徹底検証日本の三大銀行

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  • 七つ森書館
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784822809997

作品紹介・あらすじ

三大メガバンク──三菱UFJ・みずほ・三井住友もついに!? 銀行はどうあるべきか。問われているのは「良い銀行」とは何か、である。

感想・レビュー・書評

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  • 銀行と企業グループについて、ざっと分かった。

    また、メガバンクだ誕生の経緯がわかった。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、3階開架 請求記号:338.61//O55

  • 「日本の銀行の合併は失敗の歴史」という著者が日本の3メガが、どう三大銀行に収斂していったのかについて述べている。

    マスコミ、銀行経営者、銀行員、その家族、等、世間の人には「大きい銀行は良い銀行だ」という固定観念がある。
    日本の銀行の合併の多くはTOBではなく、経営トップの交友関係、思いつきによる話し合いで決められた。
    生き残りのために戦略のない合併や証券会社の奪い合いをして巨大化した銀行には、かえって規模の不経済が働く。
    バブル崩壊、サブプライム恐慌の原因の根本には金融部門が肥大化して、経済の金融化・証券化が進んでいたことがあげられる。

    にも関わらず、金融コングロマリット化を推し進める3メガ。
    マスコミに「世界最大のメガバンク」と書きたてられた銀行の姿は1929年世界大恐慌以前のアメリカの姿である。

    また著者は、政府による銀行への公的資金注入は国民の税金泥棒であり、金融持ち株会社制度は脱法行為であると説く。
    このような銀行の在り方を根本から変えていく必要があるとして以下の提案をしている。
    ・大きい銀行を小さくする。
    ・銀行(金融持ち株会社の傘下)から信託、証券部門を独立させる。

    全体的にはやはり財閥の影響力は大きいと強く感じる内容であった。
    3メガの歴史や特徴が大半を占めており、解決策が抽象的なものに
    とどまっているため、全体としては問題提起に終わっている感が否めない。

  • 日本の三大銀行の合併の経緯及び、関連する証券会社、信託、保険、商社を含む企業グループの変遷について定性的に分析した本。
    メガバンクの変遷や特色、証券業との関わりについて簡潔に紹介しているので就活生にもおすすめ。
    筆者のメッセージは明確で、“銀行が戦略なしに巨大化することへの批判”という点に集約できるだろう。いかに日本の金融業界に戦略がないか、巨大化を目指すことが“良き銀行”なのかというところは金融に携わる者として考えなければならないと思う。株式会社としての銀行と、本来社会的に求められる役割としての銀行との間には性質的に隔たりがあるのは仕方のないことだが、筆者の指摘が必ずしも正しいのかという点には疑問が残る。実際に筆者が提案している解決策が抽象的なものにとどまっているため、全体としては問題提起に終わっている感があり物足りない。本の後半はややプロパガンダ的なので気をつける必要があるだろう。

    ただ、メガバンクの変遷等分かりやすく解説されているので星は4つ。

  • 奥村先生の本は、メッセージが明確で非常に面白い。
    「銀行は、大きくなることに価値をおいてきたが、大きいことと良い銀行であることは関係ない。むしろ、大きくなりすぎては良い銀行であるのは難しい」ということを言っている。
    最後に、銀行員一人ひとりが良い銀行とは何か、を考え目指すことのできる規模に縮小することを提唱している。

    全体として、3大メガバンクの変遷についての記述が長いが、
    これもシンプルにまとめてあって非常にわかりやすい。

    銀行業務と証券業務の兼業への批判、戦略のない巨大化への批判がつづってあるが、個人的にはホールディングスに対する以下の批判が「まさに」といった印象を受けた。

    ---金融持ち株会社に対する批判------------------
    株式会社の原理はいうまでもなく全株主が有限責任であるということだが、これに対し個人は無限責任を負わされている。そこで個人が一人で全額出資して株式会社を作り、この会社が取引によって損失を発生させたとする。それは、事実上、個人が取引をしているのだが、名前だけは会社の取引にしておく。そこで、債権者に対して支払えなくなって、その会社は倒産する。しかし出資者であるその人は持っている株券は紙くずになるが、それ以上の責任を負わなくて良いということになる。これは明らかに脱法行為である。
    -------------------------------------------------------

    too big to fail も読もう、という気になったw

  • 単純に銀行の歴史、特色を知るためだけなら役に立つ本だと思う。証券にも触れてるので就活中の人にも有益かと。

    それ以外の意見の部分は個人的に疑問符がつく部分が多くてスルー。

  • メガバンクの成り立ちを知れて面白かった。

  • メガバンク3行の成り立ちと、それらを中心とした企業グループについて変遷を辿る。作者なりの考察とか主張とかは何も無いが、カッチリまとまってる感じ。

  • デカイ銀行はやめて小さな銀行にしろという内容。

    小さな銀行の内容については簡単なコメントはあるが、
    それ以外の何も記されておらず、物足りないきがする。

    本書の最後に「今後の金融、銀行のあり方については、それぞれが考えていくしかない。そのため大きな銀行とは何かを示すのが目的だった。」と述べられているものの、事実分析があって、提案が乏しくいというなんとなく中途半端な内容である。

    まぁ過去から現在までの金融とは何かを学ぶのにはよいかもしれない。

  • とりあえず、読んでみようかな、と。
    若干偏ってるような・・・・

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著者プロフィール

奥村 宏(オクムラ ヒロシ)
会社学研究家
1930年生まれ。新聞記者、研究所員、大学教授を経て、現在は会社学研究家。
著書に、『日本の株式会社』『法人資本主義の運命』『無責任資本主義』『東電解体』『パナソニックは終わるのか』『会社の哲学』(以上、東洋経済新報社)、『会社本位主義は崩れるか』『株式会社に社会的責任はあるか』(以上、岩波書店)、『エンロンの衝撃』『会社はどこへ行く』(以上、NTT出版)、『三菱とは何か』(太田出版)、『会社をどう変えるか』(筑摩書房)、『株のからくり』『経済学は死んだのか』(以上、平凡社)、『会社学入門』『徹底検証 日本の電力会社』(以上、七つ森書館)などがある。

「2015年 『資本主義という病』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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