三コ (日本傑作絵本シリーズ)

著者 :
  • 福音館書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (36ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834002065

感想・レビュー・書評

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  •  貧農の息子だった三コは見上げるばかりの大男に成長し、伝説の人物として長く生きることになる。
     ある時、食い詰めた農家の次男坊、三男坊たちの生計の道を作ろうと、三コは禿山だったオイダラ山に木を植える。上手く行ったのも束の間、オイダラ山に山火事が発生し、火はどんどん燃え広がる……。


     図書館本。
     実は「三コ」は一度も読んだことがなく、「花さき山」でネタバレの憂き目にあってしまった(笑)。
     所蔵があったのを幸い、悔し紛れに読んでみた。

    「八郎」と違って、ストレートに怖い。八郎は死にに行ったようには見えなかった(読解力が無いだけ?)が、三コは明らかにその気で行っている。
     しかも、ずっとモノトーンで描かれていた画面が、山火事発生で突然、赤主体に。この場面は非常にドキッとする。

     いい話ではあるし、文章での盛り上げ方も勢いがあるんだけど……人によってはトラウマ絵本となる可能性が。

  • 「岳」つながりで。主人公の島崎三歩の名前の由来のひとつがこの絵本「三コ」とお聞きしたので。この絵本のお話は創作民話ですが、じっくり読みすすめると三コという大男の、山のために自らの命を投げ出す姿は涙を誘います。その三コと三歩は確かにどこか似ているところがあります。同じ作者・画家による絵本「花さき山」にこの「三コ」と「八郎」という大男の話がでてきます。 (Er)

  • 野暮ったくも、日本人の心打つ物語。

  • 八郎と似ているけど作者は対照的と言っている絵本です。
    大切なものを守るために命を捨てるということは
    大学生の私にはまだピンときません。
    それがはたして本当にいいことなのか、いつかは自分もそう思えるのかなんて考えて読みました。

  • 自分にしか出来ないことがきっと世の中にはあると思うけど、実際にその場面に遭遇したとき、果たしてボクは何もかも犠牲にしてまでそれを実行することが出来るきるだろうか…。

    考えさせられてしまう。

  • 八郎と同じく秋田の民話。オイチャ(土地を相続できない次男三男)たちのためにオイダラ山を守った話。秋田が木の国になったわけが描かれている。 みんなのために生きた大男という点で八郎と共通している。秋田県の南にあって火が燃える山ということで,オイダラ山は鳥海山がモデルだろうか?

  • 斉藤隆介は人の優しさをとことん描く。
    優しさとは、自分よりも他人を大切すること。
    でも自分を大切にしないことではない。
    他を大切にする自分を大切にする様、力強く切り絵と訛りのある言葉でズンズンと心に響かせていく。
    サンコのようにでっかく生きたい!

  • 山火事を体で消す大男。自己犠牲。大きな火事ニュースなどあると時期的に難しいかも

  • 『花さき山』を読んで、“三コ”と出てきて、手に取りました。『八郎』は読んだことがあったが『三コ』は読んでなかったので。『八郎』と似ている。八郎も三コも働く貧しい人々のために命を捧げて死ぬ、はにかみを知る心優しい巨人である。それが、作者の人間の理想像だという。

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著者プロフィール

1917年、東京都に生まれる。明治大学文芸科卒業。1968年、短編童話集『ベロ出しチョンマ』で小学館文学賞、1971年『ちょうちん屋のままッ子』でサンケイ児童出版文化賞、1978年『天の赤馬』で日本児童文学者協会賞を受賞。ほかに『職人衆昔ばなし』『立ってみなさい』『ゆき』などの作品があり、滝平二郎氏と組んだ絵本、『八郎』『花さき山』『モチモチの木』などもよく知られている。1985年、没。

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