幸福な食堂車 ― 九州新幹線のデザイナー 水戸岡鋭治の「気」と「志」

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  • プレジデント社
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833420143

感想・レビュー・書評

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  • 基本的に 整理、整頓、清掃、清潔、しつけ
    の5Sをどこにでも、持ち込むという。
    デザインとどう関係があるの?と
    読み進めると、なるほどと納得。

    「感性の災害」
    統一感もない色彩、整理されてないサイン
    不要な看板やポスター

    会社や家のなかもそうだよなぁ、と
    今更気がつく。


    コンセプトとは志
    心、気持ち、思いを形にするのがデザイン


    こんな幾つかのフレーズ。


    読後、
    すごい、の一言。
    妥協することなく信念もって仕事する人に
    ついていくんだな。

  • ななつ星など、ユニークな列車のをデザインした水戸岡鋭治氏の半生が綴られています。列車から駅舎、町おこしのことも考えながら、お客様のために心血を注いでデザインする。
    アイデアは降って湧くものでなく、子どもの頃からの経験がアイデアとなるなど、彼のデザインや仕事に対する考え方が詰まった本です。

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB09847452

  • 20210426読了

  • トータルプロデュースの仕事がわかった。

    食堂車のあるJR九州の特急に乗りたいと思った。
    今年行こう

  • 斬新さで評判になった九州新幹線のデザインを行ったデザイナー水戸岡鋭治さんの経歴、デザインの考え方、業績、関係者との関わりなどをルポルタージュ風にまとめた本。深く関わっているJR九州の列車デザインの思想と舞台裏を紹介している。
    帰省した際によく乗ったJR九州の列車は、1990年代頃からユニークなデザインになり、印象が大きく変化したのを覚えている。特に特急つばめは、とても居心地が良くて評判になっていてよく利用した。この本で、そのデザイナが九州新幹線のデザイナーである水戸岡さんだったということを知って、納得しました。彼は自然をモチーフに顧客がいかに居心地良く、楽しく移動できるかという観点で商品をデザインしています。コンセプトは明確で、顧客の目から見れば受け入れやすいデザインだけれど、車体や建物の設計屋とはかなり軋轢があったらしい。それまで良いこととされていたのを否定されるのには、どの世界でも抵抗があるのだろう。しかし、確固としたポリシーと実績で相手と協調しながら、自分のデザインを具現化させていく彼のやり方には、デザイナーとしては勿論、ビジネスマンとしての能力の高さを感じます。自分にとって気持ちが良いアイデアは、利用する人達も同じ=顧客目線でデザインすれば必ず成功するという自信もあるのでしょう。
    ちなみに彼がプロデュースした鹿児島の笠沙恵比寿という施設に遊びに行ったことがあります。地方の漁村の中にあって、建物や敷地が垢抜けていた感じの印象的な造りでした。

  • 九州で鉄道旅行をしたくなる本!
    新しいものはこんな風にして産み出されていくのだなあと感慨深い。
    そこにあるのは幾人もの”ヒト”と”情熱”。
    しかし、国鉄(大きな組織)では出来なかったであろう。
    水戸岡さんは職人気質のデザイナーさんって感じで、いいなと思う。

  • 九州へ行きたくなりました!
    いろんなスタイリッシュな?車両があるんですね…九州以外には展開するのは厳しいんでしょうね(^^;

    教訓になったこと。自分に置き換えて戒めないと…

    ・そこには日本が抱える問題が潜んでいる、と水戸岡は考える。日本ではおうおうにして発注する側がもの を考えない。つまり、発注する側が製作メーカー側に考えることとつくることの両方を丸投げしてしまうの である。発注する側が考えさえすれば、ものは安くな るのだ。それはすなわち、日本のエリートが働かず、 決定する行為を避けるということでもあった。自己責 任をとらないことを優先する教育のため、日本のエ リートは決定することから逃げる傾向にある、と水戸岡はみていた。

  • 実物を見に九州に行ってみたくなった。
    これほどの人がいまだに『自分は優秀じゃないから、常に鍛えていなければならない』と日々精進しておられると思うと、自分も日々勉強だなと。

  • 感動は、注ぎ込まれたエネルギーの量に等しい。

    「ビートル」
    だからクロ。
    公共物は中間色、異質なものは目立たないほうが良いという発想を覆した。
    ジェットフォイルの走るしぶきを見せるよう、客室の後ろをガラス張りにした。

    787型特急「つばめ」
    JR各社は改革第一主義で、古い名称「つばめ」「さくら」へのこだわりがなかった。

    旅における食の記憶を大切にしたい。
    食堂車は五感を刺激する場。
    だから、空間の見え方だけでなく、木のぬくもりのような感触にも執着する。
    建築空間をつくっていく感覚で、街並みや住宅、マンションを車内に持ち込む」

     ガラスの壁(一部はポリカーボネイト)
     御影石の床(エンボス加工で滑りにくく)
     木材(アルミに0.2mmの板突き板)
    と、いった工夫で問題を解決。

     桜の一枚板のテーブルとドーム天井のビュッフェ。
     荷物棚は蓋付き。間接照明。
     椅子の一つ一つから、女性乗務員の制服まで全てデザインした。
     エクステリアは1990年代前半当時、クルマで流行していたガンメタ。

    「つばめ」
    N7カモノハシとは真逆の美しい顔。不採用案だったもの。これに長さ2mの縦目をつけた。
    トンネルが7割と多いため、室内空間を重視し、九州のヤマザクラを採用。ロールブラインドにも。
    客席の仕切りには鹿児島のクスノキ。
    洗面所の縄のれんには熊本の藺草。
    椅子だけは、コストの関係で北海道のカバザクラ。
    シートは博多織を検討するが、耐久性と色彩で、西陣織を。

    入り口デッキはダークな柿渋色にダウンライトで暗く。
    客室に入ると、明るい空間が広がるように。
    車体はマンセルN9.5の白。実現可能な最高の白色。

    日本社会の停滞は「働かないおっさん」にある。

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