HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメント

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制作 : ベン・ホロウィッツ  小林 薫 
  • 日経BP社 (2017年1月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822255015

HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメントの感想・レビュー・書評

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  • マネジメントの最高良書。ドラッカーのプロフェッショナルの条件とならぶ自分ランキング1位。原著が1984年に書かれたとは思えないくらい現代でも充分通用する。ミーティングやワンオンワン面談の重要性、面談のコツなど、マネージャーの要諦がインテルの事例を紹介しつつ、シンプルかつ、強力なメッセージとして伝わってくる。著者の頭が高度にロジカルで整理されていることが感じさせられる。アウトプットに最重視、という点ではドラッカーとにていると思ったら、彼も「非常に大切なことをすばらしく教えてくれる重要な本」と評したとのこと(AMAZONより) 納得。

  • インテル元(本書発刊時は「現」)CEOアンドルー・グローブ氏による経営指南書。会社のボリュームゾーンであるミドル・マネージャー層を意識して書かれているのが特徴だ。こういう経営の良書が30年遅れでしか読めないのは経済的損失である。インターネット前夜に日米間で大きく水をあけられた一因であるかもしれない。

    ベストセラー『ザ・ゴール』の原案ともいえる「朝食工場」はマネージャーとして何を重視しテコをどう効かせるかのエッセンスが詰まっている。中盤以降はマネジメント手法の詳述なためやや退屈感はあるものの、マネジメントの仕事はテコであり教育と考課で、ワン・オン・ワンなどの必要性の説明はなるほどと思わされる。

    本書内で特に印象的だったのは「時間」は例外なく24時間の有限資源でその他資源は調達可能なもので、何かに「イエス」ということは何かへの「ノー」と等価という件だ。故に資源配分のテコを意識せよ、と。シンプルながら意思決定の本質を突く内容である。

    発刊当時は新興企業の一角であったインテル社も今では米国を代表するエスタブリッシュ層になり、Google社やFacebook社など新たなマネジメントスタイルが登場してやや古臭さも否めないが、ミドル・マネジメントの基礎や素養の知識としてぜひ読んでいただきたい。

  • マネジメントの基本的なフレームを体系立てて学べる良書!!

    実践的かつ普遍的に描かれているので、活用しやすそう。個人的だが、新人時代のマネージャーが、素晴らしかったことを改めて思い出した。

    - 生産工程の効率化
    - 組織論 機能別と事業別とハイブリット
    - 部下の教育と査定

    ※ 別件だが、iphone+kindleの自動音声読み機能で読んだ。分厚くて昔断念した本だがスラスラ読めた。大変オススメな機能です。

  • インテルの創業者で元CEOのアンディ・グローブが書いたマネジメントに関する本。非常に実際的なことがことが書かれていて驚いた。中小企業診断士の運営管理や企業経営で学んだような理論の一部が、実際にアンディ・グローブがインテルで実践してきたこととして書かれているように感じた。組織と人に関しては非常に実践的だ。

    アンディは、まず朝食工場という朝食を作る仮想の工場を例に挙げて、そこで行われるべき判断やアクションを解説する。もちろん、著者が関わってきた半導体工場とは具体的な事例は異なるが、形を変えて同じような判断が行われてきたということだ。具体的で非常に腑に落ちることが書かれている。

    マネジャーのアウトプットは、「自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット」である、ということを明確化する。つまり、「いかに頭がよいか、いかにそのビジネスを熟知しているとは関係がない。マネジャーはチームのパフォーマンスとアウトプットのみによって評価される」というところが重要なのである。これがマネジャーと個々の社員との大きな違いであり、「マネジャーの能力や知識は、部下や関係者の能力を結集できる場合にのみ価値がある」ということである。

    そのためには人に仕事をしてもらう必要がある。まず人であるのだが、「人が仕事をしていないとき、その理由は2つしかない。単にそれができないのか、やろうとしていないのかのいずれかである。つまり、能力がないか、意欲がないかのいずれかである」。
    したがって、「マネジャーのやるべきことは部下の教育とモチベーションの向上だ。他にマネジャーがなすべきことはない」この言葉は、ホロビッツが書いた序文にも言及されている。
    そのための実際的な方法として、上司と部下の間で一対一の話し合いの場を持つことを重要視している。それがマネジャーの究極的な役割である部下の教育とモチベーションの向上に直接つながるからである。一対一の話し合いの場を持つことは、インテル社の経営哲学上の根本綱領のひとつになっているという。

    「人を駆り立ててベストを尽くさせる内面的な力は2つある。”能力”に突き動かされるか、”達成意欲”に駆られるかである」
    そのための手段として目標管理システム(MBO:Management By Objectives)によって、目標を高いところに置くことでその能力を伸ばすのである。

    その人を効果的に動かす組織について、機能別と事業別のハイブリッド型の組織の間で揺れてどの形がベストであるということはいえないが、大きな組織ではハイブリッド型になると示唆する。これはグローブの法則と呼ばれるらしい - 共通の事業目的を持つすべての大組織は、最後にはハイブリッド組織形態に落ち着くことになる。 また、マネジメントの型としてはグループメンバーの熟練度によってマネージャが採るべき方針が異なるとか、いった組織論の実際が語られる。

    マネジャーの仕事についての分析も実際的な視点で描かれている。アンディによると、マネジャーの三つの大きな活動は、「情報収集」「情報提供」「意思決定」「ナッジング」だという。実際にアンディ・グローブの一日の大部分は情報収集に使われる、という。さらにそれは情報提供をするということでもある。もちろん、意思決定とそれを組織に落としていくことはマネジャー本来の役割でもある。そこで絶対的に有限かつ自らコントロール可能な時間の管理の重要性が説かれる。
    また、好業績を上げる特定のリーダーシップの型というものはないという。これは最近のGoogleの研究プロジェクトアリストテレスの結論にも近いのかもしれない。また、ピーターの法則が発生することは仕方がない。上げてみて、ダメならリサイクルしかないという。
    その上で、さらにCEOはオプティミストでなくてはならないという。トータルで考えればその方がいいのだという。もちろん、勝ち続けるためにはパラノイアでもある必要があるのだが。

    さらに具体的に、社員の考課についても非常に詳細に記載されている。採用や、退職の引き留め、教育などについても具体的だ。人事が会社が成果を出すためにそれだけ重要なタスクだということなのだと思う。人は表に出た結果に対して色々と評価をするが、それを生み出す人や組織についてこそまずは手をつけなくてはならないということなのかもしれない。この辺りの内容をとっても、いわゆる概念論だけのコンサルが書いたような経営書と一線を画するところである。

    なお本書では、ピーター・ドラッカーがたびたび言及される。日本では特に有名なドラッカーだが、米国の経営書で言及されるのは珍しい気がする。ドラッカーによると、時間の25%以上を会議で過ごすようなら、それは組織不全の聴講だと言っているらしい。アンディはさらに、意思決定のためのミーティングは7人以上になってはいけない。「8人が絶対に打ち切るべき上限である」と言い切る。意思決定におけるグループシンクについても言及がある。多人数での意思決定会議の問題をよくよく知っているのである。また、打ち合わせへの遅刻についても他人の時間を奪う行為であるとして戒めている。この辺りは全く反省すること大である。またドラッカーが提唱したとも言われる目標管理システム(MBO)についてもポジティブである。
    ・わたしはどこへ行きたいのか
    ・そこへ到達するためのペースをどう決めるか(マイルストーンとキーリザルト)
    を意識することが重要なのである。MBOは評価のためのシステムでは本来ないのであるという指摘はその通りであると思う。変わる環境に応じて変化をさせていってもよいし、変化をさせるべきなのである。この点については肝に銘じておきたいと考えている。

    本書の序文にて、マネジャーとして、本当の価値を付加しているか、情報収集を怠らないでいるか、新しいことを常に試みているか、ということを責任として問い続けなくてはならないという。いずれにせよ個人の優位性を保つために、常に自らを磨いておかないといけないのである。果たして自分はできているのか、常に自問をし続けなくてはならないことである。
    1983年初版刊行の本だが、古びていない。中身が濃い本であった。レビューも長くなったが、まだ書き足りないような気がする。お勧め。

  • 20年以上勤めた日本非上場企業を辞めて、アメリカ上場企業のシンガポール子会社の支店に入る、という働き方大転換の真っ只中の僕ですが、新しい環境のエッセンスはまさにこの本の中にあった、という驚愕の読書体験。ワン・オン・ワン、という会議(というか面談)のやり方や、社内会議のあまりの多さに最初は違和感あったのだけど、なるほど合理的だなあ、と思い始めた矢先にグローブさんの80年代前半の著書でその哲学に触れるというオチ。僕自身、自ら体験しないと学ばないタイプなので今後も自分に無茶ぶりをして、マズローの欲求階層を昇ったり降りたりしようと思います。以下引用。
      
    ・職場の同僚などとは数においてはるかに上回る1000倍もの、1万倍もの、100万倍もの人々が、みなさんの会社と競合している組織で働いているのだ。だから、仕事をしたいならば、あるいは働きつづけたいならば、「個人としての競争優位性」を保つために、絶えず熱心に自分を磨かなければならないのである。
    ・私の1日が終わるのは、疲れて帰宅するときであり、仕事が終わったときではない。私の仕事は決して終わらない。家庭の主婦と同じように、マネジャーの仕事は決して終わらない。もっとなすべき仕事が、もっとなさねばならない仕事が、そしてなしうる以上の仕事がいつも控えている
    ・レポートは情報を伝える手段というよりは「自己規律訓練」の「手段」なのである。レポートを「書くこと」は重要だが、読むことは重要でないことが多い。
    ・マネジャーが毎日毎日配分する唯一無二の重要な資源は、本人の時間
    ・ミーティングはマネジャーが仕事を遂行する「手段」そのもの(中略)。われわれはミーティングの存在の当否と戦うのではなく、むしろその時間をできるだけ能率良く使わなければならない
    ・より良いモチベーションというのはとりもなおさず業績が良くなることであって態度や気持ちの変化ではないのであり、部下が「自分はやる気が起きた」などということにはなんの意味もない

  • 仕事をする上での基本として大切なことが書いてある。細かいテクニックは他の本でいろいろ書かれているのだろうけれど、基本はずっと変わらないということなのだろう。

  • インテルの元CEOが1984年に記した組織論とリーダー論。

    リーダーシップを発揮するためにマネジャーは常に自分は組織内での「役割モデル」であることを認識しそこに重点を置くべきとのこと。また、マネージャーのアウトプットが、即、担当組織のアウトプットであり、原則として自分が責任を負っているチームのアウトプットや、そのアウトプットの価値を高めることに自分の時間の全てを費やすべきと説明。

    なお、組織やチームでのコンセンサスの取り方やその考え方も参考になる。

    例えばチームの関係者は誰しもが、そのチームによってなされた意思決定に対して完全に支持をしなければならない、と説く。これは、必ずしも全員の「同意」を取りつけることではなく、関係者がその意思決定を支持すると約束をするのであればOKという考え方である。

    その理由は下記の通り。
    組織というものは、あらゆる事柄についていつでも全員の「同意」を得ることで存続しているのではなく、意思決定とビジネス上の動きを支持することを約束する人々によって、組織は存続しているのである。

  • また読み返したい。

  • 組織構造の話から人事考課、そして面接や退職希望者の引き止めまでカバーされたマネジメントのバイブル。
    ・組織はどうしてもハイブリッドになっていく
    ・考課は、伝えることで部下のパフォーマンスが上がるよう具体的に行動できるものであるべき
    などはとても共感できる。
    少し古い本なので、2017年現在のマネジメント慣行に合致しない部分はあるが本質的な部分は色褪せない。

  • マネジャーの能力や知識は、部下や関係者の能力を結集できる場合にのみ価値がある。

    あなたがマネジャーなら、その製品についてどんな情報が口コミで流れているのか社内の誰よりもよく知っているかもしれない。

    しかし組織の他の部署と効果的に共有できなければ、何を知っていても全くの無価値だ。

    それが一部員ではなくマネジャーであることの本質。

    これはいかに頭が良いか、いかにそのビジネスを熟知しているかとは関係がない。

    マネジャーはチームのパフォーマンスとアウトプットのみによって評価される


    部下の力を最大限に生かすためにマネジャーは次の点を理解しなければならない。

    「人が仕事をしていないとき、その理由は2つしかない。単にそれができないのか、やろうとしないのかいずれかである。つまり、能力がないか、意欲がないかのいずれかである」

    上記から、マネジャーのやるべきことは部下の教育とモチベーションの向上だ。

    他にマネジャーがなすべきことはない。


    ワン・オン・ワンのミーティングはマネジャーと社員のコミュニケーションの基本であるだけでなく、マネジャーが入手しうる組織の知識のソースとしておそらく最良のものだ。

    経験では、ワン・オン・ワンの話し合いを軽視するマネジャーは自分が所属する組織の情報が驚くほど貧弱だった。


    マネジャーが部下の生産性を向上できる方法は2つしなかい。

    ①モチベーション
    ②訓練

    マネジャーが訓練を軽視するなら、自分の仕事の半分を怠けていることになる。


    仕事をしたいならば、あるいは働き続けたいならば、「個人としての競争優位性」を保つために、絶えず熱心に自分を磨かなければならない。


    真剣に考えなければいけないいくつかの問題

    1 あなたは本当の価値を付加しているのか、それとも単に情報をあちこちへ流しているだけなのか。付加価値をどうやって高めようとしているのか・・という問い

    マネジャーのアウトプットが、即、担当組織のアウトぷっとだということ。原則として1日の中の1時間1時間は、自分が責任を負っている部下のアウトプットや、そのアウトプットの価値を高めることに費やさなければならない。


    2 第二の問いは、自分の周囲で何が起こっているかに関して、いつもアンテナを張り、回路を接続して、情報収集を怠らないでいるか。

    会社内のことだけではななく、業界全体の動きについての目配りをすることも含まれる。


    3 新しいアイデアや、新しい手法や、新しい技術をいつも試みているか。

    たんに新しいものについて読むだけではなく、自分自ら実際に手を下して試みるということである。

    生き残りへのカギは、より多くの付加価値をどうやってつけるかを学ぶことにあり、それこそこの本の最終的な狙いでもある


    まずいことに、上司が1から10まで詳しくチェックすることが良くわかってくると、部下は自分のやる仕事について責任を取らないことに慣れてくるのである。

    生産性を高めるために

    生産性を上げるひとつの方法は、今やっていることが何であろうと、それを ”もっと速く”やることである。

    生産性を上げる第二の方法

    それは仕事を速くやるのではなく、遂行する仕事の ”性質 "を変えることである。

    活動に対するアウトプットの率を上げ、それによってたとえ一従業員時間あたりの活動は同じままであっても、アウトプットをもっと上げたいと考えるのである。


    マネジャーのアプトプット=自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット


    社内情報の収集と提供

    情報を入手するとくに効率が良い方法で、ほとんどのマネジャーが見逃しているものがある。

    それは社内のある特定の場所を訪れて状況を見て回ることである。

    現場訪問をマネジャーがすることで2分間ですむ関心事を持つ人に早く解決する。
    管理の仕事を処理する上でとくに効果的かつ能率の良い方法となる。


    三番目に大きなマネジャーの活動は、意思決定である。

    ビジネスが直面している事実や問題点を当人がどの程度よく理解しているかによって左右される。だからこそマネジャーの生活では情報収集が非常に重要になる。
    情報収集はマネジャーとしてのその他の仕事のすべての基礎であり、それを行うために1日の多くの時間を積極的に費やすべきである。


    マネジャーの仕事のほどんどは、労働力、金、資本、といった経営資源の分配と関係がある。

    だが、マネジャーが毎日毎日分配する唯一無二の重要な資源は、本人の時間である。

    原則的にいえば、金や労働力や資本は必ずもっと手に入るが、マネジャー自身の時間は、誰もが絶対に有限な形でしか持っていない。したがって、その割り当てと私用に相当の注意を払わなければならない。
    自分自身の時間をどう扱うかは、役割モデル
    兼リーダーであるとうことの最も重要な側面である。


    マネジャーの生産性、つまり、稼動単位時間あたりのアウトプットは次の3つの方法で増加できる

    1 マネジャーが自らの活動を遂行する速度を速めて、仕事をスピードアップする。

    2 いろいろな経営管理活動に関連のあるテコ作用を増加する。

    3 マネジャーの活動ミックスを、テコ作用の低いミックスから、より高いミックスに換える


    テコ作用を高める活動

    これを達成するには基本的な方法が3つある。

    ■大勢の人がひとりのマネジャーにより影響を受ける場合。
    ■ある人の長期間にわたる活動が、特定のマネジャーの、短いが的を得た言葉や行動によって影響される場合。
    ■ユニークで貴重なカギとなる知識や情報を提供する個人によって、大きなグループの仕事が影響される場合


    元気のないマネジャーやしゃべりまくるだけのマネジャーは、実質上そのネガティブのテコ作用が無限だと言える。
    セールスパーソンが、いい加減な販売訓練のために悪い影響を受けているならば、再訓練を実施して、そうしたまずい状況を処理することができる、。だが、意気消沈と無駄口により生じるネガティブなテコ作用は、組織に対するその影響が広く行き渡り、しかもつかみにくいので、対応するのがきわめて困難である。


    ”マネジャーの余計な干渉” もネガティブなテコ作用の一例である。これが発生するのは、部下に自由に仕事をさせようとしないで、マネジャーが本来は部下の責任事項に関する監督者としての知識と経験を使って、一定の状況を支配しようとするからである。

    たとえば、ある上級マネジャーが思わしくない傾向を示すインディケーターを見て、取るべき処置を事細かく責任者に命じるとすれば、それはマネジャーの余計なおせっかいないし干渉というものである。一般に、余計な口出しや干渉は、上司が監督者としての実務知識(ほんとうのものと、そう思い込んでいるものと、どちらも)をあまり多く使いたがることが生じてくる。ネガティブなテコ作用は、こういった状況が何度も繰り返されると、部下は自分に期待されている事柄を今までよりもずっと狭く考え始め、自分自身の問題の解決にもあまり積極性を示さず、問題を上司に任せるようになることから生じてくる。その結果、組織のアウトプットは長期的に減少するから、こうした余計な干渉は明らかにネガティブなテコ作用をもつ活動なのである。


    4章 ミィーティング

    マネジャーはがその時間の25%以上をミーティングに使っているならばそれは、組織不全の兆候である(
    ピーター・ドラッカー)

    『組織の中の人間』(ウィリアム・H・ホワイト二世)の中で、ミーティングをマネジャーが我慢しなければならない「非貢献的労働」と描き出している。


    マネジャーには2つの基本的な役割があるので、2種類のミーティングが基本的にある。

    ひとつは ”プロセス中心” のミーティングと呼ばれ、そこでは知識の共有化と、情報交換が行われる。こうした会合は定期的に開催される。

    もうひとつのミーティングの目的は、具体的な問題の解決である。 ”使命中心” と呼ばれるこの種のミーティングでは、 ”意思決定” をすることが多い。特別な目的のために随時開かれるミーティングである。


    専門能力は、その人の職歴の中で経験を積み、数多くの過ちを犯しながら学んでいく過程で得られた判断力によって鍛えられていくものでなければならない。だから理想的な意思決定は、一方では技術的知識に対する信頼性と、他方でそのような知識を他人に適用したり応用したりしようと試みたことから受けた傷との間の中間地帯で起こるべきものなのである。


    監督業務の多いマネジャーは6人から8人ぐらいの部下がよく、3,4人では少なく、10人では多すぎる。この範囲は、部下の一人ひとりにつき、週に約半日をあてなければならないという基準から考えたものである(部下ひとりに週2日では余計な干渉に陥りやすく、週に1時間ではモニタリングの機会が充分に得られない)

    ノウハウ・マネジャー、技術知識や情報を供給するミドル・マネジャーは、たとえ部下がいなくても、社内コンサルタントとして多様な「顧客」にサービスすれば、それは完全なフルタイムの仕事である。

    知識パワーと地位パワーの両方の所有者をも麻痺させて身動きをできなくさせるものがひとつある。それは実は単純なことだが、”何かを言うとばかだと思われはしないか”という恐怖心である。

    上級者は、そのために自分が当然尋ねねばならない質問を自ら抑え込んでしまうことになりやすい。同じような恐怖が元手、他の参加者はみんなに聞こえるようにはっきりとは物を言わずに、個人的に自分の頭の中で考えるようになる。せいぜい、言うべきことを隣の人にささやく程度である。
    マネジャーとしては、洞察力とか事実が差し控えられ、適切な質問が抑え込まれるたびに、意思決定のプロセスは当然あるべき形よりは悪くなっているものと考えておかなければならない。


    マネジャーが期待していることを当初に正確に述べておけば、意思決定は、高品質のアウトプットを時期よく産出する可能性がいっそう高い。いいかえれば、経営管理の重要な課題のひとつは、事前に次の6つの重要な質問を自問自答してみることである。
    ■どのような意思決定をする必要があるのか?
    ■それはいつ決めなければならないか?
    ■誰が決めるのか?
    ■意思決定をする前に相談する必要があるのは誰か?
    ■その意思決定を承認あるいは否認するのは誰か?
    ■その意思決定を知らせる必要がある人は誰か?


    マネジャーはどうやって部下にやる気を起こさせるか。一般的に、このことばには、何かを他人にさせるというような含みがある。だが、私にはそういうことができるとは思えない。モチベーションなるものは人間の内部から発するものだからである。したがって、マネジャーにできることは、もともと動機づけのある人が活躍できる環境を作るだけとなる。

    より良いモチベーションというのはとりも直さず業績が良くなることであって態度や気持ちの変化ではないのであり、部下が「自分はやる気が起きた」などということには何の意味もない。

    大切なのは、環境が変わったために ”業績(遂行行動)"が良くなるか悪くなるかである。態度というものはひとつのインディケーターとして、人間のモチベーションという「ブラックボックスに切り込んだ窓」になることはあるが、それはわれわれの望む成果でもアウトプットでもない。われわれが望むものはある特定の技術水準における水高業績向上ということである。


    明確な構造を持つマネジメント・スタイルのほうがコミュニケーション志向のスタイルよりも価値が低いなどと判断しないこと。

    何が「良く」て何が「悪い」ということは、あなたの考え方や行動の中で、いかなる場も占めてはならない。
    われわれが追究しているのは、何が最も ”効果的” 架という点である。


    古いことわざに、「最良のセールスパーソンをひとり昇進させてマネジャーにすると、良いセールスパーソン1名をだめにし、悪いマネジャーを1名つくる」というのがある。
    しかし、良く考えてみると良いセールスパーソンを昇進させる以外選択のしようがないことがわかる。万一最悪のセールスパーソンがマネジャーの職を得たらどうなるだろうか。われわれは最良の人を昇進させることによって、部下に業績が物をいうことを知らせているのである。


    部下の業績を考えるときは、あらゆることを紙に書きこむ。頭の中で ”編集” してはならない。すべてを書き出してからといってそのすべてを話すのでないことを承知しつつも、全部書き込む。大きなこと、小さいこと、つまらないこと、別に順序はないが、すべてが含まれるべきである。書き込むべき項目がなくなったら、その他の関連文書はもう見なくて良い。


    業績の良くない人は自分の問題を ”無視する” 傾向が強い。そこで、マネジャーはその真実を示すことができる事実と具体例を持つことが肝要である。

    部下が消極的に無視するよりは問題を ”積極的に否定する” ほうが、前者に比べて、一歩前進である。この場合も抵抗に打ち勝つには証拠がものをいう。部下が問題があると認めても、それは ”自分の” 問題ではないと主張するようになると、第三の段階に入る。彼は、代わりに、 ”第三者を非難する”。これは通常の防衛手段である。この自衛手段を使うと、状況を是正する責任と義務を避け続けることができるからだ。


    最後の段階での起こる可能性のある結果としては3つある。
    ひとつは部下があなたの査定、あなたの改善案を受け入れて自分でそれをやる約束をすることである。

    第二は、査定には真っ向から異議を唱えるが、改善案は受け入れる場合である。

    第三は、査定に異議を唱え、改善案どおりにやると約束しないことである。管理・監督者としてのあなたは、その3つのうちどれが問題に対して ”呑める” 解決方法だと考えるべきだろうか。

    著者の場合、行動を ”約束する” ことが含まれる結果がでればそれで充分である。複雑な問題では容易に全面的な一致をみることなどはない。部下が事態を変えることを約束するなら、まじめに取り組んでいると考えるべきである。
    ここで重要な言葉は ”呑める” ということばである。


    マネジャーは、考課をしている間、部下との立場が対等らしく見せかけてはならない。

    心の触れ合う話し合いにするには、部下が考課に対して反応する時間を与えるべきである。


    著者の経験では、対面して話し合いをする若干 ”前に" 文書による効果を部下に与えるのが最善である。ひとりでそれをくまなく読んで消化する。彼は反応したり、過剰反応した後で「メッセージ」(上司が伝えていること)をもう一度見る。2人が一緒になるときには、彼は感情的にも理性的にも心の準備ができている。


    考課を作成し伝達することはマネジャーとして最も困難な仕事の1つである。それを最善の方法で行うことを学ぶには、あなた自身が受けたかずかずの効果を批判的に考えてみなければならない。


    2つのむずかしい仕事

    マネジャーが達成しなければならない仕事のうち、気持ちの上で負担のかかる難しいものがあと2点ある。その2つとは、社員になる可能性のある人間の面接と、貴重な人材が退社しないように話し合いをすることもある。


    面接の実施

    面接の時間の80%は、志望者に話をさせるべきである。そして、彼が話す ”内容” は東方(面接者)の主要な関心ごとについてでなければならない。

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HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメントの作品紹介

シリコンバレーのトップ経営者、マネジャーに読み継がれる不朽の名著、待望の復刊!!

インテル元CEOのアンディ・グローブが、後進の起業家、経営者、マネジャーに向けて、一字一句書き下した傑作。『HARD THINGS』著者のベン・ホロウィッツ、フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグなど、シリコンバレーの経営者や幹部たちに読み継がれ、大きな影響を与えてきた。

アウトプットを最大化するための仕事の基本原理とは、マネジャーが最も注力すべき仕事はなにか、タイムマネジメントの方法、意思決定のときにしてはいけないこととは、ミーティングはどう進めるべきか、1対1の面談(ワン・オン・ワン)ではなにを話すのか、人事評価はどう判断すべきか――。マネジャーなら誰もが悩むことに答えてくれる、実践的で役に立つアンディ・グローブのアドバイスが満載の経営書である。

<シリコンバレーの起業家など著名人が絶賛!>
「世界最高の経営書だ」――ベン・ホロウィッツ(『HARD THINGS』著者)
「僕の経営スタイルの形成に、本書は大きな役割を果たした」――マーク・ザッカーバーグ(フェイスブックCEO)
「シリコンバレーのトップ企業は何ができるか、アンディは最高のモデルを築きあげた」――マーク・アンドリーセン(ブラウザ発明者、アンドリーセン・ホロウィッツ共同創業者)
「非常に大切なことをすばらしく教えてくれる重要な本」――ピーター・ドラッカー

<アンディ・グローブの教え>
・マネジャーは自分の部門のアウトプットを最高に上げる活動に、エネルギーと注意を注がなければならない。
・マネジャーの最も重要な責任は、部下から最高の業績を引き出すことである。
・マネジャーにできるのは、もともと動機づけのある人が活躍できる環境をつくるだけ。
・ミーティングを招集する前にマネジャーは、自分が達成しようとしているのは何なのか、と自問しなければならない。
・何かに「イエス」ということは、他のことに「ノー」と暗黙にいうことだ。「ノー」と頭を振る気迫、正直さ、規律を身につけなければならない。
・レポート作成は重要だが、読むことは重要でないことが多い。“自己規律訓練”の“手段”なのである。

HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメントはこんな本です

HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメントのKindle版

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