プロセスデザインアプローチ 誰も教えてくれない「プロジェクトマネジメント」

著者 :
  • 日経BP
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822258504

作品紹介・あらすじ

なぜプロジェクトの問題はなくならないのか?
その理由は「不確実性」にあり

 システム開発で「プロジェクトマネジメント」は意識しない人はいないでしょう。
「PMBOK」という知識体系も整い、プロジェクトを取り巻く環境が整備されているのは間違いありません。

 しかしながら、プロジェクトの問題はなくなってはいません。なぜなくならないのでしょうか?
 ベンダーの開発力や技術力が不足しているケースもあるでしょうが、もっと本質的な問題はプロジェクトの「進め方」にあります。

 プロジェクトは「いつも初めて」であり「やってみないとわからない」という特徴を持っています。つまり、プロジェクトとは「不確実」なものなのです。
プロジェクトには「こう進めれば必ず成功する」という決まった進め方があるわけではありません。異なる要求・環境でプロジェクトを成功に導くには、その要求・環境に応じた「固有のプロセス」を設計する必要があります。

 そうした考え方に基づいた方法を「プロセスデザインアプローチ」と呼びます。
本書にはその考え方から具体的な方法まで、第一人者が丁寧に解説しています。

※本書は『プロジェクトマネジャーのためのプロセスデザイン入門』(2014年6月、日経BP社発行)を大幅改訂したものです。

感想・レビュー・書評

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  • プロジェクトマネジメントを体系的にまとめた本で、概要をよく知ることができる。

    プロジェクトオーナー
    プロジェクトリーダー
    プロジェクトマネージャー
    それぞれに期待される役割の違いがとてもわかりやすい。また、発注者側と受注者側でのそれぞれの役割の違いについてもよくわかる。

  • 内容は、ほぼ他の芝本本と同じ。

  • 「計画とは道具である」というコトバが刺さった。
    この本の内容をサクッと概要掴むには、芝本さんの「図解とマンガでわかる リーダーになったら最初に読む プロジェクトを成功させる技術! 」もオススメ。

  • - プロセス設計、バッファの考え方、リスクマネジメント、組織体制、当たりを広く捉えられている本。誰も教えてくれないシリーズの集大成の立ち位置で、具体的な例をもとに各フォーマットの説明があるのが良い。

    - ある意味、茂本さんのノウハウはだいたいこれで出尽くしてる気がするので、あとは実践で自分なりに磨き上げていく、ということになりそう。(というぐらい、必要十分な情報だと思う)

  • プロジェクトには不確実性がつきもの。

    そんな中でも少しでも関係性や実現性を見える化するため、
    プロセスフローダイアグラムという手法を取り入れたり、
    プロジェクト全体としてバッファを持つことで、
    リスク軽減策を講じることにより、不確実性を減らし、
    プロジェクトを少しでも成功に近づけることが出来る。

    プロセスフローダイアグラムは自分もよく使っているので、
    全体として分かりやすかったし、その通りだなと感じる
    ことが多かったです。

    【勉強になったこと】
    ・プロジェクトの不確実性の源泉
     ①成立しないコミュニケーション
     ②変化する要件
     ③見積もりの難しさ
     ④納期の要請によるプロセスの省略
     ⑤業務改革を伴う

    ・不確実性を乗りこなす3つのアプローチ
     ①不確実性そのものを小さくする
     ②徐々に不確実性を小さくする
     ③衝撃に備える
     どれか1つだけ取り組むのではなく、
     上記全てに取り組むことで不確実性と上手く
     付き合えるようになる。

    ・成功するプロジェクトの前提条件
     ①経営層のコミットメントがある
     ②ユーザー主導である
     ③コミュニケーションコストを惜しまない
     ④QCDが現実的である
     ⑤プロジェクトと戦略の関係が維持されている

    ・いくらベンダー側のプロジェクトマネージャーが
     経験豊富で、能力があったとしても、ユーザー側の
     マネージャーの役割を担うことは出来ない。
     プロジェクトは発注側に大きく権限があるので、
     発注側のマネージャーのスキルアンマッチが起きると
     途端にプロジェクトは崩壊し始める。

    ・関係者へのヒアリングを行う際のプロセス設計に
     有効なフレームワーク:顧客ロードマップ
     ①目的は何か?
     ②誰に聞くのか?
     ③何を聞くのか?
     ④誰が聞きに行くのか?
     ⑤顧客に聞きに行く
     ⑥情報を整理する
     ⑦スコープに組み込む

    ・そもそも進捗管理の進捗率はあてにならない。
     あとどれくらいかかりそうか?といった視点で
     モニタリングしたほうが現実的。
     また、該当タスクに対して想定した時間通りに
     実行出来ているかといったレンジで見るのがよい。
     その積み重ねが計画なので、時間通りではないことが
     多々発生している=遅延が待っていると考えられる。

    ・バッファは個別に積み上げたものを
     全体で管理するのがよい。
     どうしても個々のタスクにバッファがあると思うと、
     ヒトは怠けてしまって、最初からバッファを使って
     しまう。

    ・プロジェクトの振り返りのときは、
     成功体験についても意識的に振り返ること。

    ・プロセス改善の原則
     ①プロセスの大きな変更は、トップから。
     ②全員参加
     ③効果的な変更のために、目標と言行を知る。
     ④変更は、継続しなければならない
     ⑤プロセスの変更は、継続的な再強化がなければ
      途絶えてしまう

  • 良書。プロジェクトに毎回入る前に読み直したい

    プロジェクトマネジメントがなかなか機能しがたいメカニズムと、それに対しての筆者独自のプロセスデザインというメソッドが非常にわかりやすく書かれている。職種によらずプロジェクトに関わるすべての人に、読んでおいて損は無いとオススメ

    プロジェクトが持つ不確実性の源泉は何か?不確実性を乗りこなす3つのアプローチとは?なぜプロジェクトの上位目的を理解すべきか?従来の計画の問題点は?バッファはなぜ食いつぶされるのか?進捗率90%になってからなぜなかなか終わらないのか?

  • 2019年2月3日読了。ITプロジェクトマネジメントを「プロセスデザインアプローチ」の考え方で管理精度を向上できる、と説く本。プロジェクトをWBSに記載されたタスクに分解する前の段階で、「インプット→プロセス→アウトプット」の連なりから成る「PFD(プロセス・フロー・ダイアグラム)」を作成する、というのがそのやり方なのだが、WBSはもちろんインプット・アウトプットを意識して作りはするのだが、単位が細かすぎるためヌケモレもあり得るもので、上位の段階でPFDを作って置くことは確かに有効そう。要件定義の「6R」もいい考え方と思う。進捗を管理する「モニタリング」は考え方はわかるが、自動的に情報を吸い上げてモニタリングシートに落とし込めるようなITツールが必要だな。

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