緑の年の日記

著者 :
  • ベネッセコーポレーション
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784828821184

感想・レビュー・書評

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  • 阿部昭の書くものは(とりわけ小説作品は)、読めば読むほどその「渋味」にやられてしまう。凝った技巧が駆使されて披露されるわけでもなく、現にこの作品にしても種を明かせば「過去の日記を読みつつコメントを付記していく」というたぐいの、まったく「素朴な」小説。なのに、読めば読むほどその「素朴さ」は実は飾りのなさというか、余計な装飾をいっさい省いたアンプラグドの旨味と同義なのだということがわかる。この作品も、若き日の文学青年ぶりを発揮する日記を読み込む著者のその内省を追ううちにぼくたちは得難い人生の妙味を再確認できる

  • 2016/12/28購入

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著者プロフィール

小説家。1934年広島県に生まれ、翌年より神奈川県藤沢市鵠沼で育つ。東京大学仏文科を卒業後、ラジオ東京(現在のTBS)に入社。62年に「子供部屋」で文學界新人賞を受賞。68年に処女短編集『未成年』を刊行。その後、71年にTBSを退社し、創作活動に専念する。73年『千年』で毎日出版文化賞を受賞。76年に『人生の一日』で芸術選奨新人賞受賞。幼少より暮らした鵠沼を舞台にした作品が多く、また、短編小説の名手として知られ、数多くの作品を残している。

「2019年 『March winds and April showers bring May flowers.』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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