神秘の島(下) (福音館古典童話シリーズ)

  • 福音館書店
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834007282

感想・レビュー・書評

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  • ストーリー :☆☆☆☆☆
    世界観   :☆☆☆☆
    ビジュアル :☆☆☆☆
    キャラクター:☆☆☆☆☆
    読みやすさ :☆☆☆☆
    オススメ度 :機会があればぜひ読んでみるべし!


    しかし、ネモ船長というキャラクターの魅力には、ただただ感服するばかりです。
    いろいろな作品に、ネモ船長へのオマージュが存在するのもうなずけます。
    それでいて、オリジナルの彼の魅力には、誰も遠く及ばないでしょうね・・・(しみじみ

    ネモ船長の登場シーンも、実によかったです!
    6人のリーダー、サイラス技師が彼の姿を認めたとたん、

    「ネモ船長、お呼びでしたか?ただいままいりました!」

    と叫んだときは、彼の仲間も読者も、さぞびっくりしたことでしょう。
    「神秘の島」の物語は、「海底2万海里」の時から16年経っており、優秀な技師と新聞記者は、なんと「海底2万海里」を読了済みという設定なのです。
    これには驚きました。でもすごく賢いやり方ですね。
    「あなたは一体誰なのです!?」というところから話を始めてたら、
    話してる間にネモ船長死んでしまう(笑)



    ★ネタバレ注意です!★

    ——この作品から教えられることは多いですが、一方、読み方によっては非常におそろしい作品でもあります。(あとがきからの引用)

    「も、もったいない・・・!!」上下巻読み終わっての感想はこの一言につきました。
    ラスト、5人と2匹(途中でお猿が仲間になる)が2年間過ごした住み良い岩の洞窟、
    野菜畑や鳥小屋、放牧地、そして様々な動物が生きる豊かな森が、島の火山活動により、全てパーになってしまうのです。
    途中で仲間になったお猿もこの時巻き込まれて死んでしまうのが悲しかった・・・(涙)

    島が小さな地球の模型だとすれば、火をつけることに始まり、知恵と信頼と努力で、衣食住を整えてきた人類の末路は・・・と考えると本当にゾッとしますね。
    さしずめネモ船長は神様でしょうか・・・
    でも実際の地球が爆破してしまったら、ネモ船長も、迎えの船もない人類は、一体どうなってしまうのでしょう・・・
    ジュールヴェルヌの壮大なメッセージに、ただただ感服するのみです。
    「神秘の島」というタイトルも、ここにきて納得、納得です。


    さて、こうなったら「グラント船長の子ども達」も読まなくちゃな・・・

  • 空想科学小説と言われるけれど、人間ドラマもあって、漂流記の中では群を抜いて面白い。

  • いろいろ無茶な部分がある。そんなことを気にせず苦笑いしつつ楽しんで読める心の広い読者にはお勧めしたい。

    技師サイラス・スミスはじめ5人の男たちは、何もない島で生活基盤を築いていく。上巻の早い段階ですでに製鉄に成功していたが、その他にも、野菜栽培、小麦栽培、風車建設、牧羊牧畜。ガラス加工、小型帆船造船。下巻では無線電信建設までやってのける。
    サバイバルの域を超えて、もはや19世紀近代の手工業や軽工業の手引きのような様相である。

    だが、下巻はけっこう“トンデモ”な展開が目立つ。
    サイラス技師らは、知恵と工夫とたゆまぬ労働で島の生活基盤をコツコツと開拓建設していくのだが、“島に潜む謎の存在”が、彼らの窮地に際してたびたび救いの手を差し伸べる。そのたびに、地道な労働のリアリティが薄くなってしまうのだ。

    <以下、ネタばれ>
     海賊船が攻撃してきた際は、何者かによって海賊船が撃沈され危機を脱する(強力な機雷が使われた)。仲間がマラリアで命を失いかけたときには、住居内にこっそり治療薬が届けられる。などなど、絶体絶命の危機で、いつも謎の存在が救援の手をさしむけるのだ。これが続くため、少々興ざめの感も。

    必死に働き開拓生活を営み続ける5人だが、結局は“全知全能”的な存在の助け無くしては生き延びることが出来なかった。そんな虚無感も感じる。
    巻末解説に“読み方によっては恐ろしい話”とあるのは、そのことだろうか。

    最終盤の展開にも唖然とする。

    さて、メンバーのひとりナブ青年は黒人について。彼の描き方にふと思うところがあった。
    北軍の技師で奴隷解放論者のサイラス技師は、彼を奴隷から自由の身にしていたが、ナブ青年はサイラスを慕って主人に尽くしている、という設定。自分の自由意志で。だが、島でのナブの仕事は、食事の係や給仕を担当。体のいい下人みたいになっている。この点、作者ヴェルヌの階級意識の限界かな、と感じた。あるいは、19世紀思考の限界点か。ちなみに、その後オランウータンのジュップ君が仲間に加わり、ナブの下人的な仕事の一部を担う。これまた、興味深いというか、皮肉でもある。

  • 詳細は、あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート をごらんください。
     → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1694.html

     ~ ~ ~ ☆ ~ ~ ~ ☆ ~ ~ ~

    2012/3/4、5/22 追記
    2008/11/5に、映画「センター・オブ・ジ・アース 3D」を観ました。面白かった!

    次は、2012年3月31日公開 の映画「センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島」
     楽しみ! 

        〜 〜 〜 〜 ☆ 〜 〜 〜 〜 ☆ 〜 〜 〜 〜

    神秘の島 上巻に引き続き、下巻も読みます!
    「海底二万里」の登場人物がでてきて 面白い。
    なぞも解けます・・・。

  • 海底2万海里のネモ艦長とノーチラス号が出てくるのが物語が繋がっていてとても面白かった。

  • とっても面白い!!

  • 不可能を可能にした男達の後半戦は、蛮敵からの島の死守と、島の守護者との最初で最後の面会。必然と緻密な伏線の果てにあるのは、人が人を想う事、そして後悔する事憎しみを許す事なのかもしれません。何回読んでも考えさせられる一品。だからこそラストの大団円は圧巻。そして海底二万里とグラント船長の子ども達を再読したくなるのです。うむ。思わず叫びたくなるのはノーチラス号よ、永遠に!

  • SFの最高傑作の1つといっていい。

  • 博識な技師サイラス・スミス氏の言葉

  • ヴェルヌのご都合主義マックスゴリ押しだったけど面白かった
    先に『海底二万里』と『グラント船長と子どもたち』を読んだ方がもっと面白いんだと思う読む順番を間違えた
    神秘の力に対して超自然的な展開を期待してたけどちゃんと理にかなっててしかも前作から引き継いだものたちの力だったからファンからしたら熱い展開なんだろうな
    今作の上を読んで最後の方でやっとペンクロフがちょっとだけ可愛く思えるようになったけど普通に腹立つ時あるし、スピレットは本当に無理
    こんな2人を手なずけれるサイラスは本当に大人だよ

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著者プロフィール

Jules Verne, 1828 - 1905.
フランスの小説家。
『海底二万海里』『月世界旅行』『八十日間世界一周』
『神秘の島』『十五少年漂流記』など、
冒険小説、SF小説で知られ、SFの父とも呼ばれる。

「2016年 『名を捨てた家族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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