胎内記憶: 命の起源にトラウマが潜んでいる (角川SSC新書 41)

著者 :
  • 角川SSコミュニケーションズ
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784827550412

感想・レビュー・書評

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  • 産婦人科医 池川明院長の著書はこれで11冊目。学術的、科学的根拠からアプローチし、統計的なデータを主体としており、本書は、母親向けというよりも、医療従事者向けのメッセージが込められていると思う。

    というのも、赤ちゃんの心身には、バーストラウマが大きく影響しているから。お腹に宿ったときから、赤ちゃんはしっかりと自分の意思も持っているし、様々なことを敏感に察知しているし、全身で記憶している。妊娠中からすでに子育ては始まっているし、家族関係は築いていく必要がある。

    また、お産に立ち会う医療従事者も、赤ちゃんを母親と同じぐらい丁寧に扱い、きちんと意思疎通して、関わりあうことが大事である、

    赤ちゃんがオギャーと泣いて生まれるのではなく、穏やかなブッダフェイスで生まれる世の中になるように。もっともっと世界中に認知されるようになって欲しい。

    「いいマタニティ期」は「いいお産」と「いい子育て」に続き、ひいては「いい大人」、つまり、人生を誠実にまっとうすることにつながっていくのだととらえると、分娩とは単に無事に産めばいいだけではないことが解るはず。

  • 子供の誕生に関して、胎内記憶の話を織り交ぜなから説明がされているため、医学的視点と赤ちゃん視点の両面から、立体的に理解できます。

  • 2008年08月04日 15:28

    胎児がすでに人間としての感情や感覚を持っているということは 
    他の本で読んでいたが 
    それをさらに遡り、受精時や精子・卵子だったときの記憶というのまで存在するという説には驚いた 

    妊娠中、「男の子と女の子、どっちが良い?」という質問をする人に対して 
    「もうお腹の赤ちゃんには聞こえているので、そういうことは言わないようにしているし、どっちでも良いんです」と答えていた 

    「トラウマ」までなるのかは疑問だけれど 
    親のそういった心遣いは生まれた後の子育てにも影響するのではないかと思った

  • 筆者は出生前の記憶が事実かどうか証明するのではなく、子どもたちの証言は基本的に受け入れ、胎児記憶を認めると子育てがどう楽になるかという課題に主眼を置いている。胎教は母親の自覚を促すものだと理解できた。自閉症発症因子が誕生時に集中しているという説も興味深かった。

  • 胎内記憶は半分オカルトのジャンルかもしれないけど、
    胎内記憶の存在を信じることのメリットを書いている。
    あまりに嘘っぱちだと信じる気にもなれないので、信じるための材料としてデータを載せている。と受け止めた。

    胎内記憶の有無を説明しているのではなく、その存在を信じることで母親の精神状態が格段によくなる、延いては赤ちゃんのためにもなる、ということのようだ。
    胎内記憶に懐疑的な人はイラストのふわふわした「お母さんを選んできたよ」的な本よりはこちらのほうが受け入れやすいのかもしれない。

    もっと早くから読めばよかったなー
    選んで来てくれたって思ったらなおさらいとおしく感じるのだろうね。

  • 妊娠したので妊娠関連の本を読み始めている。
    これは早めに読んでおいてよかった。
    大変興味深い。
    安定した気持ちで、いいホルモンを出して、
    子宮に手を当てて言葉かけをしよう、と思った。

  • 映画「かみさまとのやくそく」を見て、感動して購入。子どもはこのママがいい!って言って生まれてきた、とか。子供たちはママを幸せにしようと努力している、とか。なんというか、ママ大喜びな発想には大いに感動しました。が、1ヶ月経つと、これはひとつのエンターテーメント、フィクションだな、というのが私の中の落ち着きどころ。「胎内記憶には共通点がある」というのが彼らの主張ですが、”世界中”の子供たちの胎内記憶に共通点があることを証明してくれたら、これをノンフィクションまたはサイエンスとして評価したい。

  • 『自分で母親を選んで生まれることを決めてくる。』

    これから子供が欲しい人、妊娠している人、すでに子供がいる人。
    すべての人に読んでほしい。

    自分の生まれた意味や大切さ。
    親子関係をより真剣に考えさせてくれる本です。

  • 「ままのおなかを選んできたよ」の一連の話を、学術的にまとめたもの。

  • 赤ちゃんには胎内記憶があるという話しは、最近よく聞かれるようになった。胎内どころか、産まれる瞬間や母親を選んだ時の話しも多いようだ。全部の子供が記憶を話す訳ではないが、うちの弟などは、お風呂で聞いたりしたらしい。すると「お腹の中は暖かだった」と答えたみたい。うちの息子にも聞いてみたいが「神様に言われて仕方なく来た」とか「パパを選んで来た」なんて言われたら母としてはかなりな打撃を受けそうだけど…さてこの本ですが、いささか内容が専門的に書かれていて、読みにくいかもしれません。読むとなると妊娠中か育児中だと思うので、もう少し軽いタッチの他の著者の作品の方が良いかもしれません。でも妊娠中の胎児の様子等が書かれているのですごく勉強にはなると思います。池上クリニック院長が書かれた本ですが、お産の専門家としてスピリチュアルな感覚が出産現場にも生かされてて、そう言う話しは今後の産科業界に一筋の光が見えるようで嬉しいです。

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著者プロフィール

1954年生まれ。帝京大学医学部卒業。産婦人科医学博士。89年、横浜市に開設した池川クリニックの院長。胎内記憶の研究発表がマスコミで紹介され話題に。その成果を医療の現場に生かし、母と子の立場に立ったお産と医療を目指している

「2016年 『いのちのやくそく なんのためにうまれるの?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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