代表する個人やNGO、小規模政党・国家の増大は、円滑な意思決定の阻害要因にもなっている。
権力の「過度な集中」と同様に「過度な分散」も危険であり、無秩序化といったリスクを避けるためには、人々が政治を再び信頼すべきであるという主張は、著者のベネズエラ開発相としての”挫折経験”をふまえれば多少、割り引いて考える必要はあろうが、「権力」を切り口にして今、世界で何が起こっているのか知るには十分に読み応えがある。余談だが、本書を読むと、日本の「安保法案騒動」が世界的には”周回遅れの議論”のようにも思えてくる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マーク・ザッカーバーグによって有名になった本。もう一度じっくり読みたい。
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興味深い内容だが、対象読者がよくわからん。
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権力(他人に何かをさせる能力、させない能力)がどのように歴史的な変化、世界を変える変化を遂げているかについて論じた本。
・権力者が抱えるギャップは、実際の権利より、周りが持ってると思っている権力が遥かに大きいこと。
・権力が劣化している、このメリットは社会がより自由になり、有権者にとって選挙の機会と選択肢が増え、コミュニティをまとめる新しいプラットフォームがアイデアと可能性を広げる。デメリットとして、国家ぎ問題対処のための必要な決定を下せなくなり、テロリストなどの非国家主体を駆り立てている。
・集団行動問題の亜原子化、小さなプレイヤーと短期的なイニシアチブの増加拡散は、特定の社会的目標に向けられた実在の強力な連合が組織化できなくなるリスクをもたらす。これはソーシャルメディアの広がりがもたらす個の立ち上がりの負の側面。
・政治、政府、政治参加にはまだ破壊的イノベーションが起きていない。しかしこれは間も無く来るだろう。 -
"権力 ―他人に何かをさせる能力、またはさせない能力―がどのように歴史的変化、そして世界をかえるような変化を遂げつつあるか"について書かれた一冊。
今の時代はかつてのように権力によって多くを手に入れることはできない。
<blockquote>21世紀の今、力は手に入れやすく、使いづらい――そして簡単に失われる。(P.13)</blockquote> -
歴史、文化、社会問題、戦争など、世間のあらゆる事象を権力という切り口から分析し、権力のコンテクストでその変遷と今後の展望を占った本。切り口が違うだけと言ってしまえばそれまでであるが、まとめ方が変われば見えてくるものもまた変わってくる。
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160709 中央図書館
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長い
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世界中で権力が弱くなり、その流れは止めようもないのだ、と説く。
アメリカの対外影響力の弱体化がよく指摘されるが、政権の意思や能力とは別に、これもやむ得ざる流れなのだと理解できた。
個人や小規模組織が重要性を増すのは一見、望ましいことに思えるが、近視眼的で視野が狭く、安定性に欠けると。納得できる。