まく子 (福音館の単行本)

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著者 : 西加奈子
制作 : 西加奈子 
  • 福音館書店 (2016年2月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834082388

まく子 (福音館の単行本)の感想・レビュー・書評

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  • ぼくたちはみんな宇宙人。
    同じ粒からなる生命体。

    粒は変わり続けるもの。
    粒をまき、永遠に受け継がれていくもの、それが”魂”。

    永遠に残るものは、他のものに粒を与えられないもの。
    他のものと、交われないもの。

    永遠じゃないから、美しい…。
    永遠じゃないものは、優しい…。

    とても難しい、無限の世界…。
    いろんなメッセージが、込められているのは想像できても、
    そのすべてを受けとめることは、出来なかった気がします。
    でも、この物語は、それでいいのでは…と思いました。
    たぶん受け止め方は、まく子がまいた光の粒の数。

    なぜ、命あるものは、みな死んでしまうのだろう…。
    永遠ではないのだろう…。
    その答えの一粒だけは、拾えたような気がします。

    最後はぜひ、暗闇で…。
    あなたにも、『まく子』の光の粒が降りそそぐはず…。

  • 少女の秘密が、ぼくの世界を塗り替えた。

    なかなか不思議なお話でした。
    なんだってまきちらすコズエ。
    大人になりたくないという慧。
    集落のちょっと変わったお祭り。

    みんな宇宙人、違うことがおかしいのではなく、みんなおかしい。
    人はみんなコズエと同じで「死ぬ」ことを、「生きる」ことを学ぶためにここにいるのかもしれない。
    たくさんの粒で偶然できた生命体。私が誰かだったかもしれないし、誰かが私だったかもしれないということ。
    気づいた瞬間、慧の視る世界が変わった。類の、ドノの、ミライの本質に気づけた。

    人を信じ、尊重すること。
    与えること、受けいれること。
    変わっていくこと。
    西さんの願いが込められた小説だなと思いました。

  • 挿絵力強い。
    テルテル坊主がリアルに効果ありそう。
    死に向かってどんどん変化していくことはみんな平等な生き方なんだと純粋に伝わります。
    自分のことも知らない人…宇宙人でさえ愛しく思える、今を大切にしたいと優しい気持ちになります。
    砂を撒くのは迷惑なのでホースで水を撒いてみました。撒き散らすのは気持ちいいです。
    コズエも慧も温泉街の人みんな大好きです。

  • 西さん3冊目、嫌いだ苦手だ言いながら手に取ってしまうのは何故だろう?
    物語はどこかレトロな温泉街で心より体が先に大人になりかける頃のボーイミーツガール物語、そんなありきたりな設定ながら全てにおいて巧さが光る。
    慧とコズエの会話の瑞々しさもそうだが「大人になりたくない心」を周回遅れの大人のドノやミライ(昔はいたよね)に投影させるセンスは絶妙。
    そしてその妙ちきりんなタイトルが種明かしされる頃にはアホか!と感動が入り混じる西ワールドにどっぶりとハマる。
    サラバをギュッと濃縮したようならしさ溢れる一冊は読みごたえあり

  • Webで最初の方だけ読んで惹き込まれ、図書館で借りて一気読みした。
     「ぼく」は、大人になるのが怖い。でも体や心の変化は止められない。家族みたいな集落に現れた不思議な少女コズエに惹かれ、ホラのような話を聞いたりするうちに、「ぼく」も否応なく変わっていく。ドノやミライや類という、社会の落伍者のような人間への見方も変わる。それが成長というものか。
     最後は、ほんとにかぐや姫のようになってびっくりした。
     不思議なもやもやする話だったが、なぜか心に響いて、何度も反芻してしまう。
     西加奈子さん自身による挿絵も、力強いクレヨンのタッチで、印象深い。好き。

  • 小学5年生男子が、大人になっていくクラスの女子への違和感。
    女の子がやすやすと超えていくティーンへの壁のまえで足踏みしたり後ずさりする男の子のとまどいが直球で描かれる。そんなこともあったなぁ、と昔を振り返るオトナよりも、ついこの間この壁を超えたばかりのティーンたちにいいかも。
    (登録してなかったのでいまさらだけど)

  • 少年が少年のままでいるのは難しい。
    大嫌いなお父さん(過去に浮気を2回もしているがどこか憎めない)みたいな大人になりたくないと思っている慧。

    思春期の少年の心の揺れが、転校してきた不思議な美少女コズエや旅館を営む両親、そこで働くぺりかんさんやキミエおばちゃん(みなわけあり)クラスメートや変わり者のドノやミライとのかかわりの中でどんどん変化(または成長)していく様がいい。
    タイトルの”まく子”は水でも砂でも粒子を手あたり次第まくのが好きな子でまく子なんだね。

    コズエの中盤までの佇まいが表情がほんとに宇宙人ぽくて好き。

  • これ読みながら、なんとなく「生物と無生物の間」を思い出していた。

    永遠と死と再生。

    大人になりたくないんだけど、大人になっていかなければならない少年。
    永遠の美少女コズエ。

    西加奈子のファンタジーな世界観が素晴らしい。

  • どうやら西さんらしい作品のようだが、イマイチ西さんらしいというのがまだ掴めない…エッセイは好きなんだけど、って毎度お馴染みの感想。
    西さんの小説好きっていいたーいー♪

  • 子供の頃、大人になりたくないと言う気持ち。その心と体の成長過程が甘酸っぱかったです。もっとどっぷりとファンタジーな内容の方が面白かったのでは、と思ったり。中途半端なファンタジーだったので残念でした。

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まく子 (福音館の単行本)の作品紹介

小さな温泉街に住む小学五年生の「ぼく」は、子どもと大人の狭間にいる。ぼくは、猛スピードで「大人」になっていく女子たちがおそろしく、否応なしに変わっていく自分の身体に抗おうとしていた。そんなとき、コズエがやってきた。コズエはとても変で、とてもきれいで、なんだって「撒く」ことが大好きで、そして、彼女には秘密があった。信じること、与えること、受け入れること、そして変わっていくこと……。これは、誰しもに訪れる「奇跡」の物語。

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