日本電産永守重信社長からのファクス42枚

著者 :
  • プレジデント社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784833422062

感想・レビュー・書評

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  • 現在経営コンサルタントとして活動する著者が、日本電産在籍時にカリスマ経営者と呼ばれる永守重信氏からもらったFAXを通して氏の経営の真髄について書いた一冊。

    著者が日本電産からグループ会社に派遣された7年間に受けた永守氏の薫陶から氏が残してきた功績を知ることができ大変刺激を受けました。
    1番にこだわることや経営者が率先して主導することなど経営において外すことのできない根幹の部分と納期のスピードにこだわることや営業を主役の会社にすることなど技術的な部分を叱咤激励しながら浸透させていく永守氏の手腕には読んでいて脱帽しました。
    あと、著者が在籍した日産のゴーンと永守氏の経営の手法の比較は読んでいて非常に興味深いものでした。
    また、週間管理や意識改革の順序など図解を用いてわかりやすく説明もされていて勉強になりました。

    本書を読んで、印象に残ったのは2割の社員支持があれば改革はできることや当事者意識の浸透の部分については印象に残りました。
    また、経営者は末端の数字まで把握することについてはコスト意識を高めると感じると思い印象に残りました。

    経営の舵を切る人間が本気を見せることでその背中から上意下達していくということを改めて感じ、リーダとしての振る舞いについて勉強することのできた一冊だと感じました。

  • いくつか参考にしたい言葉もあった

  • 50社以上のM&Aを行い、今まで1社の例外も無く1年以内に黒字化させてきた実績を持つ永守重信社長。しかも、資産の切り売り、人員整理も一切行わずにである。

    その秘訣は、意識改革にあるという。赤字会社は、どの会社も判で押したように同じような特徴を持っている。社員は下を向いて仕事、慢性未達病、負け犬根性、負け戦慣れ。これらを変えるのである。

    「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」の日本電産カルチャーを伝播させるのである。最も重要なのが、経営者による集団への価値観の刷り込みであるということだ。

    時間をどう使うか。
    モーターのサンプルの事例が鮮烈である。普通は1ヶ月程度かかる試作品を、日本電産は1週間でつくって届ける。業界の常識を外れたスピードである。当然、顧客側でもスピードは上がり、必然的に設計は日本電産のモーターをベースに進む事となり、大手を押しのけて受注することとなる。

  • 50社以上のM&Aを行い、今まで1社の例外も無く1年以内に黒字化させてきた実績を持つ永守重信社長。しかも、資産の切り売り、人員整理も一切行わずにである。

    その秘訣は、意識改革にあるという。赤字会社は、どの会社も判で押したように同じような特徴を持っている。社員は下を向いて仕事、慢性未達病、負け犬根性、負け戦慣れ。これらを変えるのである。

    「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」の日本電産カルチャーを伝播させるのである。最も重要なのが、経営者による集団への価値観の刷り込みであるということだ。

    時間をどう使うか。
    モーターのサンプルの事例が鮮烈である。普通は1ヶ月程度かかる試作品を、日本電産は1週間でつくって届ける。業界の常識を外れたスピードである。当然、顧客側でもスピードは上がり、必然的に設計は日本電産のモーターをベースに進む事となり、大手を押しのけて受注することとなる。

  • 赤字会社を1年で建て直すために永守社長が心がけている42の気持ち。
    なかには時代に即していないというものや、働き方改革などとは逆光するような考え方もある。
    会社を再建するには無駄をなくし、他社より効率的に働くことだということが書かれている。
    こう書くと当たり前のように感じるが、経営界のイチローのような方に言われてしまったら納得せざるを得ない。
    言うは易し、行うは難しですね。

  • ★2017年1月8日読了『日本電産 永守重信 社長からのファクス42枚』川勝宣昭著 評価B

    24時間働くことを是としていたモーレツビジネスマンの典型だった永守会長が、最近ライフワークバランスを言い出した。これだけドラスチックな物言いを変える人も珍しい。ちょっと興味を持ったので、読んでみた。

    ★会社を変えよ!それがスタートだ
    1 一番以外は皆ビリや
    2 一番にならなければ本当の経営はできない
    3 一番になれば取引先の態度も変わる
    4 能力差5倍、意識差100倍
    5 意識改革を徹底せよ。それが企業カルチャーになるまで
    6 自慢話が飛び交う会議にせよ
    7 当たり前の事を当たり前にやれる会社にせよ

    ★スピードこそ最大の武器
    8 時間は万民に平等に与えられている条件。これをどう使うかで、勝負は決まる
    9 QCDは当たり前、QCDSSSでダントツにせよ
    10 「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」
    11 黒字化・再建は1年以内に達成せよ
    12 私と「経営感性」を同期化せよ
    13 見積もりは24時間以内に出させよ

    ★徹底する会社は、、気持ちが良いものだ。
    14結果報告は○✖️▲だけでいい
    15 仕事、同じやるなら本腰入れてやってごらん
    16 脇は甘くないか 経営は結果だということを忘れるな
    17 経営者たる者、コストの原価単位を頭に叩き込め
    18明日から伝票を見よ

    ★困難から逃げるな、逃げると解決策も逃げていく
    19 困難は解決策を連れてやってくる
    20 8月を黒字にせよ
    21 君を経営者として採用したのは、逃げないと思ったからだする
    22 2割の社員支持があれば、改革は成功

    ★営業を機関車にせよ
    23 訪問件数を月100件にせよ
    24 営業が動いている間は、工場・開発は帰るな
    25 市場価格は神の声
    26 トップ企業をお客様にせよ
    27 営業が機関車になって引っ張り、工場・開発は営業を支援する。そういう会社作りをやれ
    ダントツのコストダウン
    28 経費削減最終目標:売上高1億円あたり500万円以下
    29 購買コストは5段階ネゴ方式でさげよ
    30 間接部門は多能工化して、コストの壁を破れ
    31 損益は1週間ごと管理で未達を根絶せよ
    32 築城3年、落城3日。品質不良が会社を食いつぶす

    ★リーダーで会社の9割が決まる
    33 君は経営者か、経営管理者か
    34 君に求心力が働いているか
    35 経営者とその社員の士気の高さこそが、企業にとって最大の財産。不安な時こそ、それを思い出したほうがいい
    36 リーダーの要諦は人がどうなびくかだ
    37 「マンネリ・油断・驕り・妥協・怠慢・諦め」が会社をおかしくする
    38 温情と冷酷のバランス経営をやれ
    39 叱る、褒めるのバランスマネジメントが大事だ
    40 会社を変えたかったら、自分に一番近いところから変えよ
    41 1週間練習しないと聴衆に分かり、3日練習しないと同僚に分かり、1日練習しないと自分に分かる
    42 花の咲かない冬の日は、下へ下へと根を伸ばせ

  • 読むだけで仕事に向き合う姿勢が変わりますね。背筋が伸びて、気合い入りました!

著者プロフィール

川勝 宣昭(カワカツ ノリアキ)
経営コンサルタント
DANTOTZ consulting代表取締役。
1942年三重県生まれ。1967年早稲田大学商学部卒業、日産自動車に入社。広報室、企画室、電子技術本部、中近東アフリカ事業本部部長、南アフリカ・ヨハネスブルグ事務所長などを歴任。1998年に急成長企業の日本電産にスカウト移籍。同社取締役経営企画部長(M&A担当)を経て、カリスマ経営者・永守重信氏の直接指導の下、日本電産芝浦専務、日本電産ネミコン社長を歴任。永守流「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」のスピード・執念経営の実践導入で破綻寸前企業の1年以内の急速浮上(売上倍増)と黒字化をすべて達成。2008年に経営コンサルタントとして独立。現在、中小企業から一部上場までのクライアント企業に対し、「速攻型市場攻略」の経営法を指導している。著書に『日本電産永守重信社長からのファクス42枚』(プレジデント社)がある。
ウェブサイト DANTOTZ.com

「2016年 『日本電産流「V字回復経営」の教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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