オープン・オーガニゼーション 情熱に火をつけて成果 を上げる新たな組織経営
- 日経BP (2016年9月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822251741
作品紹介・あらすじ
「オープンな組織(オープン・オーガニゼーション)」をいかに運営して成果を上げるかを、オープンソースのリーディングカンパニーであるレッドハットの実践事例に基づいて解き明かした本。
オープンな組織とは、社内・社外を問わず、参加型コミュニティと協力関係を結ぶことができる開かれた組織のことである。
従来の「ピラミッド型の階層組織」おける上意下達の意思疎通では、めまぐるしく変化する環境で発生するさまざまな課題を解決することは困難になっている。急激に変化する市場で競争で勝ち抜くにはスピードと柔軟性を備えた、「社内外にまたがったオープンな組織」でなかればならない。では、こうした組織とは、どのような姿なのだろうか。
57四半期連続で最高益を更新し続けている「驚きの経営手法」を、CEO自らが解き明かしたのが本書である。真のコラボレーション(協働)のあり方をすでに体現した企業のマネジメント手法を解説する。
●序文から抜粋
ジムの本が実にタイムリーなのは、レッドハットがこれらのポスト官僚主義的特質の多くをすでに体現しているからだ。それゆえ、読者は本書を通じて、レッドハットからだけではなく、「オープン・オーガニゼーション(オープンな組織)」の効果を論証する実例としてジムが取り上げた他の組織からも、多くを学ぶことができる。
今日、レッドハットに力を与えている原則を取り入れる企業が増えているが、いまだに多くの組織はそれが抱える人的能力の多くを無駄にしている。あなたの組織は、いつまでそんなことをしている余裕があるだろうか。思うほど長くはないはずだ。躊躇することはない。すぐに始めよう。
ゲイリー・ハメル
ロンドン・ビジネス・スクール客員教授
●目次
序文
第1章 なぜいまオープンな組織が重要なのか
第1部 WHY モチベーションと情熱
第2章 情熱に火をつける
第3章 主体的な参加を実現する
第2部 HOW 業務の遂行
第4章 民主主義より実力主義を選ぶ
第5章 議論を巻き起こす
第3部 WHAT 意思決定
第6章 意思決定に社員を巻き込む
第7章 触媒役として方向性を導く
エピローグ 旅の途中で
いかにしてレッドハットは無償のソフトウェアを販売して数十億ドルを稼いでいるのか
謝辞
感想・レビュー・書評
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オープンな組織によってもたらされる従来型の組織とは異なる成果・アウトプット。あたらしいかたちのそしきにはどういうリーダーとどういうチームが必要か、という点は非常に参考になった。
この本の翻訳版自体がレッドハットの社員有志によって進められた、まさにオープンオーガニゼーションな成果物である点、非常に驚いたし、納得感が得られた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【情熱に火をつけて成果を上げる新たな組織経営】
A.オープン・オーガニゼーションとは、組織の内外で参加型コミュニティと協力関係を結ぶことができる組織のことである。組織をオープンにすることで、社内の知識やアイデアだけでなく、組織の外部にあるリソースと能力も活用できる。これにより、環境の変化に追いついていけるようになる。
B.オープン・オーガニゼーションを作るためには、次のようなことに取り組む必要がある。
・組織の「目的」を掲げる。「なぜそれをするのか」を明確にすることで、人を正しい方向に向かわせることができる。
・掲げた目的の達成を目指して、メンバーが全力を尽くすよう、「情熱」をかき立てる。
・従業員と常に対話し、良い情報も悪い情報も与える。そうすることで、彼らの「主体的な参加」を促す。
・意思決定は「実力主義」で行う。すなわち、役員ではなく、同僚の敬意を集めている人が行う。
・目的の達成に向け積極的に関わった人、期待以上の働きをした人を評価する。その際、管理者ではなく同僚が評価する。
・会社の意思決定のプロセスに、その影響を受ける当事者を巻き込む。決定までに時間はかかるかもしれないが、その結果は最終的にとても良いものとなる。
C.「グループの目的で大切なのは、何をすべきかではない。なぜそれをするのかが問題なのだ。グループの目的はゴールではなく、そのグループがなぜ存在し、何を求め、何を提供できるのかに関わっている」近年、多くの企業がこのメッセージを重視し、様々な目的を掲げている。例えば、ディズニーは「イマジネーションで人々に幸福を」、ジョンソン・アンド・ジョンソンは「痛みと苦しみを和らげる」というのが目的だ。目的を設定する一番のメリットは、皆がより熱意を持って働くようになることだ。 -
執筆に知人も関わっていた一冊。学びはとても大きく、読み終えた頃には付箋だらけになってました。時代が変わり企業組織が変わろうとしている過渡期の今、ひとつのベストプラクティスを示した一冊だと思いました。相性はあると思うけど一度働いてみたいなぁとか。共感し印象に残ったのは、意思決定の段階から部下は情報を求めていて、解決に向けて一緒に考えていくプロセスの有無はその後の仕事のパフォーマンスに相当影響する、そのことを強調している点。これが時代性というか、若い人はより顕著だというのは納得がいった。自分もリアルな対話を大切にしていきたいと思いました。
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めまぐるしく変化する環境で、競争を勝ち抜くには?
オープンな組織の作り方
・組織の「目的」の共有→「なぜそれをするのか」を共有
・メンバーが全力を尽くすことをかきたてるような「情熱」
・「主体的な参加」