- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834009217
感想・レビュー・書評
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すごいものを見つけるためでもなく、何かを埋めようというのでもなく、地面の下をくぐって脱出したいわけでもない。ただ穴を掘る。掘った穴は、「ぼくの あな」。掘ること自体を楽しんでいる。だから、埋めることも楽しんで大満足。こういうコンサマトリー(自己充足的・phaさんの本「しないことリスト」で読んだ)なこと、私には必要です。
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〝日曜日の朝、何もすることがなかったので、<ひろし>は穴を掘り始めた...お母さん、妹のゆきこ、隣のしゅうじ君、お父さんが、いろいろなことを言ってくる...ひろしは、ただ穴を掘り続けた...ひろしは、ひとり穴の中に座り込む...「これはぼくの穴だ」穴から見上げる空は、いつもよりもっと青く、高く思えた・・・〟ある日、理由もなく、ふと穴が掘りたくなる気持ちを、谷川俊太郎さんの幼少期の体験を表現された一人遊びの世界、素朴な色遣いと独特の世界観で描かれた和田誠さんの絵、言葉にならない「何か」が漂う穴の中の郷愁。
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一才か?二才だったか?お孫さんにプレゼントしたところ、表紙を掲げて「チョウチョ、チョウチョ。」と言っていたが、なんだかすごくうれしかった。
どうか、おうちの前に大きな穴を掘って、その中に、しゃがんで空を見上げてほしいものだ。 -
そうこの感覚。穴を掘るという行為は、たき火に見入ってしまうのと同様に、人を惹きつける根源的な何かがある気がします。この絵本が何十年も読み継がれているという事実が、それを物語っていると思います。
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人生とは穴掘り。誰に言われたわけではなく、自分の意思で掘る。というところがミソだなぁ。
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大人の自分はふーんって感想だったんだけれど、6歳の子がすごくくいついて、「表紙はね、あなから見たお空なんだよ!」と真剣な表情で話してくれた。
自分とあなをほる主人公を重ねていたらしい。子どもにもこういう哲学的なことをしたい時があるんだな。 -
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哲学的な絵本。たてびらき。お父さんだけ少し反応が違う。もしかしたらお父さんも彼と同じくらいのときに同じことをしたのかもしれないね。
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甥っ子のために借りてきて、最初怖いと言って読みたがりませんでしたが、ちょっと読むと面白さに気づいたのか見入っていました。
なんで、あなを掘るの?と何十回も聞かれて、何でだろうねと一緒に考えて、不思議だねと言い合いました。