ほしになった りゅうのきば (日本傑作絵本シリーズ)

著者 :
  • 福音館書店
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834000153

感想・レビュー・書評

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  • 「天の川はどうしてできたの?」そんな素朴な疑問にこたえてくれるのが中国民話「ほしになったりゅうのきば」です。

    48ページにもおよぶ長い物語で、赤羽末吉氏による圧倒的な絵に、魅了されてしまいます。

    その反面、民話ならではのおなじような出来事が繰り返し3回出てくるところがいくつもあり、読み聞かせをしている方としては「またか…」という感じになってしまいました。
    読み聞かせにも20分くらいかかり、少々疲れてしまったこともあり、☆2つにさせていただきました。

    しかし「繰り返しが…」とか「読み聞かせ疲労が…」などと思ったのはわたしだけのようで、読み聞かせた小2の娘にとっては、繰り返し含めておもしろかったようです。
    そして、最後の見開きいっぱいに広がる天の川の絵をみて、思わず「きれい…」とつぶやいていた娘でした。
    ちなみに物語の中盤で出てきたウリュー山の老人の姿は、「千と千尋の神隠し」の釜爺を思い出しました。
    もちろん、ウリュー山の老人のほうが先に生まれている(世に出たのは先)ので、釜爺よりも先輩です。

    多様な赤羽末吉氏の絵を、堪能できる1冊であり、こどもにとっては、おもしろい民話を楽しめる絵本でもあります。
    読み聞かせをするときは、体力と時間の余裕をもって、のぞんでみましょう。

  • 竜の兄弟ゲンカのせいで天がさけ、大雨や雪が降り注ぐ
    石の中から綿にくるまれて生まれたサンは、なんとかしようとライロン山に住む緑の髭の物知り老人を訪ねた
    聞くとウリュー山に住む娘が天を繕えるから嫁にもらえという
    老人はサンに緑のわらじを渡し、ウリュー山の麓で足を踏み鳴らすようにいった
    あまりに山が揺れるのでウリュー山のクマ王は1番目の緑姫をおろした
    だが、姫は天を繕うなんてしたくない
    娘は3人いるので他の娘を希望したが他の娘は降りてこない
    サンはまた緑の髭の老人のところへ,,,

    読み聞かせ時間は16分くらいです

  • 中国の昔話。

    昔、子どものいないおじいさんとおばあさんのところに、大きな石が落ちてきて、そこから男の子が生まれた。
    男の子はサン・えいゆうと名づけられ、大事に育てられた。
    ある時、北海の竜と南山の竜がケンカをして、天に大きなさけめができてしまった。さけめはサンの村の上にあり、さけめから雨やひょうが降り込んでくるため、村は寒く、草木も枯れてしまった。
    そこでサンは、村を救うために、緑のひげの仙人に会いに行くことになる。
    サンは、仙人と出会い、無事天のさけめをふさぐことができるだろうか。


    読み聞かせをするには長いお話。
    赤羽末吉さんの絵が美しく、物語も日本の昔話にはなかなかない感じで奇想天外で面白い。
    結構壮大な冒険譚なので、またじっくり読んでみたい。

  • 2匹の龍がケンカしてできた天のさけ目を、石から生まれたサンがつくろう話。
    絵がすごい。きれいだけど、はく力がある。最後の、銀河や星の絵がすごい。色もきれいで、キラキラしている感じがする。龍もかっこよかった。サンにちえを授けてくれるひげの長い老人が、上から見ても下から見ても顔になっているみたいなのもいい。
    天をつくろうのを手伝ってくれるおよめさんをもらうのに、苦労するところがおもしろかった。
    ぼくの名前には「りゅう」が付くから、特に龍がかわいそうだった。
    お話もおもしろくて、君島久子さんが亡くなったと聞いて残念に思った。(小6)

  • 2023.7.8市立図書館
    朝の新聞で君島久子さんの訃報を知り(亡くなってちょうど一ヶ月、七夕に合わせての公表だったのだろうか?)、追悼読書用にわがやの本棚にない本を図書館で見繕ってきた。

    赤羽末吉さんの原画展で部分的にみたことはあったけれど、お話を通して読むのははじめて。南の竜と北の竜のケンカで天が裂けてしまって、雨や雹がとまらなくなってしまった世界を救う英雄のお話。英雄は桃太郎のような生まれ方で、天もつくろえるというある王の娘を嫁にもらい、つくろうために必要な竜のきばやつのをとってきて、嫁とともに天にのぼってさけめをつくろう。それが銀河(天の川)と星の始まりというなんともスケールの大きな話だった。君島さんの日本語はリズミカルで楽しく読める。赤羽末吉さんの挿絵もうつくしくダイナミックでおもしろい。

    中国の民話をいくつか続けて読んでみて、木にいる緑の老人というのは中国ならではのキャラクターなのだろうかと思った(ながいかみのむすめチャンファメイでも助けてくれた)。3人の娘のうち末の子が嫁に来るというのは日本でもよくあるパターンだけれど、使命を聞いて「つらいことはいや。あそぶことがすき」と言い出して、サンもそんな嫁はお断りと突き返すのは日本ではない展開でおもしろかった。

  • これはいい!
    ストーリーも絵も素晴らしい。
    グッときた

  • 小学3年生の群読作品。なかなか渋いのを選びますな。
    君島さんと赤羽さんの黄金コンビだったのですね。
    素晴らしい作品に出逢えたいい機会になりましたが、3年生の群読にはちょっと不向きだったかな?とも思いました。

  • 夜空の星、「あまのかわ」にまつわる中国民話です。勇敢な少年サンが活躍します。

  • 「夜空の天の川にまつわる壮大な中国民話
    ある村で、じいさまとばあさまのもとへ、大きな石に入った元気な男の赤ちゃんがやってきました。サンと名付けられた子は、やがて立派な若者になりました。あるとき、2匹のりゅうのけんかで天が裂けてしまいます。その天の裂け目は、サンの村のちょうど上。若者サンは村のために、天の裂け目をつくろう方法をライロン山へ探しに出かけます。夜空の星の天の川にまつわる壮大な中国民話の世界です。」

    「りゅうのケンカによってできた天のさけ目に、サンと白姫が立ち向かいます。天の川にまつわる壮大な物語。」
    (村上淳子『その本読みたい!』の紹介より)

  • 2022.1.27 4-1

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著者プロフィール

君島久子 栃木県に生まれた。慶應義塾大学卒業、都立大学大学院修了。武蔵大学教授をへて、国立民族学博物館教授となる。中国民族学、文学を専攻、特に民間伝承および児童文学を研究。中国、東南アジア、日本を含めた広いアジア地域での比較研究をすすめている。1965年、『白いりゅう黒いりゅう』(岩波書店)、1983年、『中国の神話』(筑摩書房)で共にサンケイ児童出版文化賞を受賞。また1976年、『西遊記上・下』(福音館書店)で日本翻訳文化賞を受賞した。そのほか『ほしになったりゅうのきば』『たなばた』『しんせつなともだち』(福音館書店)、『チベットのものいう鳥』『王さまと九人のきょうだい』(岩波書店)、『アジアの民話』(講談社)、『月をかじる犬』(筑摩書房)など多数の著訳書がある。大阪府在住。

「2020年 『あかりの花 中国苗族民話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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