OKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法
- 日経BP (2018年3月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822255640
作品紹介・あらすじ
KPIより断然やる気が出て、大胆な目標も実現する新しいフレームワーク
グーグルも全面採用! シリコンバレーのスタートアップから大企業まで、
「OKR」の導入・運営を現場でトレーニングしている著者がわかりやすく解説します。
OKRを設定して金曜日に振り返れば、ひとりでもチームでも、
たった3カ月で生まれ変わります!
■OKRとは?
OKRは、Objectives and Key Resultsの略。目標の「O」(Objectives)と主な結果の「KR」(Key Results)を設定する最も注目されているフレームワーク。大きな目標「O」と具体的な数値目標「KR」を組合せることで、目先の数字に振り回されず、やる気が出て、生産性が断然上がります。
■前半は物語、後半はノウハウですんなりわかる!
本書の構成
<前半>シリコンバレーのスタートアップの物語
高級レストランなどに高品質の茶葉を販売するスタートアップ「ティービー」が舞台。資金調達は成功したものの、売上が伸びず、創業者同士がぶつかり、社員の不満が募る。そのときにエンジェル投資家の勧めで、ティービーに導入されたのがOKRだ。OKRの設定や運営でつまづきまくるが、やがて社内の全員が変わってくる――。
<後半>
OKRの設定から運営まですべてのノウハウを紹介。成功の法則、よくあるOKRの失敗例も紹介。
■OKR「成功の法則」
・目標「O」はひとつ、主な結果「KR」は3つくらいにする
・KRは「難しいが不可能ではないもの」にする。簡単すぎると意味がない、不可能ではやる気がなくなる
・OKRはポジティブな表現にする。チームを脅してはダメ。
・3カ月単位で運用、でも毎週の振り返りは必ず!
・月曜日に進捗をチェックしてコミットしよう
・金曜日の「ウィン・セッション」で成果を見せ合えば、ほかの人の仕事も理解できるし、来週のやる気にもつながる!
感想・レビュー・書評
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Google等々シリコンバレー企業で採用されている新しいフレームワーク「OKR(Objectives and Key Results」についての解説書。
フレームワーク自体が非常にシンプルなものですが、本著自体のボリュームも軽めで、前半はストーリー仕立てなのもあって、サクッと読了できます。
…んで、興味深いと思ったのは、OKRと同じとは言えないものの、似たような「目標を立て、定期的に振り返っていく」という流れは、伝統的日本企業で行われてますよね。
期首に目標を立てて(なんかシート的なものを作って)上司と面談して、半期くらいで振り返って達成度を採点して…っていう営み、ありますよね。。
OKRの方は経営トップから一貫したものがブレイクダウンされていく印象はありますが、日本企業の目標立案も「タテマエとしては」同じはずなんですよね。
※多くがタテマエ化=形骸化してしまっている気がするのがウィークポイントだと思いますが…。しかも、面談の営みと日々の業務が切り離されちゃってる感もあるし。
さて、そこから敷衍した問いとして、OKRというのはアメリカ的な「ジョブ型雇用」と日本的な「メンバーシップ型雇用」の間に位置しているのでは?というのが生まれます。
ジョブ型:仕事の内容はジョブディスクリプションに書いてあるので、面談なんて時間の無駄だからしない。純粋にジョブディスクリプションの内容を達成したかどうかで評価
メンバーシップ型:何やるか決まってないから、都度都度すり合わせしながら仕事をしていく。成果だけでなくプロセス(頑張り)も評価
OKR:四半期毎にOKRの設定と振り返りを実施。かつ週次でも進捗管理をしていく。シンプルな目標+定量的な数値の組み合わせ
OKRの営みの一部は、日本企業が既に日々のプロセスの中に組み込んでいるものもあるんじゃないのか…というのが、読んでいて感じたコトです。
ただし!新鮮なトップの意思が反映されたものとして組み込まれている訳ではなく、システムの中の退屈な作業と化してしまっているから十分に活用されていないのかな、というのも同時に感じました。
まぁこういう流行りモノに上手く乗っかって、その中で結果的に経営が改善されるのなら全然良いコトなのではないかなと。
OKRはシンプルなだけに強い仕組みだと思うので、そこらへんは流石アメリカのマネジメント術だな、とも感じました。
本気でやったら会社が変わりそうだけど、個人が読むだけじゃダメで、会社全体で取り組まないといけないのが本著の悩ましいところです。
まぁでも、元々一人じゃできない仕事があるから人が集まって会社ができたんだろ、と思えば、何だってできるのかもしれません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
OKR = Objective + Key Results
= 1つの目標 + 3つの主な結果
P1 やらなければならないこと、P2 やるべきこと
を、マトリックスの4つの箱に書いていく、シンプルな
目標管理方法です。
・KPI とは、ちがって、目標そのものを管理していることでシンプル、項目数をしぼることで分かりやすく、継続もしやすい。
・私感ですが、PDCA でプロセスを重視しているのにたいして、目標に、焦点を当てている点が大きく異なっているとおもいました。
・時間がかからないですが、深堀りはむずかしく、別の機会を必要とするので、サマりとしての道具かと。 -
googleやZyngaなどで採用されている、OKRについてわかりやすく、第一部では物語形式でOKRについて取り入れたスタートアップの話がかかれ、第二部ではいろんな人がOKRについての事例などを紹介する内容となっている。
OKRについては、日本ではOKRに関する書籍がまだ出ていないこともあり、「シンギュラリティ大学が教える飛躍する方法」にて少し言及はされているのを確認している状態だったので、待望の一冊だった。
原書は「RADICAL FOCUS」というタイトルで、OKRという成功を約束されたフレームワークの話ではなく、フォーカスする方法が一番のテーマとして書かれている。
OKRは最初は失敗する場合が多いとも書かれているので、もし取り組むとしたら、この一冊片手に長期的に取り組んでいく気概をもって取り組む必要があると感じた。 -
・KRに純増数を入れるのをやめたい
→リソースの分散が起こる
・GM週報に簡単にOKRを載せる →週次での情報更新
・自信度は月毎に変更する
・達成=素晴らしいことを成し遂げた、が基準 -
OKRは表面的にはチュートリアルやRPG、ミッション型のゲームのようだ。
「村を助ける」という目標があり、「洞窟の最深部で怪物を倒してくる」ことができれば、報酬として「ゴールド」が手に入る。
OKRとはObjectives and Key Results(目標と主な結果)の略で、目標と目標が達成できたかどうかを判定する指標がある。
そして、それらが極めて容易に理解できるように、忘れ去られないように短い言葉や明確な数字で定義し、週次で「やるべきことを洗い出す」、「評価する」、「報酬を与える」というサイクルをこなすようになっている。
これだけでは、多くのツールや方法とさほど変わらないが、OKRの1番の意義はモチベーションを維持してやるべきことにフォーカスすることで、短期間で成長を促すところにあると感じた。
そのために目標はストレッチ・ゴールでなくてはならず、達成できなかったことが失敗とは言い切れない。
本書では、最初にOKRの設定方法についての物語があり、非常にとっつきやすい。
また、OKRの仕組みや失敗例などが端的な表現で説明されており、具体例も豊富で分かりやすい。
企業や組織向けの内容になってはいるが、1番おすすめなのは、解説の方も仰られているように個人で導入すること。
この本で学んだことを実践して、スキル向上に役立てたい。 -
OKR: Objectives and Key Results。Google、Zynga、LinkedInなどシリコンバレーの先進企業で多く採用されている管理手法のことだ。Oは目標(Objekutive)、KRは主な指標(Key Results)を示す。目標を設定して管理をするのだから、MBO: Management By Objectives (目標管理制度)と比較されることが多いが、実際にはMBOと言われる大きな枠組みの中のひとつの現代的な手法として体系化され実践されたものだと捉えるべきだろう。現状、MBOが実際のビジネスでは他に代替がないものの、運用上の問題からかあまり評判がよくないこともあり、OKRがMBOに代わる魔法の杖のように語られることがある。それは決して正しくない。OKRをそう名付けられる前から発展させて広めたIntelのアンディ・グローブはその著著の中で、彼の手法をMBOの始祖とも言えるピーター・ドラッガーについて何度も言及していることからも、それが相反するものではなく、MBOの思想を発展させたものであり、少なくとも延長上にあることがわかるだろう。
OKRで特徴的なのは、目標および成果基準の設定方針とその運用にある。具体的には、最も優先される目標を設定することだ。そして、その達成ために重要な数値指標を3つ程度設定することだ。目標達成までの期間は比較的短くする。およそ四半期程度で設定して、見直しをかけるべきだ。また設定する数値は、高く設定することが重要で、その時点での達成に対する自信度は高くても50/50程度にしておくことが重要だ。失敗は、高い目標に向かって挑戦をしているというポジティブな指標となる。あまりに低い目標が設定されることを避けるためにも、成果達成と評価や報酬は連動させない。その代わりに、OKRを繰り返し強調し、OKRを共有するメンバーと頻繁にフォローのためのミーティングを持つことが必要な条件として推奨されている。そして、上手くいかない場合でも再挑戦をすることだ。
「数字にこだわらない人を鼓舞して動かすのがO。数字にこだわる人に対してOの現実味を示しているのがKRだ。朝ベッドから飛び起きてやる気が湧いてくれば、いいOを設定できているということだ。もしかしたら達成できないのではないか、と少し心配になれば、適切なKRだと言える」
という表現が、OKRの本質を表しているかもしれない。重要なのは、メンバー全員がOKRを知っていて、それに向かってベクトルを合わせて挑戦している状態を作ることである。
本書は、仮のベンチャー企業がOKRを設定して、危機的状況から回復していく様子が描かれる。読み物として理解をしやすくするために書かれたのだと思うが、OKRで主張することは比較的単純である。MBOを導入している組織であれば、少し調整するだけで試すことができそうだ。問題は実行である。
「アイデアを思いつくのは、あなたが思っているよりもずっとやさしい」と著者は言う。本当に難しいのは「アイデアを現実に落とし込むこと」その実行である。
その通り。
ジョン・ドーアの『Measure What Matters』の方が面白かったが、OKRについて、それがどういうものかを知るためにはシンプルでわかりやすい本。
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『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』(アンディ・グローブ)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4822255018
『パラノイアだけが生き残る』(アンディ・グローブ)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4822255344
『Measure What Matters』(ジョン・ドーア)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4532322405 -
魂を鼓舞するObjectiveを見つけにいく勇気がわいてきた
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目標管理システムOKRに関する数少ない書籍。本書は、前半では目標管理にまつわるシリコンバレー起業家の物語を、後半ではOKRフレームワークを紹介する。
OKR(Objective & Key Results)はインテルで始まったシステムで、これまでにグーグル、ジンガ、リンクトインなどが導入して迅速かつ継続的な成長を実現している。
従来型の目標管理MBO(Management By Objectives)の課題を克服する形で生まれた。MBOはチームや個人の目標が、会社や部門の目標と結びつかず、個人の目標達成が部門の求める課題解決に繋がらないことがしばしばあった。
OKRは3つの理念のもとにできている。
1.人を鼓舞し、効果を測定できるようなゴールを設定すること。
2.やることが他にどれだけあっても、自分のチームが常に望ましい最終形態に向けて進むようにすること。
3.チームのメンバーが目標を忘れず、かつ各メンバーが責任を自覚できるような習慣を作り出すこと。
目標を立てているにも関わらず、なぜやり遂げることができないのか。
1.ゴールに優先順位を付けていない。
2.熱意をもってもれなくゴールを伝えていない。
3.やり遂げるためのプランがない。
4.重要事項のための時間を空けていない。
5.繰り返さずにやめてしまう。
■ Oの基本
・定性的で人を鼓舞する内容にする
・時間的な縛りを作る
・各チームが独立して実行できるようにする
例)
・サウスベイ地区で法人向けコーヒー小売り直売市場を勝ち取る
・すばらしいMVPを立ち上げる
・パロアルト地区におけるクーポンの使い方の習慣を変える
■ KRの基本
Oで決めた感覚的な言葉を定量化する。どうすればOを満たしたと言えるかというシンプルな問いを立てる。ストレッチゴールにすること。
例)
・40%pのユーザーが1週間に2回以上再訪する
・製品を勧めたいかどうかのスコアとして8を獲得する
・コンバージョン率15%
ー以下、メモー
ティービー社のストーリーはケーススタディに有用そうだ。
1.目標管理が機能していない事例として取り上げられているが、他の解決策はないのだろうか。
2.自分の身の回りで目標管理が機能不全を起こしていないか。
3.自分のチームに取り入れるとしたらなにが障害となるか。
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OKRとは「Objectives and Key Results」の略。目標(O)と主な結果(KR)を設定することで、目先の数字に振り回されず、生産性が向上するようになるという。グーグルなどシリコンバレー企業で導入が進む、このフレームワークの仕組みについて、架空の物語とともに紹介する。
第1部 実行家の物語
第2部 OKRのフレームワーク
なぜ、やり遂げることができないのか
プロダクト・チームのOKR
OKRの実行を習慣にする
OKR設定ミーティングを開催する方法
会社の目標をサービス部門のOKRと結びつける
OKRのスケジュール
MVPのためのOKR
OKRで毎週の状況報告メールを改善する
よくあるOKRの失敗例
OKRと年間レビュー
OKR活用のヒント -
とても勉強になる1冊。OKRを使う会社の人もそうでない会社の人も、特にチームビルドを担う前に考え方を知っていると役に立つと思います。