- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784834251593
感想・レビュー・書評
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貨幣経済の成り立ちから、現代の社会に至るまでの資本制社会の変移について非常にわかりやすくまとめられていた。教養本として十分な内容。
資本主義社会では資本の導入に伴い、個々人の能力が高まり、給料は上がってきている。ただ、自由な競走により淘汰されるものも出てきてしまうため貧富の差が生まれる。
社会主義国家も今のところ成功しているとは言えない状況。
確かに何が正解で、何が誤りなのかが判断が難しいと感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
池上彰のこの手の入門書にはまえがきかあとがきに、本の内容に関しての責任は著者である自分にある、と書かれていることが多い。だから自分本位ではない書き方になっているのだろうと思う。また、ターゲットとなる読者層がどの程度のバックグラウンドなのかを想定して書いているかが伝わってくるので本当に分かり易い。昨年読んだ別の入門書のおかげでスムーズに読めた。
大学進学時にマルクス経済学の大学と近代経済学の大学があって、マルクス系は避けた記憶がある。バブル当時でもそういう風潮が地方には残っていたということだろう。今となっては資本論は社会主義、共産主義を礼賛するものではなく、資本主義の分析を通してその行き着く先を論理的に示した名著である、と言える。勉強になりました。 -
難解な文章を、分かりやすく噛み砕いて解説してくれているおかげで、なんとか理解できた。
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資本論なんて読む機会はないと思っていたので、噛み砕いて説明してあるこの本知ることができてよかった!
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2回目終了。1回目ほど感動はないが、わかりやすさはダントツ。マルクスは今も通じる点が多いのが分かったが,アジア(インド式以外)での特徴や現代ならではの事象も「続」として書いて欲しいな。
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・労働力を購入することは、資本の再生産のための消費である
・労働者の生活費は、資本家から見ると、再生産のためにかかるコストである
この本を読んで、
上記の認識ができるようになった -
今置かれている世の中の現状が、マルクスの生きた時代の資本主義と殆ど同じであると気付くことができた。
行き過ぎた労働者への搾取、貧富の差の急速な拡大など、資本家がより力を持ち、労働者は力をより失っている。
法によって労働者をもっと守っていく事が重要だと感じた。 -
さすが池上さん。優しい文章と分かりやすい説明で、初めて「資本論」の内容がよく分かった。理解するほどに搾取される側でいることが恐ろしくなる。自分の労働力(時間)を切り売りすることしかできず、それと引き換えに雇用主からお金をもらい、雇用主に完全に依存する生活は不安で恐ろしい。緩くしすぎて遠くへ飛んでいってしまわないように、ただし苦しすぎて死んでしまわないよう、適度に調整された織の中で生涯飼い殺されるようなイメージが浮かんだ。
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高校生向けとはいうけれど、
十分読み応えがある。 -
現代の生きにくさを理解するには「資本論」を読む必要があると考え、「資本論」関連の本を何冊か読んでいる中で出会った本。
池上彰らしく原文をわかりやすく、現代の諸問題と関係付けて解説している。マルクスが資本主義にどのような問題点を感じていたかがよくわかる。さらに、マルクスが指摘している問題が現実に起こっていることに驚かされる。最後も池上彰らしく自ら考えをもつことの大切さを語っている。
本書で学んだことを基に「資本論」の原文を読むとともに、これからの社会をどのように生きていくのか考えていきたい。