まく子 (福音館の単行本)

  • 1051人登録
  • 3.37評価
    • (39)
    • (115)
    • (158)
    • (32)
    • (14)
  • 157レビュー
著者 : 西加奈子
制作 : 西加奈子 
  • 福音館書店 (2016年2月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834082388

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
朝井 リョウ
原田 マハ
角田光代
辻村 深月
西 加奈子
西 加奈子
恩田 陸
中村 文則
西加奈子
川上 未映子
森見 登美彦
又吉 直樹
西 加奈子
伊坂 幸太郎
宮下 奈都
辻村 深月
西 加奈子
三浦 しをん
有効な右矢印 無効な右矢印

まく子 (福音館の単行本)の感想・レビュー・書評

  • ぼくたちはみんな宇宙人。
    同じ粒からなる生命体。

    粒は変わり続けるもの。
    粒をまき、永遠に受け継がれていくもの、それが”魂”。

    永遠に残るものは、他のものに粒を与えられないもの。
    他のものと、交われないもの。

    永遠じゃないから、美しい…。
    永遠じゃないものは、優しい…。

    とても難しい、無限の世界…。
    いろんなメッセージが、込められているのは想像できても、
    そのすべてを受けとめることは、出来なかった気がします。
    でも、この物語は、それでいいのでは…と思いました。
    たぶん受け止め方は、まく子がまいた光の粒の数。

    なぜ、命あるものは、みな死んでしまうのだろう…。
    永遠ではないのだろう…。
    その答えの一粒だけは、拾えたような気がします。

    最後はぜひ、暗闇で…。
    あなたにも、『まく子』の光の粒が降りそそぐはず…。

  • 少女の秘密が、ぼくの世界を塗り替えた。

    なかなか不思議なお話でした。
    なんだってまきちらすコズエ。
    大人になりたくないという慧。
    集落のちょっと変わったお祭り。

    みんな宇宙人、違うことがおかしいのではなく、みんなおかしい。
    人はみんなコズエと同じで「死ぬ」ことを、「生きる」ことを学ぶためにここにいるのかもしれない。
    たくさんの粒で偶然できた生命体。私が誰かだったかもしれないし、誰かが私だったかもしれないということ。
    気づいた瞬間、慧の視る世界が変わった。類の、ドノの、ミライの本質に気づけた。

    人を信じ、尊重すること。
    与えること、受けいれること。
    変わっていくこと。
    西さんの願いが込められた小説だなと思いました。

  • 挿絵力強い。
    テルテル坊主がリアルに効果ありそう。
    死に向かってどんどん変化していくことはみんな平等な生き方なんだと純粋に伝わります。
    自分のことも知らない人…宇宙人でさえ愛しく思える、今を大切にしたいと優しい気持ちになります。
    砂を撒くのは迷惑なのでホースで水を撒いてみました。撒き散らすのは気持ちいいです。
    コズエも慧も温泉街の人みんな大好きです。

  • 西さん3冊目、嫌いだ苦手だ言いながら手に取ってしまうのは何故だろう?
    物語はどこかレトロな温泉街で心より体が先に大人になりかける頃のボーイミーツガール物語、そんなありきたりな設定ながら全てにおいて巧さが光る。
    慧とコズエの会話の瑞々しさもそうだが「大人になりたくない心」を周回遅れの大人のドノやミライ(昔はいたよね)に投影させるセンスは絶妙。
    そしてその妙ちきりんなタイトルが種明かしされる頃にはアホか!と感動が入り混じる西ワールドにどっぶりとハマる。
    サラバをギュッと濃縮したようならしさ溢れる一冊は読みごたえあり

  • Webで最初の方だけ読んで惹き込まれ、図書館で借りて一気読みした。
     「ぼく」は、大人になるのが怖い。でも体や心の変化は止められない。家族みたいな集落に現れた不思議な少女コズエに惹かれ、ホラのような話を聞いたりするうちに、「ぼく」も否応なく変わっていく。ドノやミライや類という、社会の落伍者のような人間への見方も変わる。それが成長というものか。
     最後は、ほんとにかぐや姫のようになってびっくりした。
     不思議なもやもやする話だったが、なぜか心に響いて、何度も反芻してしまう。
     西加奈子さん自身による挿絵も、力強いクレヨンのタッチで、印象深い。好き。

  • 小学5年生男子が、大人になっていくクラスの女子への違和感。
    女の子がやすやすと超えていくティーンへの壁のまえで足踏みしたり後ずさりする男の子のとまどいが直球で描かれる。そんなこともあったなぁ、と昔を振り返るオトナよりも、ついこの間この壁を超えたばかりのティーンたちにいいかも。
    (登録してなかったのでいまさらだけど)

  • 少年が少年のままでいるのは難しい。
    大嫌いなお父さん(過去に浮気を2回もしているがどこか憎めない)みたいな大人になりたくないと思っている慧。

    思春期の少年の心の揺れが、転校してきた不思議な美少女コズエや旅館を営む両親、そこで働くぺりかんさんやキミエおばちゃん(みなわけあり)クラスメートや変わり者のドノやミライとのかかわりの中でどんどん変化(または成長)していく様がいい。
    タイトルの”まく子”は水でも砂でも粒子を手あたり次第まくのが好きな子でまく子なんだね。

    コズエの中盤までの佇まいが表情がほんとに宇宙人ぽくて好き。

  • これ読みながら、なんとなく「生物と無生物の間」を思い出していた。

    永遠と死と再生。

    大人になりたくないんだけど、大人になっていかなければならない少年。
    永遠の美少女コズエ。

    西加奈子のファンタジーな世界観が素晴らしい。

  • どうやら西さんらしい作品のようだが、イマイチ西さんらしいというのがまだ掴めない…エッセイは好きなんだけど、って毎度お馴染みの感想。
    西さんの小説好きっていいたーいー♪

  • 子供の頃、大人になりたくないと言う気持ち。その心と体の成長過程が甘酸っぱかったです。もっとどっぷりとファンタジーな内容の方が面白かったのでは、と思ったり。中途半端なファンタジーだったので残念でした。

  • どちらかというと児童書的な感じ。
    でも、ところどころで西さんらしい
    まっすぐなグッとくるフレーズにやられる。

  • 心も体も変わる時期、小学校5年生の少年の家が経営する田舎の温泉宿に美しすぎる転校生コズエが引っ越してくる。
    なんでも「蒔いてしまう」コズエは浮世離れした変わった子供である秘密を持っていた。

    コズエは自分が宇宙人だと言う。村にも不思議なことがたくさん起きる。

    光の粒が舞い散るシーンが素敵。カバーを外し、暗い中で本の表紙を見てびっくりした。

  • 生と死と再生と成長と永遠と一瞬のお話。

    ところで、著者紹介の「1977年テヘラン生まれ」って、めっちゃクール。ものもらいに憧れるこっこのように、惹かれる一文。

  • いかにも西さんらしい、と感じた作品。慧の魅力は肉子ちゃんの娘キクちゃんにちょっと似ているように私には思えました。戸惑いながら嫌悪しながらも大人になる慧。不器用ながらも母も父も思う気持ちは純粋で本物でした。宇宙人なんだよ、語るコズエは人の本質を物語っているようで、本当に宇宙人だったかどうかは別にして、去った後の喪失感が読者である私にも痛かったです。それにしても成長過程の子供は何かとややこしい。私達もそうだったように♪

  • +++
    小さな温泉街に住む小学五年生の「ぼく」は、子どもと大人の狭間にいた。ぼくは、猛スピードで「大人」になっていく女子たちが恐ろしかった。そして、否応なしに変わっていく自分の身体に抗おうとしていた。そんなとき、コズエがやってきたのだ。コズエはとても変だけれど、とてもきれいで、何かになろうとしていなくて、そのままできちんと足りている、そんな感じがした。そして、コズエは「まく」ことが大好きだった。小石、木の実、ホースから流れ出る水、なんだってまきちらした。そして彼女には、秘密があった。彼女の口からその秘密が語られるとき、私たちは思いもかけない大きな優しさに包まれる。信じること、与えること、受け入れること、変わっていくこと、そして死ぬこと……。この世界が、そしてそこで生きる人たちが、きっとずっと愛おしくなる。
    西加奈子、直木賞受賞後初の書き下ろし。究極ボーイ・ミーツ・ガールにして、誰しもに訪れる「奇跡」の物語。
    +++

    大人になることに嫌悪感を抱き、女子からはもちろん男子からも距離を置きたがる慧が、「まく」ことが好きな転校生・コズエと出会うことで物語は始まる。田舎の温泉街の密度の濃い人間関係の中で成長していくことは、時に逃げられない窮屈な思いと闘うことでもあるのかもしれなくて、その思いが、一風変わったコズエを知ることで、外へ気持ちを向かわせるきっかけにもなっているような気がする。慧にとってだけではなく、ほかの人たちにとっても、コズエやそのオカアサンとの出会いは、あるべくしてあったことなのだろうと思われる。どんな人にもコズエがいてくれたら、と思わされる一冊である。

  • コジコジのような不思議でかわいくて面白くて、でも生々しくて核心的な素晴らしいファンタジー
    作品でした。
    ドノが話をするページでなぜだか涙が止まらなくなりました。きっとそれは私のなかにあったはずなのに忘れてしまっていた大切なことだったからだと思います。そういうものたちが本のなかに散りばめられています。
    小学校の図書館の片隅におかれていてほしい。そしてそれが必要な子供に見つけてほしい。できれば沢山の子供たちに。

  • 児童書なのかな?とてもいいもん読んだわ。

  • タイトルからは内容が全く想像できなかったのですが
    まさか何でも撒く子ども=まく子だとは思いませんでした。

    途中宇宙人やら何やらの話が出てきますが別に荒唐無稽な話ではなく
    とても筋が通った素敵な話でした。
    人に限らず物質は素粒子の集まりでそれが絶えず変化して構成されているというのは
    学術的にも一応真実とされていることでそれを文学的に表現すると
    人は粒が集まって出来ているという言葉に繋がってくるのだと思う。
    感覚的に納得しやすいというかそんな感じでした。

    そして主人公が小学校高学年の男の子なのですが
    小学生のときに自分が何を考えていたかを思い出させてくれるような感じでした。
    今小学校低学年の息子や娘がいますが子供達もこんな思いを抱いていくのかなと
    大人の視点だけでなく理解していかないといけないなと思わせてくれました。
    そんな忘れかけた思いを思い出させてくれ読後感も良い楽しい小説でした。

  • コズエが町を去るシーン以降が×Б▼Ψ…。コズエが慧たちに何を遺し、それを未来にどう引き継くかが判れば、それ以上はミステリアスにもファンタジックにもする必要はなかった(むしろコズエ母娘は窃盗や詐欺で全国を行脚する典型的なオチでも良かった)。たとえば慧と親友、ドノ、ミライ、類、いろは荘の住人が何らかのお告げ(それは幻想的なモノでも、コズエから直接告げられたものでも構わない)によって常盤城に導かれ、でも結局は何も起こらず、ただコズエ母娘が(ペリカンさんのカメラなどと共に)消えていたような展開でも十分だったかと…

  • 2017.05.28読了

    不思議なお話し。
    話の展開は好みではないが、
    そーだよね!
    と思えるところが
    特に最後の方にあり、
    最後まで読んでよかった。

    読み終わってまく子 という題名も
    いい題名に思えた。
    主人公の慧(サトシ)の気持ちの変化がいい。

    私の許容範囲を超えた作品。

  • うーん…私には合わない話でした。

  • 変わることは怖いのだけど。
    「変わらない」を手にしたら「変わりたい」を求めるのかな。
    小さな永遠ではなく、変わって、死んで、再生する。そんな大きな永遠の流れにいると考えたら安心するのかな。

  • 大人になりたくないと抗う少年の不安定な気持ちが描かれていて西さんやっぱり凄い!って思いました。

    ただコズエの存在についてはやっぱり無理(笑)
    えぇぇー!って思うしかないです。
    サラバはすごい好きだったけど西さんのは最近合わないのが多いな…

  • 主人公の男の子・慧(さとし)は、思春期の入り口に立ったばかりの5年生。父親をはじめ自分を取り巻く自分より年上の「大人たち」の行動や反応に、野蛮、不潔、ばかという印象を抱き「大人たち」に近づいていく自分の体の変化を拒絶し、心がついていけないでいる。転校生として慧の前に現れた美しい女の子・コズエは、撒くことが好きで、慧にとってコズエの行動には「子ども」を感じることができた。撒く、という共通の行動を通して、慧はやがてコズエ心を許し、慧の心の葛藤を時折素直にぶつけるようになる。コズエは慧の葛藤に正面から向き合う。コズエは宇宙人で、自分の星で起きていることと慧の身に起きていることを比べていくうちに、永遠ではない儚さの美を悟る。これは慧の葛藤を解く鍵にもなる。慧の「大人」へ、そして「老い」ゆくこと、変わりゆくことへの恐怖が、コズエの言葉を信じることで去り、新しい自分を受け入れる勇気となる。
    コズエが去るシーンでは、一瞬、慧の想いをコズエに裏切られたかのように感じ不安になるけれど、最終的に慧とコズエの想いは通じ合っていたし、コズエと築いた絆は、慧の魂に永遠の想いとして刻まれたのだと思う。そのシーンが、子供らしく純粋で優しく美しいシーンとして強く印象に残った。
    内容とは離れるけれど「まく子」の表紙には、蓄光インクで慧とコズエが撒いた小石と思われる絵が描かれている。暗闇で光るその様子は、宇宙を思わせる。こうした計らいが、この本を、この物語をより一層引き立て、楽しませてくれているように思う。

全157件中 1 - 25件を表示

まく子 (福音館の単行本)を本棚に登録しているひと

まく子 (福音館の単行本)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

まく子 (福音館の単行本)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

まく子 (福音館の単行本)の作品紹介

小さな温泉街に住む小学五年生の「ぼく」は、子どもと大人の狭間にいる。ぼくは、猛スピードで「大人」になっていく女子たちがおそろしく、否応なしに変わっていく自分の身体に抗おうとしていた。そんなとき、コズエがやってきた。コズエはとても変で、とてもきれいで、なんだって「撒く」ことが大好きで、そして、彼女には秘密があった。信じること、与えること、受け入れること、そして変わっていくこと……。これは、誰しもに訪れる「奇跡」の物語。

ツイートする