- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822255237
作品紹介・あらすじ
日の丸規格の国際標準化交渉で連戦連勝だったソニーの凄腕交渉人の手記。この人がいなければ、Suicaの国際標準化はなかった。日米欧の企業が激突する国際交渉の舞台裏を赤裸々に描いたノンフィクション。以下は、本書「まえがき」から。
「本書は、ソニーに勤務していた「交渉人」の私が当事者として経験した日の丸規格の国際標準化の舞台裏を、ソニーのフェリカ(JR東日本のSuica)、デンソーのQRコード(二
次元バーコード)、東京電力のUHV(1100キロボルト超高圧標準電圧)について初めて明かすノンフィクションである。
国際標準という言葉は一般には馴染みがないかもしれないが、たとえばSuicaという便
利な交通用のカードは、私たちがあらゆる交渉のテクニックを駆使して反対勢力の裏をかき、多数派工作に成功していなければ、国際標準化に失敗していまほど広く普及していなかったかもしれない。そう考えると、意外に身近に思えるのが国際標準なのだ。
誰もが知っている典型的な国際標準は、長さや重さ、時間などの計量単位の度量衡標準である。その他、ネジのサイズやピッチ、各種標識なども国際標準だ。これらの標準がなければ、私たちの社会生活は大変不便になる。
(中略)
国際標準化という企業同士が争う戦場で力もカネも技術もない日本が勝利するのは、絶望的な状況になった。米国も欧州も中国も、すでにマイナーな日本の味方ではない。本書で取り上げた事例は、日本にとって最後の輝きだったのかもしれない。」
感想・レビュー・書評
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国際標準化交渉の業務がどのように進んでいくのかを知ることができてよかった。
しかし一方で著者の社内上層部に対する個人的な恨みつらみの要素があまりにも多い気がした。また、翻訳の件などはこの本を読んでいる人は求めていないと思う。
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ロビー活動のあり方、交渉の段取りについて学ぶことができた。なかなか無い本だと思う。
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ルール形成11冊目です。
交渉とは正にこういうことだなと。今まで自分がやってきた交渉は交渉と呼べる代物ではないと痛感しました。
相手の持つカードを読みながら自分のカードを切っていくタイミングを図ったり、交渉前の事前準備で根回ししたり、劣勢と思ったら結論は後回しにしたり、色々と示唆に富む本でした。
是非とも、次の交渉の機会があれば実践していきたいと思います。