- Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822261481
作品紹介・あらすじ
患者を苦しめているのは、感染症と病原微生物のように原因が明確な病気だけではありません。診察して検査しても原因が特定できない場合に、どのような説明が有効なのでしょうか。本書が道標になります。
感想・レビュー・書評
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「不明熱の診断学」「内科で見る不定愁訴」と並ぶ、プライマリケアや総合診療現場で頻繁に経験する「発症早期過ぎて、または複雑化しすぎて、本人にも医師にもよくわからない症状を訴える人たち」を相手にする上での強力な武器になると思います。
「内科で見る不定愁訴」のほうが、短時間で即効性のある考え方と対応策を学ぶ上で有用な印象ですが、こちらの本の方がより詳細に詳しく、そして具体例がまたわかりやすくて「深く学ぶ」うえで有用な印象です。過去に読んで気に入ってきた精神科系や医療面接系の本の丁寧な感じに似ています。一応訳書ではありますが、直訳のせいで読みにくい部分は全くなく、日本人によるオリジナルかと思えるくらい私には読みやすかったです。
一定の臨床経験のある医師であれば、読みながら、過去にやってしまった「自分が未熟なせいで患者に与えた不利益」を振り返って建設的な今後の改善策を考えたり、今かかりつけとして「ずっと担当している患者のあの症状」をもしかしたらよくできるかもという期待を抱いたりしながら、あっという間に読み進められると思います。
様々な未分化または複雑な患者を継続的にみる診療所家庭医や、診断困難となりドクターショッピングの果てにたどり着いた患者の器質的異常の評価を担うことが多い病院総合医には必読だと思います。
予習的に読むよりは、これらの外来診療を2〜3ヶ月経験して「不定愁訴、世の中に溢れ過ぎだよ。すげー辛い。でもいい加減ちゃんと対応できるようになりたいという思いもあるっちゃあるんですよね」というタイミングくらいが読み頃かも知れません。
一方で、「オレはベテランだし、そういうのにはたくさん暴露されてもう大丈夫」だと思っている人が襟を正すためにもとてもよいかと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:492.1//B94