たなばた (こどものとも傑作集)

著者 :
  • 福音館書店
3.73
  • (39)
  • (32)
  • (61)
  • (8)
  • (0)
本棚登録 : 657
感想 : 72
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (28ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834005127

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 数あるたなばたのお話の中で出色の一冊。
    挿絵の美しさと、男女の恋愛でなく家族愛になっているところ。
    理不尽な点が多いのも幻想的な話を盛り上げていて、いっそ民話らしいというもの。
    約7,8分。低学年から。

    織姫も彦星も、ふたりの子たちも(恋人通しではなく、夫婦なのです!)天の「おうぼさま」も、それぞれが自らの運命に従って真剣に生きている。
    とりわけ、子どもたちのけなげさは、もう涙もの。
    誰が意地悪とか責任はどこにあるとか、そういうレベルではないのに、とても切ない。
    こういうときはこうしなさいと、説教じみたお話ではないので、神秘的なお話をじっくり味わえばそれでじゅうぶんかと。
    読んだ後親子で天の川を見上げることができればもっと良いのに、統計によると七夕の夜が晴れるのは30%の確立らしい。
    ああ、一年に一度の逢瀬が雨では、あまりに可愛そうだとつい同情してしまう。

    文章が、時折縦になったり横になったりと変化しているのも楽しい。
    満天の夏の夜空が、早く眺めたくなる美しい一冊。
    さて、皆さんは短冊になんと書くのだろう。
    私は「このお話を覚えたい」と書こう。

  • 天女の羽衣と七夕が混ざったようなお話。
    なんで年取った牛がそこまで彼に手を貸すのかとか、二人の邪魔をここまでするのはなぜ?とか気になる。
    ちょっと違った七夕のお話で面白いかも。
    絵も綺麗でこどもが可愛い。
    今年は間に合わなかったので、来年はチビちゃんたちと読んでみたい。

  • 中古購入

    この色の塗り方は…と名前を確認してみる
    やっぱり初山さん!!
    中学の時の私が目指していた塗り方
    (…なんて恐れ多いにもほどがある)
    迷いなくすっと一発で塗られていて
    今作は色合いも落ち着いて 柔らかで
    七夕に合ってるなぁ
    『ききみみずきん』の鮮やかな色も好きだけど
    この色合いも心地いい

    だいたい有名な話は
    学校や教育テレビなどで知って
    いつでも身近にあるので読み返さないので
    あらすじしか憶えていない
    今は下の子が幼稚園児ということもあって
    下の子の方が詳しく知っていたりする
    きちんと正規のお話を伝えてもらえるのは
    とても有難いなと最近思うようになった
    季節が全く違うので
    来年読もうかと思っていたのだが
    読みたいというので読んでみた
    フグログ仲間さんのレビューを読んで
    少し話がアレンジされているのは知っていたので
    それを伝えてから読み出すと
    知ってるのと違うのが
    また興味を誘って
    最後までじっくり聞いてくれた
    私もこれは興味深く
    そして
    文体が真っ直ぐに書かれているだけではないところに
    また心が弾む
    思考を凝らした作りの本に弱いのだ(笑)
    最後まで牛の存在が謎だったので
    その辺りの逸話があったりするのかなって
    気になっている

  • 初山滋さんの絵が素晴らしい一冊。
    芸術品だ!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「芸術品だ! 」
      モダンで、書くのが恥ずかしいけど、とってもエロティシズムを感じる。。。
      「芸術品だ! 」
      モダンで、書くのが恥ずかしいけど、とってもエロティシズムを感じる。。。
      2014/04/25
  • 朝の新聞で君島久子さんの訃報を知り(亡くなってちょうど一ヶ月、七夕に合わせての公表だったのだろうか?)、改めてページを開いた。
    あいにく手元にはこの一冊しかないが、福音館書店や岩波書店が手がけた中国発のお話の絵本の多くにはこの名があった。

    この「たなばた」はオーソドクスなおりひめとうしかいの物語ではなく、天女の羽衣伝説とミックスしたような展開で、天帝ではなく王母(西王母)が二人をひきさき、牛の助けで天に向かうもゆるされず、おりひめとうしかいの子らの健気な姿にほだされて年に一度の再会がゆるされるようになったという結末になっている。
    初山滋の淡い色づかいの挿絵がうつくしく、テキストの配置の仕方もちょっとユニーク。

  • 七夕の本が読みたくて、絵がキレイだったので手にとった本。
    設定が親子というのが初めてで面白かった。


  • 息子7歳11か月
    息子が喜びそうな本を図書館から借りてきて読み聞かせ…最近は息子が一人で読むようになってきて、母はサミシイ。

    〈親〉
    絵が好き ◯
    内容が好き ◯

    〈子〉
    何度も読む(お気に入り)
    ちょうど良いボリューム ◯
    その他


  • 7歳1ヶ月の娘
    4歳1ヶ月の息子に読み聞かせ

    七夕のおはなし
    言われてみれば
    ちゃんと知らなかったなー

    天の羽衣 柄杓 鵲
    そういえばのキーワードでした

  • 6分強

  • 図書館本。次女と一緒に読み聞かせ。日本の季節行事はどこか影めいたものが多いですね。そこもまた日本らしさ、ですね。

全72件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

君島久子 栃木県に生まれた。慶應義塾大学卒業、都立大学大学院修了。武蔵大学教授をへて、国立民族学博物館教授となる。中国民族学、文学を専攻、特に民間伝承および児童文学を研究。中国、東南アジア、日本を含めた広いアジア地域での比較研究をすすめている。1965年、『白いりゅう黒いりゅう』(岩波書店)、1983年、『中国の神話』(筑摩書房)で共にサンケイ児童出版文化賞を受賞。また1976年、『西遊記上・下』(福音館書店)で日本翻訳文化賞を受賞した。そのほか『ほしになったりゅうのきば』『たなばた』『しんせつなともだち』(福音館書店)、『チベットのものいう鳥』『王さまと九人のきょうだい』(岩波書店)、『アジアの民話』(講談社)、『月をかじる犬』(筑摩書房)など多数の著訳書がある。大阪府在住。

「2020年 『あかりの花 中国苗族民話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

君島久子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×