- Amazon.co.jp ・本 (803ページ)
- / ISBN・EAN: 9784826901253
作品紹介・あらすじ
世界を揺るがした衝撃の超ベストセラーは「本当は何を書いた本なのか?」多くの読者を悩ませ楽しませてきた問いに、ついに著者自ら答える序文収録。20周年記念版。
感想・レビュー・書評
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世界でベストセラーとなりピューリツァー賞も取った本、発刊後年数が経って、浅い意味でのAIの実用化が重要性を増してる時代においても全く色褪せることのない内容。
自分とは何か、意識とは何か、誰もが考える壮大な疑問について、天才的な著者の抽象的なイメージ「strange loop」がうまく表現されている。 自己言及や無限階層の不思議さが音楽や絵画、生化学など様々なテーマに共通に現れることを対話篇と織り交ぜながら表現したやり方は他に類を見ず、本書を最も魅力付けている要素であると想像。 意識を生み出している脳も突き詰めていけばニューロンやタンパク質や炭素、素粒子にまで遡ることができるが、それぞれに階層が深く重なり合っており、パターンが自己認識を特徴づけるようなイメージをざっくり読み取った。 長大な書物だが短期間で書き上げられたそうで、一般向け科学書だが求められる教養や理解力は高い。
ホフスタッター博士の考えでは完全な人工知能の創造は原理的に可能であるとのスタンスの模様。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
中心となっているテーマは「自己言及」だが、これが数学におけるゲーデルの不完全性定理、計算機科学におけるチューリングの定理、そして人工知能の研究と結びつけられ、渾然一体となっている。エッシャーのだまし絵やバッハのフーガはこれらをつなぐメタファーとして機能している。著者のホフスタッター自身、本書の中で「これは自分にとっての信仰告白である」といっているように、おそらくこの本は特定の概念を読者に説明するといった目的のものではない。むしろ人間は永久に自分自身に興味をもつことをやめられないであろうという、ホフスタッターの信念をひたすら熱狂的に記述したものとなっている。
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2012/08/10
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途中で少し斜め飛ばしに読んだら分からなくなって、最後まであまり分からないままで進んでしまったところもあるため、いつか再読できる日があるのかはわからないものの、まだ評価できる立場にない。エッシャーとバッハの話から推測するゲーデルの話という感じで、やはり不完全性定理がいまいちわかっていない。。
ただ文章自体は平易で、挿入されるアキレスと亀、時々蟹たちの逸話が本当に面白く、また後続の章の素晴らしいイントロダクションになっているという体は本当に好きだったし、こんなユーモアある文を書けるなんて(そして翻訳できるなんて)と感動しながら、最後まで目は通しました。目を通したという表現が残念ながら一番正しい‥ -
経済学部 上野勝男先生 推薦コメント
『覚悟が必要な分厚い大著です。内容はこの欄ではコメントできないくらい広くまた深いものです。しかし、青春時代の一時をかけて挑戦し読破できれば、その経験と思いでは21世紀に生きるあなたの貴重な財産となると断言できる書物です。夏休みにでも挑戦してはいかがでしょうか??』
桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPAC↓
https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/557083 -
読み物としては「わたしは不思議の環」より面白いのだが、
衒学的で何を伝えたいのか肝心の点が今一つ分かりにくい
のも「わたし─」以上。P.703に載っているエッシャーの
「プリント・ギャラリー」という絵のように、ど真ん中の
部分が描くに描けず空白になっているような印象を受けた。
このホフスタッターの説を受けて、意識や心について研究
発表した学者はいないのかな(苦笑)。「読んでおくべき本」
ではあると思われる。 -
ゲーデル、エッシャー、バッハ
読了
二段組700ページはかったるい
逝きし世の面影と並行して読んでたけど、どちらも分厚かった、、、
エッシャーのこの絵、自己言及型のループをするんだけども、真ん中に誤魔化すように本人のサインが入ってる
それを、自己言及できるシステムの不完全性を描いたもの、ゲーデルの定理の美術的表現、と捉えるところは驚いた。素晴らしい。
本著と同じくらい有名な、20周年記念版の著者による新たなまえがきにある「この本は本当は何を書いた本なのか」というのも自己言及してて面白い。
でも、ちゃんと真面目に読んでいけば、この本が生命や知性が、何もないところからどううまれるか、という本であることはわかる
個人的には、自由意志の存在を疑ってないところとかにいくつか限界を感じたけども、なにせ1979年だかの本としては人口知能や脳科学にもとづく意識への理解が古く感じるのはやむをえない
また、それこそミンスキーから指摘されてたこととして、本当に人口知能が人間に近づいたときには、人間と同じくらい混乱したものになるだろう、というのもその通りと思う
本著での言い方になおすと、人間に限りなく近づいた人工知能には、計算のために電卓が必要になるだろう、という予想。電卓を別機能としてのっけることになるだろう、というのはとても良い直観を感じる。
知的刺激に満ちてて、俺でもなんとか読めるレベルでしたよ -
まだぜんぜん途中。
かなり衒学的な感じがある。ゲーデルの不完全性定理についてはもうちょっとコンパクトな解説を読んだほうがいいかも。 -
ちょろちょろ読み進めていたものの、100ページちょいで挫折。
実際に読んでて面白いし、通読すればさらに面白いんだろうという予感もあるのだが、いかんせん長いし難しいしそもそもゴールがわからない。
まあ、いまはまだ読むタイミングじゃなかったということで、しばらく寝かしておくことにしよう。 -
好き過ぎ。真剣にふざけたでも真剣すぎる知性の遊び。
ついでに、文章が平易なので、一般教養あれば充分に理解できる内容。
この一冊を巡って複数分野の識者がディスカッションしてくれる企画を見てみたい。