- Amazon.co.jp ・本 (116ページ)
- / ISBN・EAN: 9784829505038
作品紹介・あらすじ
鹿児島県徳之島町で開催されたシンポジウム(2009年5月)の全記録。1609年の薩摩藩による琉球侵攻を奄美諸島の視点で再検証する!
感想・レビュー・書評
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1609年、江戸時代初期のこの時期に、薩摩藩が琉球へ侵攻、独立していた琉球王国が幕藩体制に組み込まれた。
この1609年の悲劇が持つ意味を日本人は考えないといけないと述べる。
2009年は横浜港の開港150年で話題になったが、琉球への薩摩侵攻から400年というのは、話題にもならず忘れ去られていると本書では警鐘をならす。
また、薩摩侵攻からわずか1ヶ月で琉球王国が負けたことは何を意味するのか。
力の差は明らか。無駄に抵抗すれば被害は拡大するだけ、尊い人命が損なわれるとの高度な判断があったとする。
太平洋戦争の時の日本にも同じ判断があれば、あれだけの悲劇は怒らなかったであろうとも説く。
なかなか、意味深い書であった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
薩摩・奄美・琉球の各「点」が繋がってようやく「線」になったと感じることができる良書です。
薩摩侵攻400年で幕を引くのではなくて、新しい歴史認識の幕を開けたシンポジウムだったんですね。
最初から書籍にまとめる予定で開かれたシンポジウムなので、すべて収録されていますが、その場で聞いてみたかった。
弓削さんの基調講演も、これまでお話を聞いていましたが、非常にわかりやすい内容です。
奄美の歴史を知っているつもりの方に、沖縄・鹿児島の方にも、今一度、既に知っているつもりの地元の歴史を考え直すためにもお勧めします。