宗教なき時代を生きるために

著者 :
  • 法蔵館
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784831872258

作品紹介・あらすじ

自然科学も宗教も「生きる意味」を教えてはくれない-科学者への道を断念し、神秘体験に出遭い、精神共同体の甘い罠をくぐり抜けてきた著者が、学者の肩書きをかなぐり捨てて、この時代を自分らしく生き抜く方法を考える。森岡「生命学」シリーズ第一弾。

感想・レビュー・書評

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  • 「オウム事件」を見てしまった「私」は、
    宗教なき時代において、科学に真理を求めることもできず、かといって「宗教」を信仰することもしない。
    しかし、「宗教性」そのもの自体を否定するわけではない。
    このことは、1章で繰り返し誤解のないように語られている。

    オウムと尾崎豊はつながっている。
    両者とも、「癒しの共同体」という偽りのでっち上げによって挫折したが、
    著者は孤独を受け入れつつ第3の道を探してゆく。

    そこで語られるのは「煩悩の哲学」、等身大の自分と向き合っていく、ということであるという。

    現代に対する深い、深い問題意識が感じられた。
    そして大きく共感したものの、自分にはどこかでやはり「いや、まだ道があるのではないか・・・」と思いつつ・・・。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/27960

  • 宗教に頼らず自分で考えて生きていく。緩やかな他者とのネットワークを通じて。森岡の自分をさらけ出し書くスタイルはとても誠実である。自分の子供にイラついて物を投げたくだりとかは凄まじい。尾崎論というものを初めて読んだ。そういうことだったのかと納得。

  • タイトルからして俯瞰的なものかと思ったら、存外著者の叫び声が直接聞こえてくるような本だった。俗世と神聖の境界にいる人は一読推奨。

  • 「無痛文明論」への流れがよくわかった。
    一番最後のページにパソコン通信についての記載があり、時代を感じる。

  • オウムと尾崎の話が面白い。
    かなり熱っぽいのが特徴か。

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著者プロフィール

1958年高知県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。大阪府立大学にて、博士(人間科学)。東京大学、国際日本文化研究センター、大阪府立大学現代システム科学域を経て、早稲田大学人間科学部教授。哲学、倫理学、生命学を中心に、学術書からエッセイまで幅広い執筆活動を行なう。著書に、『生命学に何ができるか――脳死・フェミニズム・優生思想』(勁草書房)、『増補決定版 脳死の人』『完全版 宗教なき時代を生きるために』(法藏館)、『無痛文明論』(トランスビュー)、『決定版 感じない男』『自分と向き合う「知」の方法』(ちくま文庫)、『生命観を問いなおす――エコロジーから脳死まで』(ちくま新書)、『草食系男子の恋愛学』(MF文庫ダ・ヴィンチ)、『33個めの石――傷ついた現代のための哲学』(角川文庫)、『生者と死者をつなぐ――鎮魂と再生のための哲学』(春秋社)、『まんが 哲学入門――生きるって何だろう?』(講談社現代新書)、『生まれてこないほうが良かったのか?』(筑摩選書)ほか多数。

「2022年 『人生相談を哲学する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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