相続の「落とし穴」: 親の家をどう分ける? (角川SSC新書 47)

著者 :
  • KADOKAWA(角川マガジンズ)
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784827550474

感想・レビュー・書評

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  • 良書です。遺言、書いてみようかなと思います。あとは知識も増えました。連れ子に相続権はない、養子縁組にした場合、養親と実親から相続する、など。
    遺言は遺書ではなく、人生の最後に書くものではない。生命保険と同じように元気な時に書いておいて、財産の分け方を記すもの。付言事項は必要。なぜそのような分け方にしたのか、その想いを記すこと。

  • 相続での問題の起き方を解説する本
    相続するものが少なくても分けるのが難しい財産の場合には問題が起きる。特に両親ともなくなったときの相続では紛糾しやすい。

    相続税を払うのは全体の4%。
    原因①兄弟間が平等②子の配偶者③資産価値上昇④生前贈与⑤不動産⑥介護
    一次相続と二次相続、
    話の機会①生前贈与②同居・介護③資産運用④引っ越し
    エンディングノート:学歴職業趣味、信条、友人、家族・気持ち、財産、家系図、宗教、介護、葬儀
    自筆証書遺言、公正証書遺言
    遺言の効果①財産がわかる②分け方が話し合わずに済む③手続きが楽④書いた人の気持が伝わる

    五箇条①相続について家族で話し合う②公正証書遺言③分け方だけでなく理由や言葉④配偶者が全相続、その後売却⑤専門家に相談

  • 相続はこんなことが元でトラブルになりますよ、という点が沢山書いてある。事前に読んでおくと、気をつける参考にはなりそうだが、対処法は書いていない(いろいろあるからやむを得ないが)ので、実際その問題が起こった場合の指針は見えにくい。著者が信託銀行のコンサルなので、事前に相続対策しましょうね、ということなのかも。

  • 相続税だけが相続ではない、あちこちにもめごとの種がある、家はほんとにわけにくい。。。。やれやれ。

  • 文字通り相続について綴った一冊。

    「受け継ぐ資産がない、仲が悪くなくても相続争いは起こる」、「不動産など資産を分けられないものが一番厄介」というのは我が身に当てはまることなので、非常に勉強になった。

  • 全く知識のなかった相続について、事例を交えて簡単に勉強できた.

  • 本書(灰谷健司『相続の「落とし穴」 親の家をどう分ける?』角川SSコミュニケーションズ、2008年9月25日発行)は相続問題をテーマとした新書である。人は一人で生きているわけではないのではない。どのような人にも両親は存在する。それにもかかわらず、「相続紛争なんて金持ちの話で、うちには関係ない」と考える人は少なくない。

    それが誤解に過ぎないことを本書は明らかにする。著者の肩書きは三菱UFJ信託銀行財務コンサルタントであるが、相続対策に信託を勧めるという類の商売っ気はない。何故相続で紛争が起こりやすいのか、紛争を回避するためにはどうすればいいか、を分かりやすく説明する書籍である。

    相続問題は多くの一般人に関係のある問題であり、「普通の家族の相続が危ない」との認識が本書の出発点である。実は「相続で揉めている人は意外に多い」(48頁)。記者の祖母の相続も紛争になっている(林田力「相続紛争で、何でもありの弁護士交渉」オーマイニュース)。現在は相続持分の確認を求めた訴訟が東京地方裁判所に係属中である(平成20年(ワ)第23964号 土地共有持分確認等請求事件)。第3回口頭弁論が2009年2月5日午前10時から東京地方裁判所民事第712号法廷で開かれた。

    相続で揉めている人が多いにもかかわらず、耳にすることが少ないのは「相続というのは究極のプライバシーなので、よほど親しい親戚や友人でも、なかなか立ち入った話をすることはできない」ためである(48頁)。本書では現実に相続紛争が増加していることを家庭裁判所の相談・調停・審判の件数の統計データを引用して立証する。

    著者は相続が揉める理由として「民法改正と権利意識の向上」を挙げる(51頁)。戦前の封建的な家制度の下では、長男が家督を継いで全財産を相続するために相続紛争が生じる余地は少なかった。戦後民主化の一環として民法が改正され、相続人の均分相続が定められた。さらに戦後の平等教育によって、男性も女性も長兄も末子も平等であるという意識が浸透したためとする。

    この著者の主張は一面の真実であるが、全てを説明するものではない。相続人皆が民法の規定に従い、相続人に均分相続させるべきと考えているならば紛争は生じない。紛争は意見が対立するから起こる。相続人の一方は均分相続を期待するのに対し、他方は戦前的な長子単独相続が当然と主張するから紛争になる。その意味で「民法改正と権利意識の向上」は紛争の一因であるが、全てはない。法の下の平等や戦後民法の価値観を受け入れようとしない人々が根強く残存していることも、相続紛争を生じさせる要因である。

    また、本書では血縁の相続人同士よりも相続人の配偶者が口を出すことが紛争を激化させると指摘する(58頁)。上述の訴訟でも長兄の発見した遺言書において、全ての茶道具を血のつながっていない長兄の配偶者に遺贈していることが紛争を複雑にしている。

    本書では相続紛争回避策として、「事前の話し合いが重要」とする(114頁)。これは的を射た主張である。被相続人没後に相続人の一人が遺言書を発見したとして提示しても、被相続人の意思で書かれたものか検証不可能である。そのため、紛争になることは目に見えている。上述の訴訟でも遺言書の有効性が争点の一つになっている。莫大な遺産があるわけでも兄弟仲が険悪でないにもかかわらず、相続紛争が起きてしまう原因が理解できる一冊である。

  • [ 内容 ]
    突然の親の死。
    その後に始まる相続。
    大きな財産がなくても法定相続通り分けるのは大変なこと。
    相続には思わぬ「落とし穴」がある。
    親がまだ住んでいる家、どう分ければよいのか?
    介護や多額の生前贈与がある場合はどうしたらいいのか?
    相続が発生する前に知っておけば、揉めることがない。
    さまざまな事例を紹介し、揉めない相続の基本を学ぶ。

    [ 目次 ]
    第1章 よくある相続の事例
    第2章 なぜ相続は揉めるのか?
    第3章 保険金や香典は誰のもの?
    第4章 家族で相続について話し合おう!
    第5章 受け取る人のための遺言
    第6章 となりの相続

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 相続の落とし穴 訪れるはず!!そのとき困らない為に

  • 角川SSC新書 相続の「落とし穴」

    三菱UFJ信託銀行の財務コンサルタントですが、著書も多くて業界的には有名人の一人。

    この本は新書版ですからそれほどボリュームもなく気軽に読める内容になっています。

    しかし、内容的にはかなりの良書。

    相続が身近に感じられますが、一方で相続に潜むリスクやトラブルの種も見つけることができます。

    突然始まる相続ですが、準備すればいろいろなトラブルを回避することもできます。

    財産を減らさないだけでなく、家族の絆も守ることができるのです。

    この本は、よくある相続の事例をもとに相続を身近に感じることで準備の重要性を世に知らしめることができたのではないかと思います。

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