なんでそんなことするの? (福音館創作童話シリーズ)

著者 :
  • 福音館書店
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本棚登録 : 162
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834080889

作品紹介・あらすじ

トキオは、学校がそんなに好きではありません。いろんな子に囲まれて、いろんな音や声が聞こえてくると、頭がごっちゃになって楽しい気持ちが消えていきます。学校のみんなは、そんなトキオを「変なやつ」と思っていて、みんなと同じように「ふつう」になるようせまります。ある日、トキオがいつも連れているぬいぐるみを取りあげようとした友だちが、突然あらわれた変な生き物に、ぱくっと頭からのみこまれてしまいます!

感想・レビュー・書評

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  • なんだか、好き。絵もお話も。

  • 割とグサッとくることを挿絵が和らげているのかな。
    猫のミケがトキオをいじめた子に次々復讐するというのは、なかなか児童書には珍しい展開だった。
    松田さんは大人の本専門と思っていたから、児童書(しかも福音館が出版)を書いているとは、正直驚き。
    ちょっと変わった視点でもっと児童書を書いてほしいな。

  • 松田青子の3冊目。
    ブレイディみかこと共通する。嫌なことは嫌だって言っていい。そして嫌なことは(好きなことも)人によって違うから尊重してねってこと。
    ひろせべに
    イラストとてもいい。猫のトラとミケ。
    みんな違ってみんないい。金子みすずがずっと前から言ってるじゃないか。でも、変だよ、普通のちがうってことで連帯する幼稚な感性が日本人にはある。
    そんなこと言われると自分はやなんだ!と言わなくちゃ。ミケ、大好き。トキオ君、おとなになったね。

  • トキオが部屋のドアの前で合言葉を言ったから、だれと話してるのかなと思った。そしたら、ミケというねこだったから、おどろいた。だから合言葉が「サバミソ」なんだなとわかった。
    「なんでこんなこと言うの?」って思うことは、ぼくにもある。ほかにやりたいことがあるから遊びのさそいをことわると、「はあ?そんなことしなくていいじゃん」って、ばかにした感じで何度もさそってくる。ぼくは、言い方にはふれないで、そこからスーッといなくなる。
    それでよかったのかなと思う。ミケがいたら、その子はおそろしいことになっていたかも。そしたら、かわいそうだから、ぼくのいやな気持ちをふきとばして元にもどしてもらう。それで、次からは「その言い方やめて」って言うと思う。
    はりねずみの家族の家がうらやましかった。かわいい。葉っぱの上に小さいコップがのっていて、そこにお茶が入っている。お茶は、ぼくのお父さんが好きな緑茶かもしれない。
    ミケがいろんないたずらをするときに、ミケが絵の中のどこにいるのかさがすのがおもしろかった。(小3)

  • 子どもがこれを読んで、どれだけ喜ぶか、あるいは共感するかは分からない。『はじまりのはじまりの…』もそうだったけど、ぱっと見は易しくて楽しそうでも、書かれている内容は結構深く(またちょっとひねりがあって)、ただこの程度の文章を「読める」だけの子は理解までは至らない。「ちょっと変わったお話だったな」くらいの感想で終わり。絵も「変わってる」感を強調する。
    これと『百枚のドレス』を比べれば、読みとりにくさは格段に上。よって子どもにすすめるなら圧倒的に『百枚の』になる。
    でも、松田青子を読んだことのある人なら、死ぬほどではないけど生きるのが辛いことを体験した人の物語として共感できると思う。
    実はみんな変なところはあるんだよ、という描写は良かったが、その自分の「変」と共存して生きているように、トキオくんの「変」とも共存できるとみんなが気づいてくれるとよかったな。

  • ナンセンス童話かしら、と思いました。
    トキオくんに善意の改心をせまるコウキくんを、ミケがパクッと飲み込んでしまうのですから。
    (ミケは、トキオくんの飼い猫です)
    え、一体どうなるの?
    と思いましたが、ちゃーんと落としどころがあって、よかったです。
    ひろせべにさんの絵が楽しい!

  • 学校のみんなに「変なやつ」と言われるトキオ。普通から外れるとたちまち「変」になる貧弱さったら。ミケの言うことが深い。核心をついてくる。傷ついたことや悲しいことをないものにしたらダメ。「やめて」って言われても相手はやめないかもしれないけど、「なんでそんなことするの?」って言われたらたしかに「なんでだろう?」って相手は考えてしまうかもしれない。そうなんだ。みんな変なやつだし変わってるし個性的。自分の考えを超えた人に対する想像力や柔軟さ、器やユーモアが必要でしょ。

  • 松田 青子 (著), ひろせ べに (イラスト)

  • 絵とお話しの雰囲気が合いすぎている

    ミケはトキオくんのことが本当に大好きなので少し悪者になってトキオくんに大切なことに気づいてもらった
    「ミソサバ」「サバミソ」

  •  「みんなぼくをからかってるだけなのになんでそんなことするの? トラを学校に持ってきて、悪いのはぼくなのに」というトキオに答えるミケの言葉がかっこいいです。
    (一般担当/けろけろ)

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著者プロフィール

作家、翻訳家。著書に、小説『スタッキング可能』『英子の森』(河出書房新社)、『おばちゃんたちのいるところ』(中央公論新社)など。2019年、『ワイルドフラワーの見えない一年』(河出書房新社)収録の短篇「女が死ぬ」がシャーリィ・ジャクスン賞候補に。訳書に、カレン・ラッセル『狼少女たちの聖ルーシー寮』『レモン畑の吸血鬼』、アメリア・グレイ『AM/PM』(いずれも河出書房新社)など。

「2020年 『彼女の体とその他の断片』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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