あな (こどものとも傑作集)

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  • 福音館書店
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834009217

感想・レビュー・書評

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  • すごいものを見つけるためでもなく、何かを埋めようというのでもなく、地面の下をくぐって脱出したいわけでもない。ただ穴を掘る。掘った穴は、「ぼくの あな」。掘ること自体を楽しんでいる。だから、埋めることも楽しんで大満足。こういうコンサマトリー(自己充足的・phaさんの本「しないことリスト」で読んだ)なこと、私には必要です。

  • 〝日曜日の朝、何もすることがなかったので、<ひろし>は穴を掘り始めた...お母さん、妹のゆきこ、隣のしゅうじ君、お父さんが、いろいろなことを言ってくる...ひろしは、ただ穴を掘り続けた...ひろしは、ひとり穴の中に座り込む...「これはぼくの穴だ」穴から見上げる空は、いつもよりもっと青く、高く思えた・・・〟ある日、理由もなく、ふと穴が掘りたくなる気持ちを、谷川俊太郎さんの幼少期の体験を表現された一人遊びの世界、素朴な色遣いと独特の世界観で描かれた和田誠さんの絵、言葉にならない「何か」が漂う穴の中の郷愁。

  •  一才か?二才だったか?お孫さんにプレゼントしたところ、表紙を掲げて「チョウチョ、チョウチョ。」と言っていたが、なんだかすごくうれしかった。
     どうか、おうちの前に大きな穴を掘って、その中に、しゃがんで空を見上げてほしいものだ。

  • (2016年3月)
    図書館で借りて読み。
    絵本ナビでおすすめされていたので。

    あなをほって、脇目も降らず掘って、自分の穴をたっぷり味わった後、埋め戻す。というそれだけのお話。

    なんだけど、意味もなく穴を掘るその気持ち、わかる。小4の時に庭に穴を掘ったのを思いだした。自分の穴だから水を入れて海にして遊ぼう、という妹の提案なぞ言語道断なのである。自分の穴だから、最後は自分で始末するところまで責任もってやるのである。

    5歳児はふーん、なんで?と言う感じだった。


    (2022年5月)
    図書館で借り。なんだか読みたくなって。
    自分が始めたものの終わりは自分が決める。
    全能感、少しの寂寥感。そんな感じ。

  • そうこの感覚。穴を掘るという行為は、たき火に見入ってしまうのと同様に、人を惹きつける根源的な何かがある気がします。この絵本が何十年も読み継がれているという事実が、それを物語っていると思います。

  • 人生とは穴掘り。誰に言われたわけではなく、自分の意思で掘る。というところがミソだなぁ。

  • 大人の自分はふーんって感想だったんだけれど、6歳の子がすごくくいついて、「表紙はね、あなから見たお空なんだよ!」と真剣な表情で話してくれた。
    自分とあなをほる主人公を重ねていたらしい。子どもにもこういう哲学的なことをしたい時があるんだな。

  • UniLeaf では、この絵本に透明点字シートを挟み込んで製本した、ユニバーサル絵本を貸し出ししています。
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  • 哲学的な絵本。たてびらき。お父さんだけ少し反応が違う。もしかしたらお父さんも彼と同じくらいのときに同じことをしたのかもしれないね。

  • 甥っ子のために借りてきて、最初怖いと言って読みたがりませんでしたが、ちょっと読むと面白さに気づいたのか見入っていました。

    なんで、あなを掘るの?と何十回も聞かれて、何でだろうねと一緒に考えて、不思議だねと言い合いました。

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著者プロフィール

1931年東京生まれ。詩人。1952年、21歳のときに詩集『二十億光年の孤独』を刊行。以来、子どもの本、作詞、シナリオ、翻訳など幅広く活躍。主な著書に、『谷川俊太郎詩集』『みみをすます』『ことばあそびうた』「あかちゃんから絵本」シリーズ、訳書に『スイミー』等がある。

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