今どき儲かる商店街: 「趣味で始めた小さなお店」が小売業を再生する (ピンポイント選書)
- プレジデント社 (2008年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
- / ISBN・EAN: 9784833418928
感想・レビュー・書評
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ショッピングモールは、地域住民の総意でできた総合的な市場。商店街は、詮索される、干渉される、厚かましい。話しかけられなくても、その場に居ていい、そんな雰囲気を作り出すことが必要。「対面を嫌う消費者」。地域密着型は、地域の人が必要な欲しいサービスやモノを提供すること。ひとりずつを監視して粘着することではない。
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なるほどと納得がいく:消費者心理〜ゆめタウン出雲は地元から歓迎され,買った商品を使う場としても考えられている。岩手県北上市の江釣子ショッピングセンターは東北道のICから1分の場所に地元商店組合が提案し大型店と手を組み5年に1度テナントを入れ替えている。那覇市の牧志市場は闇市から起こり観光客にアピールして地元住民の呼び戻すことに成功。島原市の漁人トットットは流通しない魚を売る場を提供しているがこれから正念場。一村一品では浸透力がないから一県一品で特化して世界中から買い物客を呼べるように日本列島を一つの商店街にすることも可能だ〜あきんど議員はコミュニティーが大事だと言うが,今の人々のコミュニケーションは変化しており,鬱陶しいのは敬遠される。高度成長期,郊外型のスーパーマーケットやショッピングセンターが急成長し,商店街は衰退した。日用品はワンストップで匿名性の保持される場で購入し,こだわりのあるものは特定の場まで足を運んで購入する。インターネットも発達している今,コミュニティの再生を叫ぶのは的はずれだ・・・って確かに!
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地方の商店街が衰退している事実について、
・地元商店街での買い物は財布の中をのぞかれるプライバシーのない消費になってしまっている。
・さらに買わなくてはならないというプレッシャーもあり、うっとうしさも生まれることになる。
・コミュニティーのプラスばかりが強調されるが、所属したくないコミュニティもあると言うのが地方で暮らす人の本音であろう
・そういうこともあり、大型店を求めているのは地域の住民である。
と言う分析をしている。この分析は非常に的を射ている。決して便利さだけではなく、買い手の心理の変化に追いつけていないのだ。
個人商店街が変化のないものであるのに対して、ショッピングモールにおいては店舗の入れ替えも頻繁に行われる。常に変わっていくことが出来るのは大きな利点だ。
返す返すも、地方都市の商店街については展望があまりないように思えてくる。かつての徒歩圏内に存在した小規模な商店は流通の発達した今日、役目を終える必要があるのかもしれない。
とはいえ、ではなくなってしまえばよいのかというと、現実的にもそういうわけにはいくまい。筆者は観光型商店街を提案するがそれもまたどこでも出来るものでもあるまい。素人意見でなんだが、個人的には商店街ではなく市場のような形態に変わっていくのがふさわしいように思う。個人商店がここに配達をやっていてもコストがかかるだけだ。あるいみ仮想スーパーマーケットのようなものだ。しがらみもあるかもしれない、しかし本気で変わる決意がないと再生は難しい。
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類書と明らかに違う衝撃の一冊。自己満足型商店街振興はこうして失敗する