- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834004229
感想・レビュー・書評
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「マージョリー・フラック」は、『100まんびきのねこ』の「ワンダ・ガアグ」と共に、アメリカ絵本の基礎を築いたといわれる絵本作家で、本書のオリジナルは1930年との事ですが(ちなみに日本版テキストは1974年)、決して古びた印象は無く、寧ろ、シンプルながら、人生の辛苦にも擬えることが出来て、普遍性のある物語だと思いました。
登場キャラは、スコッチ・テリアの「アンガス」と、二羽のあひるだけで、アンガスの表情豊かで躍動感のある絵と、あひるたちの飄々とした無表情そうに見えながらも、確かな意思を持った絵とが、見事な対照性をなしており、白黒とカラーを交互に繰り返す絵もメリハリがあって、良いと思いました。
そして物語は、アンガスが未だ見たことのない、外の世界に初めて踏み出していったら、いきなり現実の厳しさを思い知ったという、切なさがありながらも、それを鳴き声で表現しているところが、どこかユーモラスで印象的でしたし、おそらく、これを繰り返して、人も学び生きていくのだろうなと思わせるところに、この絵本の変わらぬ普遍性を感じましたが、あひるという言葉には、今村夏子さんの同名小説を思い出させるものもあり、決して見た目で判断してはいけないといった、教訓ものにもなっております。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
個別支援級の読み聞かせ用に公共図書館から学校貸し出しを受けた本。
江國香織さんの「絵本を抱えて部屋のすみへ」でも紹介されていたと思うのだが…。
スコッチ・テリアのアンガスは好奇心旺盛。
ある日、空いたドアの隙間から外に出て、2羽のあひると遭遇し、もちろんのこと、吠えて追いかける。
アンガスとあひるの攻防が面白い。
スコッチ・テリアとあひるという、どちらもちょっとずんぐりむっくりした体形が、横長の画面構成にぴったりだ。
動物の生態もきちんと捉えている。見返しの絵もいい!
2020.11.2 -
これもまた可愛らしい。
最後反撃されちゃうのがまた良いよね! -
スコッチ・テリアのアンガスが、2匹のアヒルに追いかけられる場面では、絵を見ているだけで彼らのスピード感が伝わってくる。たまに公園で全速力で走る犬を見かけることがあるけれど、まさにそのような雰囲気。
最後のページを見て、「ちょっとわんわん泣いてるねぇ」と言った娘。本当だ!アンガスの目がちょっとウルウルして見える。〝怖かったよ‥〟という表情がなんとも言えない。 -
アンガスのシリーズの一作目。
スコッチテリアのアンガスの紹介からはじまる。
身体はとても小さいのに,頭と足は大きな犬とあって、ここだけでも子供は喜んでお話に入って来れそうだ。
好奇心いっぱいのアンガスが、ある日リードが外れているのをいいことに、「やかましい音の正体を見つけに行くと、そこにいたのは二羽のアヒル。
このアヒルたちの水のみ場の風景に、春らしさが良く出ている。
そして、はじめは吠えたてていたアンガスが、アヒルたちに逆襲されるのが楽しい。
どうなる?どうなる?と思わせておいて、「時計の刻む、いち、に、さんぷんかん、なにごともしりたいとおもいませんでした」というオチになっている。
このラスト3ページの間の取り方がすごく上手い。
文章が場面展開のスピードと完全にピッタリだ。
日本にこの本が入ってきたのは1974年。
アメリカ本国で発売されたのは1930年だというからそんなに長い間支持され続けているということだ。
小さなアンガスのいたずらぶりが、挿絵から飛び出しそうな活気あふれるお話。 -
アンガスシリーズ。
低学年読み聞かせ向き -
フフって笑ってしまった
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あひる出てきたらガーガーってところで笑う息子
何か惹きつけるものがあるんだなと思いました
しりたがりやのアンガスが
ジョージとかぶるようです -
好奇心旺盛でわんぱくなテリア犬のアンガスがとにかくキュート。
リアリティがありつつ、レトロかわいい絵柄が魅力的でした。オチもくすりと笑えて和みます。
動物の鳴き声などの擬音語のページが多いので、読み聞かせにも良さそう。犬好きの方におすすめ。 -
アンガスは知りたがりやのスコッチテリア。ある日いけがきのむこうに出かけたアンガスは、二羽のあひるに見事に撃退されます。逃げ帰り、ソファの下にもぐりこんだアンガスは、とけいのきざむいち、に、さんぷんかん、なにごともしりたいとおもいませんでした。…けれどその三分が過ぎたとき、アンガスはソファからはいだしてきっとまた何か調べにいくだろう、と思わされます。元気なアンガスと光が溢れるような絵が大好きです。