グッドリスクをとりなさい!

著者 :
  • プレジデント社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833421133

作品紹介・あらすじ

わずか13人のベンチャーは、なぜ総資産9兆円を超えたのか?元祖エリートビジネスマンの門外不出の仕事術。

感想・レビュー・書評

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  • オリックスのカルチャーを知りたくて、宮内さんの本を手に取った。

    今でこそ大企業で福利厚生も手厚い会社になってるけど、ベンチャースピリット溢れるチャレンジングな会社だと思った。

    宮内さんは現状のオリックスに不満がありそうだけど。

    大企業でベンチャーみたいに働く、をテーマに僕も頑張ってみようと思う。

  • 若いうちに読んでおくと、会社生活をより充実したものに出来ると思う。

  • 大企業の社長業をこれだけ長く続けている というのはある意味、稀有な存在かもしれ ない。 64年に現双日に入社され、オリックスの分割後、80年に同社代表取締役に。 以降約四半世紀に渡り社長として舵を切っておられる。

    隣地拡大作戦として、顧客の事業環境整備にガンガン踏み込んでいくストロングスタ イルが印象的。

  • 全編にわたって納得感が高い一冊。バブルに乗らないことは、ビジネスチャンスを逃すことになるというあたり、勝負師だな。ところどころにあった具体的な話が面白かったので、もうちょっとディテールが読みたい感じ。

  • オリックスの前会長兼CEOで、現シニア・チェアマンの経験を踏まえた若手ビジネスマンへのメッセージ。
    ミクロとマクロ、専門性と大局観、時代の流れに乗りながらも状況を疑う、仕事・会社を通じての貢献、世界に目を向けつつ歴史に学ぶ。
    ポイントは分かりやすく、熱意の大切さを感じる。
    ただ、エピソードや感情表現が少ないので、著者自身の熱さは直接的には感じにくかった。
    15-28

  • ●チャレンジするということは、とりもなおさず「リスクをとる」ということ。失敗を恐れていてはなにごとも始まりません。リスクをしっかりと受け止めつつ前に進むことで、新しい道が開けます。一歩前へと踏み出すことに不安を覚える人もいるでしょうが、何もしないでいることこそリスクと考えるべきです。なぜなら、動かないまま手をこまねいているうちに世の中の変化に対応できなくなる可能性があるからです。しかし、やみくもに突っ走ればいいかというとそうではなく、とるべきリスクをみきわめることが大切。自分にとって価値あるリターンが期待でき、仮に失敗したとしてもその経験が将来への糧になるようなリスク、すなわち「グッドリスク」をとることを目指していただきたいと思います。

    ●「答えのない質問」をみつけることが大切
    今の教育の場では、何よりもい点数を取ることが求められます。つまり、試験で示される「質問」には必ず正しい「答え」があって、それをいかにたくさん自分の頭の中に詰め込むかが、学歴社会で生き残る条件となるわけです。しかし、実社会では「答えのない質問」、つまり簡単には答えが見つからない問題のほうが圧倒的に多い。質問には必ず正解があると思い込み、また、質問そのものも外から与えられるという発想になれてしまっていると、問題そのものに気づかないという事態にも陥ります。今の時代、何よりも必要なのは「質問を見つけること」、つまり、何が問題なのかをしっかりと見極めるということです。

    ●世の流れを読み取る「大局観」を身に着ける
    会社組織では上に行けば行くほど、会社の社会における立ち位置を見誤らないようにして、決定を下していかなければなりません。それこそトップともなれば、専門性よりも、今後進むべき方向をしっかりと見据え、的確なジャッジを行うための大局観が重要となってきます。大局観を身に着ける方法は一にも二にも勉強。世界の歴史をひもとき、さまざまな情報を駆使して現在の世界をしっかりと見る。本を読んだり、人と会って話すといったことが挙げられるが、時代の流れや社会の変化を大きく捉えるには、場合によってはメディアなどから得られる、きれいに整理された情報は思い切って全部捨ててしまうことも必要かもしれない。

    ●この会社は「自分たちに安定をもたらしてくれる存在」と捉えていたら困ったこと。会社を自分のものではなく、社会から預かっているものと考える。会社から支えてもらうのではなく、自分が会社を支えていこうという思いが強くなれば、本当の意味で「自分の会社」であるという実感をもつことができるようになる。

    ●英語を知れば世界につながる
    世界の人口に日本人が占める割合はわずか2%ほどで残りの98%とコミュニケーションを図るには、残念ながら日本語ではなく「世界語」である英語を使わねばなりません。グローバル化が進む今、ほとんどすべてのビジネスは海外とつながっていくでしょう。英語によるコミュニケーション能力なしには世界と対等に渡り合えなくなりますから、若いうちに英語を勉強することは必須なのです。これからの時代、言葉の壁は想像以上にグローバル化の障害となり、コミュニケーション上のハンデは、多くのチャンスを逸する要因にもなることでしょう。英語をはじめとする外国語の習得を避けてきた人も、今こそ思い切ってチャレンジしてみるべきです。

    ●ビジネスには「志」が必要
    企業の目的とは、社会の期待に応えること以外にはない。今までになかった新しいもの、今までと比べてよりよいものを社会に提供してこそ、存在意義があるのだということ。言い換えれば、新しい価値を創造するのが企業としての務め。それができなければ、起業などする必要はないものと思います。ましてや、お金儲けなどは二の次と心得るべき。

    ●企業活動というものは「時代」と「技術」、そして「社会システム」という3つの要素から、進むべき方向が見えてくるもの。業種によって、それぞれの要素との接点から大きく異なりますので、それを正確に読めるかどうかが事業の成否を決することになる。自社の事業にかかわるようなソリューション、イノベーションの動きはないか、制度面や人口、生活習慣といった、消費行動全般に影響を与えるような社会構造上の変化が起きていないか、といった視点も踏まえて、時代を読み解いていくことが必要だということ。

    ●グローバリズムの中の日本
    グローバリズムの時代になったといわれても、「みんな世界市民、仲良くやろう」という方向に向かっているかといえば大間違いで、その実情は仲良くどころか国家間の熾烈な競争が続いており、日本は90年代から20余年負け続けているのです。ビジネスの現場も、グローバル化の波の中で厳しい競争にさらされています。その中で勝ち組に鞍替えしたいなら、自らを奮い立たせて国際競争の荒波の中に再び挑むしかないのですが、多くの企業は日本を覆っている閉塞感、無力感をなかなか払拭できずにいます。そこでいつも気になるのは、停滞の原因がすべて政府など外側にあって、国が何とかしてくれないから自分たちが苦境にあえいでいるという考え方です。
    何よりも今、日本人に求められているのは、国に頼らず自らの足で立ち、自らの力で未来を切り開いていこうという気構えではないかと思うのです。いつまでも他力本願では、ますます厳しくなる国家間の競争に打ち勝つことはできません。企業の力だけで現状を打開できる局面では、精一杯努力してイノベーションを起こし、効率化、活性化を図るべきなのです。

    ●居心地がよすぎる大都市・東京
    目を世界に向けてみると、たとえばアメリカで政治はワシントン、経済はニューヨークというように分散していますし、イギリスでもオックスブリッジという言葉があるように学術研究の中心がロンドンにあるわけではありません。それが日本ではすべてが東京に集中してしまっているのです。このことは日本にとって大きなリスクとなるものです。東京への一極集中は攻めの意欲をそぎ、災害時の都市機能停止などのリスクを高める。

    ●「人生で最も大切なものとは?」
    私は迷わず「時間」と答えます。時間は誰にでも平等に与えられているだけに、なかなかそのありがたみを実感できません。つい無駄に浪費してしまいがちですが、だからこその活かし方次第で、人生の充実度は大きく変わってくると思います。
    ややるべきことに優先順位をつけて、重要度の高いものから時間を割り振っていくということ。情に流されず冷静に自分のやるべきことを見定めて、その仕事に必要なだけの時間を割かなければ、結果を導くことができません。時間を巧みにマネジメントすることで、大切な仕事に集中できる状況を自ら作っていくことができます。会社内でのポジションが上がれば上がるほど、このことは重要となってきます。

    ●多様性が企業の強みになる
    日本社会は多くの場合、はみ出し者を嫌います。とにかく和を乱さず、みんなで仲良くしようとします。上に立つ者もそれを求めているところがありますから、日本の社会では多様性が育ちにくいのです。しかしこれからの脱工業化社会=知識社会では、そのようなスタンスでは企業が生き残るのは難しくなります。上が「右向け右」と号令をかけたときに、素直に右を向く社員ばかりでなく、左や上や後ろを向くような者もいないことには、今後は立ち行かなくなるでしょう。異質な意見を投げかけて旧態依然の組織を揺さぶってくれるような、多様な人材が必要になるのです。

    ●リーダーの責務とは、チームのパフォーマンスを最大限に発揮すること。メンバー一人ひとりに働きかけ、全体のエネルギー量を最大限に引き上げることにほかなりません。そのためにリーダーは「専門性」と「人間力」を高めることに尽きると考えています。リーダーに必要な「人間力」を磨くには、人に興味をもつこと、それに加えて「自分自身の人生を大切に考えること」。自分を向上させようと常に懸命に生きている人ほど、まわりの人たちに対しても向上してほしい、誠実に生きてほしいと考えるもの。その気持ちが組織のメンバーにも自然に伝わり、リーダーへの共感・信頼感が育まれ、チームのパフォーマンスを高めることにつながります。優れたリーダーがいる組織に共通しているのは、内なる人間性が意図しなくても表に現れ、それが巧まずしてまわりの人間を突き動かし、チームとしての成果を導き出すということだと思います。よきリーダーになるには王道はない、と心得てください。

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著者プロフィール

1935年神戸市生まれ。
64年オリエント・リース(現オリックス)入社。70年取締役、80年代表取締役社長・グループCEO、2000年代表取締役会長・グループCEOを経て、14年シニア・チェアマン就任、現在に至る。
これまで総合規制改革会議議長など数々の要職を歴任。現在、日本取締役協会会長、新日本フィルハーモニー交響楽団理事長などを務める。

「2022年 『体験的ガバナンス論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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