日本の論点

著者 :
  • プレジデント社
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感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833420624

作品紹介・あらすじ

「消費税」「憲法改正」「景気対策」「TPP農業問題」、時代に通底する問題点をわかりやすく解説!

感想・レビュー・書評

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  • 日頃、“たかじんのそこまで言って委員会”や“ザ・ボイス〜そこまで言うか!〜”などの時事経済番組(その類のバラエティ)を楽しく視聴している人間にとって、
    彼の書籍は本当に興味のストライクゾーンであり、面白くてたまらないはずだ。一方で、物事をある側面から断定的に一刀両断する、つまり主張の強すぎるオッサンが
    嫌いな人にとって、彼の書籍は嫌悪以外の何物でもない。

    僕は前者の様な人間であり、筆者と同じくらい自己主張の激しい父親のもとで躾けられていたため、違和感なく彼の著書を楽しめている。しかしまぁ、そんな僕が読ん
    だとしても、今回の自己主張はいつになく激しい。「だからあいつはつまらない!」「ほら、あの時から言っていたじゃないか!」およそ民意を味方につけることなど
    不可能な筆者の自己主張のオンパレードは、堀江貴文氏程度であれば4〜5人をまとめて論破しそうな勢いすら感じられる。御年70歳、このファイティングスピリッツは
    三浦雄一郎にも負けず劣らずだ。だが、そんな自己主張を拒絶するがごとく本書の評価を著しく引き下げる輩には全く納得がいかない。これまで彼が主張し続けてきた
    事柄事態は、恐ろしく現実的でシンプル。是非に実行に移してみたいものばかりだ。例えば、

    日本企業は研究開発から製造、販売までのワンセットで単品のヒット商品を生み出すビジネスにこだわってきた。自社ブランドでラジオを作り、テレビを作り、カメラ
    を作ってきた。しかし、長年手塩にかけて開発してきたそれらの製品は、今やすべてスマートフォンのアプリになり、アイコンに収まる時代になってしまった。
    「あなたの会社が30年かけてやってきたことを集約するとこのスマホの3つのアイコンです」と経営者に言っても理解できない。〜04.下請けなのに、なぜ台湾企業は強いのか〜

    観光立国を目指しながらも“一泊二食付き”などというサービスを押し付ける旅行会社。海外からの旅行者は食事の場所も自ら探して決めたいらしい。また、朝は9時
    までに朝食をとらなければならず、10時ごろにはチェックアウト。そうでなくても隣の部屋の掃除が始まり、掃除機の轟音が聞こえてくる始末。日本人の様にあわただ
    しくホテルを飛び出し、絵葉書で見た風景を“確認するためだけの様な旅行”を好む旅行者はいない。どうしてもっとサービスを“ディスカバリー型の旅行”“滞在型
    の旅行”へシフトしないのか。〜06.世界の滞在型旅行業は自動車産業より市場規模が大きいより〜

    本書は、ここに引用し始めると、一冊丸ごと書き写したくなるほどアイデアに満たされている。もちろん、著者がこれまで書き溜めた記事の紹介であるため、知ってい
    る人からすれば特に目新いものではない。ただ、どうやら僕は、“この書籍を同僚に勧めなければならない!”といった使命感を感じているようだ。本書を読んで損な
    どあるはずない。

    現実的には、実行に移すための障害が多すぎる著者のアイデア。多くの利権を無視し、日本を代表する経済人たちをこき下ろし、政治家を揶揄する。これさえなけれ
    ば・・・いやマジで、これさえなければ・・・でも言っちゃう(笑)自己主張の強さがあだになっていることは間違いないとしても、せめて愛弟子の橋下徹市長にはほ
    んの一部でいいので実現して欲しいものだ。自己主張の強さは真似しなくて結構。

  • 『ビジネスマンはこのレベルの知識を持ちなさい』と書いてある帯で買った本。雑誌に掲載されているコラムを抜粋して編集された本なので、別の本で主張している内容がちょくちょく出てきていたが、やはりこの人の話は説得力がある。どの話もとても興味深く読むことができた。もはや国境など存在しない世界において、日本の中でぬるま湯で浸っていてはダメで、自分ももっと世界に目を向けて、感性を磨かないといけないのかなと思った。

  • ユニクロの社長との本と同じで目次だけ読めばいい本だった

  • 日本の問題に対して大前氏の考えが書かれた本。特に経済の考え方、日本企業の置かれた立場、中央機関や政治家に必要な力の部分が勉強になりました。

  • ジャックアタリ氏と登山家三浦雄一郎氏との対談形式の内容が一番面白い。
    後の部分は他の著者の本を読んでいればあまり真新しいことはない

  • 1

  • 著者のアグレッシブな正論は健在。

    ただ、著者には、「消費は美徳」「金を使うことは楽しいはずである」という大前提があるようだ。

    老いてますます盛んなことはけっこうだし、うらやましいけれども、その前提はほんとかしら。

  • アイディアを小出しにして、日本の経済を活性化させていく

  • 書かれていることは正論で最もだろう。ビジネスマンとして、このような知識は持っているべきだと思う。ただ、正論すぎるが故になかなかこの通りに事を進めることは難しいと思うけど、こういう大上段からみたvisionは必要だね。まさにちょっと前に読んだ「未来は言葉で作られる」のように。

  • 仕事で公共事業に関わるようになったため、大前研一氏の主張が前よりよく実感できるようになった。

    日本だけがとりたててダメとは思わず、なんだかんだいいつつもこれだけ平和な社会が保たれているのはすごいと思う反面、何がトリガーになって崩れるのか分からないというような危惧をはらんでいると言う事なのだと思う。

    最後の方に”営業に元気が無い=>営業が元気になるようなプログラムを作るべきだ”というのでは、ただの出来の悪いコンサルタントと同じであるという表記にちょっと笑った。公共事業関連では、出来の悪い自称コンサルタントばかりだよ・・。

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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