- Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
- / ISBN・EAN: 9784822740313
感想・レビュー・書評
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企業が世代を超えて発展していくために必要な要件について書かれています。経営者であれば一度は読んだほうが良いと思うし、読んだことがない経営者は危ういとも言えるかもしれない。
紹介されている企業のほとんどが米国企業なので、イメージしづらい読みづらさはあります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
理念と進化の重要性は変わらない。変わるのは、課題の発見が必要な時代か、と。
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・「ビジョナリー・カンパニー」とは、ビジョンを持ち、同業他社から尊敬される、卓越した企業のこと。
・ビジョナリー・カンパニーの創業者は、概して商品アイデアで大ヒットを飛ばしたりすることに重きを置かない。最も大切なのは、ビジョナリー・カンパニーになる“組織”を築くこと。
・ビジョナリー・カンパニーの経営者の多くは、カリスマとは程遠い、控えめで、思慮深い人物である。
・「基本理念を維持しながら、進歩を促す」こそが、ビジョナリー・カンパニーの真髄。
・基本理念を維持しつつ進歩するため、ビジョナリー・カンパニーは、次の5つのことを行っている。
①社運を賭けた大胆な目標を持つ
②カルトのような文化を持つ
③大量のものを試して、うまくいったものを残す
④生え抜きの経営陣を持つ
⑤決して満足しない -
経営者必読の本と言われる
ビジョナリーカンパニー。
2巻で指摘されている通り、
スケールが大き過ぎて、
まだまだ自分には実用的ではない。
しかし、
生活の中に生かすことのできる部分は沢山ある。
平社員でも部長でも、
どのレベルでもこの本の内容を生かすことはできると思うので、
是非試してみたい。 -
かの経営本名作ビジョナリーカンパニーを読み終わった。
“時を告げる預言者になるな。時計をつくる設計者になれ。”
数多グッドカンパニーとビジョナリーカンパニーを分ける差異はどこにあるのか。本書が突き止めた唯一の真理はつまるところここにある。
どんなときも時間を正確に把握している天才がいたとする。その人に時間を聞けば正確な答えが返ってくる。
けれど経営という視点から見れば、時を告げる一人の”天才”よりも、みんなが使える時計という”仕組み”の方が圧倒的に価値がある。
何十年も業界のトップをひた走り続けている企業は、要するにこの仕組みが素晴らしく充実しているがゆえに、ナンバーワンなのである。
だけど僕は思った。
時計のような目に見える物を作るのと、組織など目に見えない仕組みを作るのとでは勝手が違う。
僕は小さいころこんなことを考えていた。
小学生が遠足などで一列に並んでいるとき、先生が生徒に「帽子をかぶりなさい」という指示を伝えたいとする。
先生は、
「『帽子をかぶりなさい。』後ろに伝えて。」
と先頭の生徒に言うだろう。
すると先頭の生徒は、
「帽子をかぶりなさい。」
と2番目の生徒に伝える。
すると2番目の生徒は、
帽子をかぶるのだ。
僕の言いたいことが分かるだろうか。先生が「『帽子をかぶりなさい。』後ろに伝えて。」と言った場合、生徒が額面通りにその言葉を受け取ったとするなら、「帽子をかぶれ」という命令は生徒2人までしか伝わらないのだ。
そこで先生が、
「「「帽子をかぶりなさい。」と後ろに伝えて。」と後ろに伝えて。」
と言ったとする。
すると先頭の生徒は、
「「帽子をかぶりなさい。」と後ろに伝えて。」
と2番目の生徒に伝える。
すると2番目の生徒は、
「帽子をかぶりなさい。」
と3番目の生徒に伝える。
すると3番目の生徒は、
帽子をかぶる。
ここで終わり。
つまり生徒が額面通りに言葉を受け取った場合、先生は「帽子をかぶりなさい」というメイン情報の後ろに「後ろに伝えて」という情報伝播のためのメタ情報を生徒の人数分つけ加えなくてはならないわけだ。
もちろん先生が全生徒に聞こえるようにでかい声で命令すれば済む話だ。だけど僕が言いたいのは、膨大な量のメタ情報を不随するにしても、でかい声で命令するにしても、それを実行すること自体が実際の組織マネジメントの現場では難しいのだろうということだ。
このあいだリクルート社員が大量に辞職したニュースで、リクルートもかつてのようなベンチャー精神が失われつつあるという記事を見たことがある。
リクルートでさえもあの規模になるとあそこまでの決断をしなければ新鮮な組織風土を保てないのだろう。
少し気を緩めれば腐敗の影が忍び寄るのが人間の性なんだ。
それでは、社員全員が同じ方向を向くにはどうすればいいのだろうか。
経営者がメタ情報を大量に付随して命令するだとか、とんでもなくでかい声で命令するしかないのだろうと僕は思っている。
より末端の社員にまで浸透するようなメッセージをリーダーが発することができるか。
つまり、経営者にカリスマ性は必要だということ。
(本書は経営者にカリスマ性は必ずしも必要ない、むしろ足枷になる場合が多いと主張する。)
本書では、理念の明文化などがキーワードにあげられているけど、僕は、あくまでも僕は、規則のように書かれている言葉よりも、人間の発する言葉の方が心を動かされる。
大企業にはもちろん優秀な人材が集まるので、自発的に企業理念など意識して行動ができる人が多数いる。だけど、肝心の優秀な人材を競合に奪われてしまっては、明文化された理念などあっても絶対にうまくいかないと思う。
事実ピックアップされている企業は、新規参入の難しい業界が多い。そういった業界では優秀な社員を囲い込みやすい。
逆に新規参入の容易なインターネット業界においては必ず経営者のカリスマ性が重要になってくると思う。 -
◆すばらしい意図を持ち、気持ちを奮い立たせるようなビジョンを持っているが、その意図を活かす具体的な仕組みをつくるという不可欠な手段をとっていない組織が少なくない。
ex.ディズニー大学生
◆カルトのような文化
・先見性(ビジョナリー)とは、やさしさではなく、自由放を許すことでもなかった。事実はまったく逆であった。ビジョナリー・カンパニーは自分たちの性格、存在意義、達成すべきことをはっきりさせているので、自社の厳しい基準に合わない社員や合わせようとしない社員が働ける余地は少なくなる傾向がある。
《カルトと共通する点》
* 理念への熱狂
* 教化への努力
* 同質性の追求
* エリート主義
・個人崇拝のカルトをつくるべきだということではない。それは、絶対にやってはならないことである。学ぶべき点は、基本理念を熱心に維持するしっかりした仕組みを持った”組織をつくる”ことである。
・カルトのような文化は、基本理念を維持するものであり、これとパランスを取るものとして、進歩を促す強烈な文化がなければならない。 -
概念として4つ
①時を告げる予言者になるな。時計をつくる設計者になれ。
②ANDの才能を重視しよう。
③基本理念を維持し、進歩を促す。
④一貫性を追求しよう。
かなり古いものではあるが、確かに同じようなことをしていた日本企業もある。理念をつくるなど。
ただ、現在では時を告げる予言者がトップの企業も多く、カリスマ性に溢れる経営者もいる。
少し時代のズレがあるため、シリーズを読んでみたくなった。
そのような経営者たちに、どのような考えを持っているのだろうか。
説明
企業の使命として株主への利益還元がさけばれて久しい。しかし、ジョンソン・エンド・ジョンソンのように企業が奉仕する優先順位として1に顧客、2に社員、3に地域社会、最後にようやく株主という基本理念を掲げる企業がアメリカの経営者から尊敬を集めているのも事実だ。 本書は、アメリカの主要企業のCEOから採ったアンケートによって選び出された18社の歴史に対する6年間の調査から生み出されたレポート。企業を組織する人間が企業内に活力を生み出すのは、カネでは計れない動機づけにあるというシンプルな「真理」が、ライバル企業と比較された各社の資料、エピソードから浮き彫りにされる。著者の1人であるコリンズはコンサルティングも手がける大学教授であるためか、随所に抽象化された概念と企業が取るべき方策が図を合わせて示される。しかし、経営指南よりも、世界を代表する大企業の決断の歴史が斜め読みできる魅力の方が大きいだろう。(青木 明) -
もう四半世紀も前の本ということになるが、普遍的な面もある反面、今ではあてはまらないのではという気もする。1995年だとまだ日本企業の存在感も今よりはあったはずだが、ソニー(とケンウッド)が唯一取り上げられているだけであるなど、米国企業偏重のところはあるが、情報を得にくいというところもあるので、仕方ないところかもしれない。
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本書は、時代を超えてしなやかに生き続ける会社の共通点について考察している。経営理念が、ただのスローガンではなく、経営の判断基準、組織のDNAのレベルにまでなっている会社が、なぜ強いのかについて知ると、「企業の経営者がどこを見て、その企業を経営しているのか」について興味が湧く。