池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」

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著者 : 池上彰
  • 集英社 (2009年6月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834251593

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池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」の感想・レビュー・書評

  •  私が大学に進学しようとしていた1990年代中頃、マルクス経済学を専門とする教授を抱える経済学部に進学することについて「時代遅れ」と酷評していた本を私は読みました。
     私は食わず嫌いの横着をして、マルクスの著書に当たることなく、新自由主義の経済学者の論をかじっただけで、経済学をわかったような気がしていました。
     本書にも

     今全国の大学でマルクス経済学をちゃんと教えている学部は、ほとんどありません。経済学といえば数学を使った理論というふうにすっかりなってしまったのね。だけど、戦後しばらくの間は、日本中みんなマルクス経済学を教えていたんです。(pp.24-25)

    と記述されています。

     もちろん、数年前の私は新自由主義者、小さい政府が妥当だと信じていました。
     しかし、今の時勢をみているとそうじゃない、という違和感を覚えていました。
     そうしたとき、佐藤優氏が「マルクスの資本論は必読だ。」と本で主張しておられたものですから、読んでみようと決意した時に見つけたのがこの書でした。

     著者自身もこの書で繰り返し語っていますが、マルクスの言葉は難解である故、翻訳本でも読解は困難でした。
     しかし、著者は現在の状況をふまえ、翻訳をさらに解説し、理解しやすくしてくださっています。

     わかりやすい解説もあり、この書では目から鱗が落ちるがごとく、新鮮な驚きの連続でした。

    最後に
     
     学生時代には、「『資本論』が読み進めないのは自分の力がないからだ」と思っていたのですが、今になって読み直すと、単にマルクスがわかりやすい説明をしていなかったからだと思うようになりました。該博な知識の披瀝、華麗なレトリックの数々の文章は、いったい誰に読んでもらおうと思って書いたのでしょうか。(p.287)

    とは、本書末尾の「おわりに」からの引用です。
     こういう言い方、私は好きです(笑)

     おりしも、著者出演の先般衆議院議員選挙のテレビ東京での特番が話題になっていることもあり、著者に非常な親近感と好意を持ちました(^^)

    『資本論』自体に興味がなくとも、第一講「『資本論』が見直された」と第二講「マルクスとその時代」は一読の価値が大いにあると感じました。

  • これから訳書を読んだり勉強したりするなら、まずこの本から取り掛かったほうがいい。理解までの時間が段違い。高校生のときに読んでいたら大学での経済学の捉え方が変わっていたかも。ああ、でも今この状況だから染みることもあるので、今読んでよかったのかもしれない。難解な言葉遣いについては池上さんがチクリとやっていて、自分の理解力のなさを嘆かなくてもいいのだと思った。章のトビラにあるイラストが本質を突いていて秀逸。

  • 「メモ」
    派遣労働者に払う費用=物件費
    ⇒モノ扱い

    「資本主義が発展すればするほど労働者の労働条件はどんどん悪くなっていって、労働者が人間として扱われない。まるでモノみたいに扱われることに耐えられなくなってくる。そうなると、労働者の不満が高まって、労働者がこの社会を変えようという動きが高まり、やがて革命が起きる。」

    東西冷戦時代で社会主義にならないようにと資本主義の国々が労働の権利を守っていた
    ⇒終身雇用、年功序列、社会福祉、雇用保険
    ⇒談合的な体質

    第二次世界大戦
    ⇒反省
    ⇒マルクス経済学者「戦争はいけない」主張していた
    ⇒マルクス経済学見直し
    ⇒全国の大学の主流に
    ⇒新自由主義が入ってくる
    ⇒マルクス経済学が教えられなくなる

    マルクスの誕生日⇒子供の日

    ヘーゲル哲学

    1917年ロシア革命
    ⇒レーニン
    ⇒まだ早かった
    ⇒民主主義、自由な選挙は実現できなかった


    資本主義経済が発展することで社会が豊かになる
    ⇒労働者は貧困
    ⇒大工場での労働者→団結
    ⇒革命へ

    チャベス
    ベネズエラの大統領
    ⇒資本主義体制を社会主義体制へ
    ⇒別に革命を起こす必要はない

    マルクス・レーニン主義
    ⇒マルクスの理論に基づいてレーニンが革命
    ⇒両者は一体として考えるべき、思想

    世の中は商品であふれている
    ⇒1つ1つの商品を解析
    ⇒資本主義全体を見る
    ⇒使用価値と交換価値
    ⇒使用価値だけ→商品ではない
    ⇒誰かのため→初めて商品になる
    ⇒等価な労働力という基準(A=B=C)
    ⇒労働力=労働時間
    ⇒労働時間:社会全体としての平均的な労働時間

    労働力が受肉している
    ⇒キリスト教的な表現
    ⇒それだけ貴重な尊いものが商品の中に含まれている、と読む


    「自分が働くことによって誰かに喜んでもらえるという働きがい、生きがい」


    日本:稲「ネ」→値
    中国:子安貝
    ローマ帝国:塩→サラリウム→salary


    全ての商品とイコールで結ぶことのできる商品
    ⇒貨幣
    ⇒貨幣の価値が半分に→インフレ
      貨幣の価値が2倍に→デフレ
    ⇒W-G-W G-W-G’

    お金ではなく、お金といつでも交換しますよ
    ⇒預り証
    ⇒遠くに持っていくのが大変、腐る
    ⇒紙幣
    ⇒金本位制
    ⇒「本当にあの銀行金持ってるの?」
    ⇒取り付け
    ⇒日銀のみ紙幣発行可能

    お金の昨日
    1価値尺度
    2価値の保存
    3支払い手段
    4世界貨幣
    ⇒全く違うお金の単位を使っている国との取引
    ⇒金に戻る
    ⇒ブレトン・ウッズ体制
    ⇒アメリカグループに入っているとこんなに豊かになるんだよ
    ⇒マーシャルプラン
    ⇒ドルばらまき
    ⇒フランスやイギリスによる取り付け→ニクソン声明
    ⇒ドル価値は下がったけど、流通していたので、そのまま世界のお金へ

    旧約聖書、新約聖書、コーランは読むべし

    GでWを買い、付加価値をつけてからGに
    ⇒資本の誕生
    ⇒資本の人格化、資本を増やすことへの欲求
    ⇒使用することで価値の源泉となるような性質を持つ商品
    ⇒労働力
    ⇒使うことによって新しい価値が生まれる
    ⇒お金を持つ資本家=労働力を持つ労働者


    労働力の価値
    ⇒労働者が元気になって再び働けるようになるための費用
    ⇒給料
    ⇒労働力の再生産費用
    ⇒必要労働費
    ⇒必要労働+剰余労働=労働日
    ⇒剰余労働→搾取

    不変資本と可変資本
    ⇒固定資産と流動資産??
    ⇒不変資本:機会 可変資本:労働力


    労働者がどうやって人間として扱われて、人間的に働いて、
    ⇒新たな価値
    ⇒社会全体が豊かに
    ⇒これをどう実現するか
    ⇒工場法
    ... 続きを読む

  • (2010.01.18読了)
    「学生時代には、「『資本論』が読み進めないのは自分の力がないからだ」と思っていたのですが、いまになって読みなおすと、単にマルクスがわかりやすい説明をしていなかったからだと思うようになりました。」と池上さんは、「おわりに」に書いています。
    的場昭弘さんの「超訳資本論」全3巻を読んだのですが、簿記を使って説明してくれたら随分わかりやすくなるのでは、と思ったりしたのですが、どうなのでしょうか?
    的場さんの本を読んでもよくわからないので、池上さんならわかるかと思って読んでみたのですが、それなりのまとまりをもった構成にはなっているようですが、あまりにも現代に引きつけ過ぎているように思います。高校生にもわかるように、という狙いなので、やむを得ないことなのでしょう。もう一冊ぐらい別の本にあたってみましょう。

    「資本論」は、全三巻になっているのですが、この本では、第一巻だけを扱っています。使用したテキストは、筑摩書房刊のマルクス・コレクションⅣ・Ⅴ「資本論 第一巻」(上・下)2005年発行です。

    ●金融恐慌は、新自由主義のため(21頁)
    マルクスが「資本論」を書いていたころの時代には、恐慌というのがひっきりなしに起きていた。東西冷戦時代で社会主義にならないようにと資本主義の国々が労働者の権利を守り、経済がひどい状態にならないようにといろんな仕組みを作ったことによって、恐慌というのは起きなくなっていたのに、新自由主義によって、すべてを自由にした途端に、再び恐慌が起きるようになってしまったのではないか、ということなのです。
    ●「資本論」を要約すると(41頁)
    人間の労働があらゆる富の源泉であり、資本家は、労働力を買い入れて労働者を働かせ、新たな価値が付加された商品を販売することによって利益を上げ、資本を拡大する。資本家の激しい競争により無秩序な生産は恐慌を引き起こし、労働者は生活が困窮する。労働者は大工場で働くことにより、他人との団結の仕方を学び、組織的な行動ができるようになり、やがて革命を起こして資本主義を転覆させる。
    ●使用価値(57頁)
    人間の労働が受肉されて使用価値を持っているということは、人間の労働こそが尊いもので、人間の労働があってこそ世の中すべての商品には価値があるものなんだよ、労働が受肉されているから使用価値なんだよ、とマルクスは言いたいのです。
    ●貨幣の機能(81頁)
    貨幣には三つの機能があります。
    貨幣は、まずは価値尺度になります。
    それから、お金の価値は保存することができます。
    それから支払い手段になります。
    ●金儲けの仕組み(106頁)
    資本家というのは、工場を建てたり、機械を買ってきたり、原材料を買ってくるのと同じように、労働力を買ってきてここで製品を作らせる。するとその製品は、買ってきたものよりも高くなる。こうやって資本家は金をもうけているんだ
    ●先のことなど(147頁)
    洪水は我れ亡き後に来たれ!これがあらゆる資本家と資本主義国家の合言葉である。だからこそ資本は社会によって強制されない限り、労働者の健康と寿命に配慮することはない。
    ●労働者の能力を高める(210頁)
    資本主義というのは、何も悪いことばかりではない。みんなが一緒になって働く、協力して世の中を動かしていく、協力して働くとそういう力を身につける、そういう生きがいを身につけると同時に、子どものころから様々な教育を受けられるようになってくる。資本主義というのは資本家は金儲けのためにいろいろやるんだけど、それは結果的に労働者が能力を高めていくことにもなる

    ☆池上彰の本(既読)
    「池上彰のこれでわかった!政治のニュース」池上彰著、実業之日本社、2006.09.15
    「池上彰の「世界がわかる!... 続きを読む

  • 資本論とても分かりやすくまとめられている。

    最後のページにある様に、10年20年前に読んだら「今の世の中こうじゃないしマルクス古臭いな」と思うだろうが、140年前にここまで資本主義について予見的な事を考えられているというのは凄いと思う。
    大きな資本家が小さな資本家をたくさん飲み込んでM&Aした後の未来は残念ながら死んでしまって記載はないけれど…これからが正にその後になる。どうなっていくのか?マルクス予想的な労働者の革命は起きなさそうだが…

  • さすが池上さん。10%くらいだった理解が30%くらいになりました。
    G→W→G'にするのが資本家。
    マルクスに学んで、そこに書いてあった革命を避けるために各国政府は政策を作り上げていったのだけど、立ちいかなくなり新自由主義に舵を切ったところ、マルクスが資本論の中で書いてた通りになっていった。と。
    なんで、立ちいかなくなったんだっけ??というところがわからん。読み直さんと。

    労働力の、価値は労働力の再生産費である。物価が下がるということは、再生産費が下がることになり、給料が下がることになる。
    このことだけで、デフレが国を滅ぼすことになる、という事がよく分かりました。

  • 池上彰 氏による資本論1巻入門書。派遣切り問題から資本主義を考えるのは、わかりやすい。特に 資本論に出てくる 用語の理解に役立つ

    資本論のネライ
    労働者自ら団結し 革命を起こして、労働者の社会を作る


    使用価値があり交換価値があるから、商品は交換できる
    使用価値が異なるのに 交換できるのは 労働という共通点があるから

    貨幣退蔵=価値を保存できる→お金はいくらあってもいい(黄金欲が目覚める)

    貨幣が資本に転化する G→W→G'
    資本家=人間の皮をかぶった資本

    マルクスが 大工場など協業による生産性向上には 前向きだったことは 初耳

  • 池上さんは、テレビでの分かりやすいトーク同様に、本も本当に分かりやすい。資本論は、手がつけられなかったが、この本のお蔭で理解することが出来た。良書です。

  • 難しいマルクスの資本論をわかりやすく

    教えてくれる本!

    ワクワクしながら読めました!

  •  今こそ、資本論。
     女性新入社員の自殺で電通に強制捜査というニュースが話題になっている。
     自由放任の資本主義に任せていると、労働者は悲惨な状況に落とし込まれますよ、という資本論の警鐘が現代日本で再現されてしまった。

     マルクスは資本主義の行きつく先に社会主義革命が起こると主張した。
     池上彰の本書が書かれたのは7年前、年越し派遣村など派遣切りが問題になっていたリーマンショック後のころだ。

     さて、革命は起きたか?起きそうか?
     社会主義革命は起きそうにないが、カウンターカルチャーとしてブリグジットだったり、欧州の右派政党の躍進だったり、フィリピンのドゥテルテ大統領やトランプ現象といった既存政治に対する強烈な揺り戻しが起きている。

     日本でも気配を感じる。今の状況は怒りと白けに二分化されているように思う。
     中流、中道、中庸が失われてきている。

     何が必要か、どうすれば良くなるのか、そんなことは誰にも分からない。
     反知性主義に陥ることなく、知識を蓄え考え続ける態度が重要に思う。

     普通の読書するひとで資本論を読み下すのは三カ月ほどかかるそうだ。俺にもムリ。
     資本論のエッセンスを本書ではわかりやすく説明する。資本論がどういうものかを知るには良書でした。

  • 340

    2016年では120冊

  • 2016.7
    ずっと読みたかった資本論。
    池上さんならではの、わかりやすい解説で最後まで読むことできた。
    資本主義がどういうもので、どうなっていくのか、人間の心理とか集団心理とかを考慮しながら、今にも通ずることを大昔に書いているマルクス、すごいと思った。

  • 池上彰が資本論を解説してくれる本。
    同じことが何度も書かれていて、資本論の入門書としては最高かなと。
    原文のところは難しくて、つい飛ばして…

    資本論自体に対しては、資本主義の原理が凄く難解な文章で書かれてて正直もういいです。。

  • かなり噛み砕いて説明してくれている。同じことを繰り返し述べているため、資本論の要旨を理解するのにもってこい。
    著者の工夫に感心する。

    そもそも、資本論は時代が違うこともあってか理解しにくいことこの上ない。実際、経済学部の学生、下手をしたら院生でも読み解けるかどうか疑わしいレベルである。一時期の「蟹工船」ブームで社会主義のバイブルである資本論を手に取った人も挫折したことだろう。

    このような入門書があることは大変ありがたい。

  • なんだかんだ言って池上さんの本はわかりやすい。特に難解な本や思想の解説はすばらしい。
    資本論って共産主義バンザイの本だと思っていたが全然違っていて、資本主義の危険性を示唆する良書だったと理解した。

  • マルクス経済学を大学の講義で受講しなければならないとなると、また違った見方をシなければいけないと思うが、最近ピケティの著作から資本論を読んでみようと思った読者にとっては取っ付き易い本だった。
    数々のレビューにもあるように、この本を読んで資本論が分かったと思うべきではないとは思うが、それでも難解な資本論を一般読者が(単位修得などの目標もなく)読み進めていくためには、このような参考書、メンター的な本があった方がいいとは思う。
    ある程度資本論の内容をこれで把握し、実際の資本論を読み進めていくという形でいいのではないでしょうか?

  • マルクスが考える資本制社会の構造、問題点、良い点、行く末について、難解な原文を平易な言い回しで分かりやすく解説してくれる。また、「マルクス」「資本論」が経済史的にどのような位置付けにあるのか、後世にどのような影響を与えたのかについても解説してあるため、より大局的な視座で資本論に触れることが出来、大変面白い。

  • ・使用価値が違うのにある一定の比率によって交換できるのはなぜか、そこに共通するものがあるに違いない。と考えた。量的比率の背後にあるものは人間の労働だと。

    ・欧米の文学作品や論文を読むと、キリスト教的な常識があることを前提に論理が展開されていることが多い。

    ・値段のことをネというのは昔、稲がが交換手段として使われていたから。

    ・お金自体を増やそうという人、これが資本家だとうこと。

    ・マルクスは商品を分析することから始めてみんな等価交換なんだけれど、そうしているのになぜ資本がふえていくのかという不思議な動き、その謎を解いた。

    ・資本主義は、悪いことだけでなく、みんなが一緒に働く、協力して働く、そういう力、生きがいを身につけると同時に様々な教育を受けられるようになってくる側面もある。

    ・資本主義はそんままにしておくとひどい状況をもたらすかということを「資本論」は指し示している。

    ・ものが売れないのだったら国が借金をして公共事業をすることで、商品に対する需要をつくりだし、景気をよくすればいいというのがケインズの考え方。もうかったうちの一部は税金を収めるのだから、その税金を借金で返せばいいとうこと。

  • 今『資本論』が読みなおされているそうです。
    その今とは、「国内でベンツの売上が過去最高」と「派遣法が改正され派遣労働者はより厳しい立場に」というニュースが同時に流れ、株価は上がり、同時に実質賃金は下がっている、そんな時代です。

    つまり、140年前にマルクスが予言したとおりの展開だと。

    さすがマルクス、しかし言ってることは難解(笑)。
    なので、池上さんに解説してもらいました。
    やっぱり良く分かります。

  • 高校生とはいわず、中学生もしくは小学生から読ませたい本。
    中学生の頃に出会っていれば私の人生も変わってたかな。

  • マルクスの資本論って、左翼のイメージ強くて、全く避けて生きてきた。ところが、ここ10年くらい、市場経済は大混乱だし、近代経済学の教科書書いた先生は懺悔本出すわで、経済学って一体なんなの?って思ってた。
    ここんところ、本屋にマルクス関連の書籍がたくさん並ぶようになったので、今更ながら、マルクスって何なの?と思い、まずは入門書を、とこの本を読んでみた。
    ‥‥想像していたのとまったく違った。こんな文章なんだ、資本論て。この本は資本論からエッセンスを抜粋しながら池上氏が解説してくれてるんだけど、逆に原文を通しでまず読んでみた方が良かったかもしれない。マルクスって非常に詩的な文章を書くんだなとびっくりした。難解だけど、頭の体操にはなるかも‥‥。さらに、本屋での扱いは、哲学の分類なのか。
    ちなみに、この本を読んで、なぜマルクスが再評価されているのかがわかった。
    「資本主義はそのままにしておくといかにひどい状況をもたらすかということを、マルクスの資本論は見事に指し示している。日本の戦後はそうならないようにといろんな規制をかけてきた。ところが新自由主義が出てきて、そんな規制をかけるから資本主義の発展には限界がある。やめてしまえばもっとよくなると規制を止めてみたら、ふと気づけば、19世紀にマルクスが言ってたのと同じことがまた起きちゃった」ということらしい。

  • 池上彰先輩の著書、マルクスの理論を読み砕く。簡単に読めるようにしてくれている。でもやはり知的レベルを要する。


     浅い内容だから物足りなさを感じる人もいるはず。
     高校レベルの政治経済の知識は必要だと思う。

     この本では社会主義と共産主義の違いを言えるようにはならないです。
     

    ______
    p35 ロシアで始まった社会主義
     マルクスの考えた社会主義は資本主義が十分に発展した社会で、知的レベルも十分に整った環境で実践される革命であった。しあkし、レーニンが起こしたロシアでの革命はその前提が整っていなかった。

    p39 マルクス・レーニン主義
     マルクスが考えた理論をレーニンが実践できたのだから、二つをセットの物と考えようという思想である。
     知識階級が知識のない労働者を引率して社会主義革命を実践するという思想である。

    p67 サラリウム
     ローマ帝国時代、兵士は塩を給料にもらっていた。その塩が「サラリウム」という。サラリーの語源。

    p81 八十二銀行
     明治維新後、銀行は番号順にできていった。長野県にあった六十九銀行と十三銀行が合併した時にできたのが、八十二銀行。先代にある七十七銀行もその当時の名残。

    p97 資本家
     資本家は、意識的に抽象的な富をより多く手に入れようと運動する者である。
     資本は移動することによって余剰価値を生む。それが資本である。それを最大化し、さらに投資して増やすのが資本家のお仕事。この行動によって社会の余剰価値がどんどん増えていく。

    p114 スモーキング・フリー
     海外で「Smoking Free」という標識の場所を喫煙所と勘違いして一服してしまう日本人が多いらしい。この標識は「タバコからの解放」という意味で、禁煙場所の意味である。Freeという言葉には「自由である。~から自由になる」という二つの意味があるので注意。

    p117 労働力の再生産
     労働者が貰っている給料の内訳には「労働力の再生産」が含まれていることを知らなければいけない。
     人間は生きるための活動が必要である。また、労働者は子供を産んで次世代の労働力も生産している。企業はその労働力の再生産分も給料として支払う責任がある。
     だから扶養控除とか扶養手当という物がある。

    p133 不変と可変
     機械自体やその部品はそこから価値は変わらないから普遍資本。労働者が働いたことで新たに付加価値がついたものを可変資本という。
     労働力は付加価値をつけてはじめて労働力と言える。働く人間は付加価値をつけられる人間という意味である。

    p142 剰余労働=豊か
     労働は必要労働と剰余労働の二つの部分に分けられる。ノルマの部分が必要労働。ノルマ以上の価値を出した部分が剰余労働。
     剰余労働は言うなれば、労働者の企業への御恩と奉公である。言い換えれば企業の搾取部分である。
     搾取と分かれば労働者はそこまで働く必要はない。しかし、その剰余労働があるからこそ社会は発展して高品質の商品サービスが供給される。
     プラマイゼロの労働は正義だが、プラスの少ない社会で生きることの「物足りなさ」を考えつつ働かな良い社会はできない。だからこそ、お互い様なのである。

    p155 等価交換なんだけど
     世の中等価交換の法則で動いているはずである。しかし、現実社会では資本がどんどん増えるようになっている不思議である。それは労働者から搾り取った物や将来の先取りだが、そのおかげで社会は豊かになって、等価交換を上回ることができている。
     結局、大事なのはフリーライダーを出さないことだ

    p163 金持ちの社長は少ない
     現代の日本の社長は≠資本家である。金持ちが社長になるのではなく、... 続きを読む

  • 読解しにくいマルクスの資本論を、分かりやすく解説。
    経済の知識をつけたければ、一度は読んでおくべき。

  • よかったですね。池上さんが書かれているとおり今この時だからこそ読みたくなった、そして読む時期だったのかも知れない。格差が広がる社会。なぜこの世の中はいまのような成り立ちをしているのかを考えると、必然的に資本主義とは?という疑問がわいてくる。「資本論」を買ってみたもののとても読めそうになく挫折しました。池上さんのおかげで少し理解出来たかと思います。最初高校生向けに口語体なのが気になりましたが、読み進めるうちにその方が良かったと思えてきました。

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