池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」

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著者 : 池上彰
  • 集英社 (2009年6月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834251593

池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」の感想・レビュー・書評

  • 難しいマルクスの資本論をわかりやすく

    教えてくれる本!

    ワクワクしながら読めました!

  •  今こそ、資本論。
     女性新入社員の自殺で電通に強制捜査というニュースが話題になっている。
     自由放任の資本主義に任せていると、労働者は悲惨な状況に落とし込まれますよ、という資本論の警鐘が現代日本で再現されてしまった。

     マルクスは資本主義の行きつく先に社会主義革命が起こると主張した。
     池上彰の本書が書かれたのは7年前、年越し派遣村など派遣切りが問題になっていたリーマンショック後のころだ。

     さて、革命は起きたか?起きそうか?
     社会主義革命は起きそうにないが、カウンターカルチャーとしてブリグジットだったり、欧州の右派政党の躍進だったり、フィリピンのドゥテルテ大統領やトランプ現象といった既存政治に対する強烈な揺り戻しが起きている。

     日本でも気配を感じる。今の状況は怒りと白けに二分化されているように思う。
     中流、中道、中庸が失われてきている。

     何が必要か、どうすれば良くなるのか、そんなことは誰にも分からない。
     反知性主義に陥ることなく、知識を蓄え考え続ける態度が重要に思う。

     普通の読書するひとで資本論を読み下すのは三カ月ほどかかるそうだ。俺にもムリ。
     資本論のエッセンスを本書ではわかりやすく説明する。資本論がどういうものかを知るには良書でした。

  • 340

    2016年では120冊

  • 2016.7
    ずっと読みたかった資本論。
    池上さんならではの、わかりやすい解説で最後まで読むことできた。
    資本主義がどういうもので、どうなっていくのか、人間の心理とか集団心理とかを考慮しながら、今にも通ずることを大昔に書いているマルクス、すごいと思った。

  • 池上彰が資本論を解説してくれる本。
    同じことが何度も書かれていて、資本論の入門書としては最高かなと。
    原文のところは難しくて、つい飛ばして…

    資本論自体に対しては、資本主義の原理が凄く難解な文章で書かれてて正直もういいです。。

  • かなり噛み砕いて説明してくれている。同じことを繰り返し述べているため、資本論の要旨を理解するのにもってこい。
    著者の工夫に感心する。

    そもそも、資本論は時代が違うこともあってか理解しにくいことこの上ない。実際、経済学部の学生、下手をしたら院生でも読み解けるかどうか疑わしいレベルである。一時期の「蟹工船」ブームで社会主義のバイブルである資本論を手に取った人も挫折したことだろう。

    このような入門書があることは大変ありがたい。

  • なんだかんだ言って池上さんの本はわかりやすい。特に難解な本や思想の解説はすばらしい。
    資本論って共産主義バンザイの本だと思っていたが全然違っていて、資本主義の危険性を示唆する良書だったと理解した。

  • マルクス経済学を大学の講義で受講しなければならないとなると、また違った見方をシなければいけないと思うが、最近ピケティの著作から資本論を読んでみようと思った読者にとっては取っ付き易い本だった。
    数々のレビューにもあるように、この本を読んで資本論が分かったと思うべきではないとは思うが、それでも難解な資本論を一般読者が(単位修得などの目標もなく)読み進めていくためには、このような参考書、メンター的な本があった方がいいとは思う。
    ある程度資本論の内容をこれで把握し、実際の資本論を読み進めていくという形でいいのではないでしょうか?

  • マルクスが考える資本制社会の構造、問題点、良い点、行く末について、難解な原文を平易な言い回しで分かりやすく解説してくれる。また、「マルクス」「資本論」が経済史的にどのような位置付けにあるのか、後世にどのような影響を与えたのかについても解説してあるため、より大局的な視座で資本論に触れることが出来、大変面白い。

  • ・使用価値が違うのにある一定の比率によって交換できるのはなぜか、そこに共通するものがあるに違いない。と考えた。量的比率の背後にあるものは人間の労働だと。

    ・欧米の文学作品や論文を読むと、キリスト教的な常識があることを前提に論理が展開されていることが多い。

    ・値段のことをネというのは昔、稲がが交換手段として使われていたから。

    ・お金自体を増やそうという人、これが資本家だとうこと。

    ・マルクスは商品を分析することから始めてみんな等価交換なんだけれど、そうしているのになぜ資本がふえていくのかという不思議な動き、その謎を解いた。

    ・資本主義は、悪いことだけでなく、みんなが一緒に働く、協力して働く、そういう力、生きがいを身につけると同時に様々な教育を受けられるようになってくる側面もある。

    ・資本主義はそんままにしておくとひどい状況をもたらすかということを「資本論」は指し示している。

    ・ものが売れないのだったら国が借金をして公共事業をすることで、商品に対する需要をつくりだし、景気をよくすればいいというのがケインズの考え方。もうかったうちの一部は税金を収めるのだから、その税金を借金で返せばいいとうこと。

  • 今『資本論』が読みなおされているそうです。
    その今とは、「国内でベンツの売上が過去最高」と「派遣法が改正され派遣労働者はより厳しい立場に」というニュースが同時に流れ、株価は上がり、同時に実質賃金は下がっている、そんな時代です。

    つまり、140年前にマルクスが予言したとおりの展開だと。

    さすがマルクス、しかし言ってることは難解(笑)。
    なので、池上さんに解説してもらいました。
    やっぱり良く分かります。

  • 高校生とはいわず、中学生もしくは小学生から読ませたい本。
    中学生の頃に出会っていれば私の人生も変わってたかな。

  • マルクスの資本論って、左翼のイメージ強くて、全く避けて生きてきた。ところが、ここ10年くらい、市場経済は大混乱だし、近代経済学の教科書書いた先生は懺悔本出すわで、経済学って一体なんなの?って思ってた。
    ここんところ、本屋にマルクス関連の書籍がたくさん並ぶようになったので、今更ながら、マルクスって何なの?と思い、まずは入門書を、とこの本を読んでみた。
    ‥‥想像していたのとまったく違った。こんな文章なんだ、資本論て。この本は資本論からエッセンスを抜粋しながら池上氏が解説してくれてるんだけど、逆に原文を通しでまず読んでみた方が良かったかもしれない。マルクスって非常に詩的な文章を書くんだなとびっくりした。難解だけど、頭の体操にはなるかも‥‥。さらに、本屋での扱いは、哲学の分類なのか。
    ちなみに、この本を読んで、なぜマルクスが再評価されているのかがわかった。
    「資本主義はそのままにしておくといかにひどい状況をもたらすかということを、マルクスの資本論は見事に指し示している。日本の戦後はそうならないようにといろんな規制をかけてきた。ところが新自由主義が出てきて、そんな規制をかけるから資本主義の発展には限界がある。やめてしまえばもっとよくなると規制を止めてみたら、ふと気づけば、19世紀にマルクスが言ってたのと同じことがまた起きちゃった」ということらしい。

  • 池上彰先輩の著書、マルクスの理論を読み砕く。簡単に読めるようにしてくれている。でもやはり知的レベルを要する。


     浅い内容だから物足りなさを感じる人もいるはず。
     高校レベルの政治経済の知識は必要だと思う。

     この本では社会主義と共産主義の違いを言えるようにはならないです。
     

    ______
    p35 ロシアで始まった社会主義
     マルクスの考えた社会主義は資本主義が十分に発展した社会で、知的レベルも十分に整った環境で実践される革命であった。しあkし、レーニンが起こしたロシアでの革命はその前提が整っていなかった。

    p39 マルクス・レーニン主義
     マルクスが考えた理論をレーニンが実践できたのだから、二つをセットの物と考えようという思想である。
     知識階級が知識のない労働者を引率して社会主義革命を実践するという思想である。

    p67 サラリウム
     ローマ帝国時代、兵士は塩を給料にもらっていた。その塩が「サラリウム」という。サラリーの語源。

    p81 八十二銀行
     明治維新後、銀行は番号順にできていった。長野県にあった六十九銀行と十三銀行が合併した時にできたのが、八十二銀行。先代にある七十七銀行もその当時の名残。

    p97 資本家
     資本家は、意識的に抽象的な富をより多く手に入れようと運動する者である。
     資本は移動することによって余剰価値を生む。それが資本である。それを最大化し、さらに投資して増やすのが資本家のお仕事。この行動によって社会の余剰価値がどんどん増えていく。

    p114 スモーキング・フリー
     海外で「Smoking Free」という標識の場所を喫煙所と勘違いして一服してしまう日本人が多いらしい。この標識は「タバコからの解放」という意味で、禁煙場所の意味である。Freeという言葉には「自由である。~から自由になる」という二つの意味があるので注意。

    p117 労働力の再生産
     労働者が貰っている給料の内訳には「労働力の再生産」が含まれていることを知らなければいけない。
     人間は生きるための活動が必要である。また、労働者は子供を産んで次世代の労働力も生産している。企業はその労働力の再生産分も給料として支払う責任がある。
     だから扶養控除とか扶養手当という物がある。

    p133 不変と可変
     機械自体やその部品はそこから価値は変わらないから普遍資本。労働者が働いたことで新たに付加価値がついたものを可変資本という。
     労働力は付加価値をつけてはじめて労働力と言える。働く人間は付加価値をつけられる人間という意味である。

    p142 剰余労働=豊か
     労働は必要労働と剰余労働の二つの部分に分けられる。ノルマの部分が必要労働。ノルマ以上の価値を出した部分が剰余労働。
     剰余労働は言うなれば、労働者の企業への御恩と奉公である。言い換えれば企業の搾取部分である。
     搾取と分かれば労働者はそこまで働く必要はない。しかし、その剰余労働があるからこそ社会は発展して高品質の商品サービスが供給される。
     プラマイゼロの労働は正義だが、プラスの少ない社会で生きることの「物足りなさ」を考えつつ働かな良い社会はできない。だからこそ、お互い様なのである。

    p155 等価交換なんだけど
     世の中等価交換の法則で動いているはずである。しかし、現実社会では資本がどんどん増えるようになっている不思議である。それは労働者から搾り取った物や将来の先取りだが、そのおかげで社会は豊かになって、等価交換を上回ることができている。
     結局、大事なのはフリーライダーを出さないことだ

    p163 金持ちの社長は少ない
     現代の日本の社長は≠資本家である。金持ちが社長になるのではなく、... 続きを読む

  • 読解しにくいマルクスの資本論を、分かりやすく解説。
    経済の知識をつけたければ、一度は読んでおくべき。

  • よかったですね。池上さんが書かれているとおり今この時だからこそ読みたくなった、そして読む時期だったのかも知れない。格差が広がる社会。なぜこの世の中はいまのような成り立ちをしているのかを考えると、必然的に資本主義とは?という疑問がわいてくる。「資本論」を買ってみたもののとても読めそうになく挫折しました。池上さんのおかげで少し理解出来たかと思います。最初高校生向けに口語体なのが気になりましたが、読み進めるうちにその方が良かったと思えてきました。

  • 高校生への授業形式の解説をもとにしただけあって、かなりざっくりしたところはあるが、『資本論』のポイントが、いつもの池上彰口調でたいへんわかりやすく解説されている。また、『資本論』を読んでどう受け止めるかを読者に託すなど、『資本論』を扱う書物として中立的であろうとしている姿勢にも好感が持てる。
    『資本論』の内容そのものについては、そもそも労働価値説に疑問があり、この本を読んでもそれは変わらなかったが、一つの考え方の前提としてそれを受け入れたとしたら、資本主義社会での労働者の状況をよく説明できる理論ではあると感じた。確かに、現代にも与える示唆は結構あると思った。
    それにしても、池上氏も強調しているとおり、「該博な知識の披瀝、華麗なレトリック」にあふれたマルクスの文章はわかりにくいと思う。簡単に説明できることを、わざとわかりにくく書いているように感じる。その点で、本書のような本はとてもありがたいと思う。

  • マルクスのレトリックに対する著者の苦言とつっこみが、この本の存在理由を表している。

  • 「自分の労働力なんだけれど、労働力の使用権を資本家に売っているわけだから、その日一日資本家のもの。」

    自由な労働者は、自由な人間として自分の労働力を商品にできると同時に、労働力以外に売るべきものをもっていない点で自由である。

    機械化が進むことで、労働力の価値が下がる。平均単価が安くなる。業務の密度が上がることでそこで必要とされる人間は減る。そこでさらに労働力が買いたたかれ、資本はさらなる資本を生み出す。

    派遣労働者は従業員ではない。
    なぜ資本家側に回ろうとしないのか。
    資本家は資本家同時でつぶし合い、一つの大きな資本家がすべてを支配するようになる。それはまるで帝政。しかし、いつまでも使われる側で甘んじていてはだめなのだ。

  • 素人が資本論に触れる本としては、とてもよい参考書!!やはり内容は専門的であるけれど、頑張って読破したくなるようだ。

  • これから訳書を読んだり勉強したりするなら、まずこの本から取り掛かったほうがいい。理解までの時間が段違い。高校生のときに読んでいたら大学での経済学の捉え方が変わっていたかも。ああ、でも今この状況だから染みることもあるので、今読んでよかったのかもしれない。難解な言葉遣いについては池上さんがチクリとやっていて、自分の理解力のなさを嘆かなくてもいいのだと思った。章のトビラにあるイラストが本質を突いていて秀逸。

  • 今や毎日テレビに出ているような人である池上彰さんの本です。”資本論”って世界史の授業とかで一度は耳にした事があると思いますが、実際手に取って読んだ人は少ないでしょうね。私もその一人です。この本は概要が知りたい人には良いと思いますよ。

  • よく分からないマルクスの資本論をかみ砕いた本。
    なんということだ、すごく分かりやすい!!

    社会主義を書いた本可と思ってたが、資本主義を徹底的に分析した本だったのか。140年前にグローバル社会までを描いたとは全く知らなかった。へーと感心するばかり。
    当たり前といえば当たり前な派遣社員の存在が正社員の給与を引き上げれない要因とか、思い当たる例も非常に多く面白かった

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