なくしたものたちの国

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感想 : 117
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834251661

感想・レビュー・書評

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  • おとなへの絵本。
    贈りたくなる本。

    なくしたものたちは、なくしたものたちで集まっているなら。
    なくしていっても、そうなっているなら。

    こわくないなぁ。

  • とっても良かったどれも不思議な話だけど切なくて
    なくしたり忘れたりでもまた会える
    素敵なお話でした。

  • この本を読んでいて小さいころ家にあったうさぎの二体のぬいぐるみを思い出した。色違いの服を着ていたその双子のうさぎたちはいつのまにどこへ行ってしまったんだろう。私のそれもなくしたものたちの国にあるといいな。

  • ちいさいころ動物と話が出来た。学校のやぎのゆきちゃん。飼い猫の生まれ変わりの中学生のボーイフレンド。なくしたものとなくしていくもの。
    もの哀しくそしてコミカルに描かれてていて大好きな作品。
    たぶん2011年のベスト1。

  • ラジオドラマを聞いて、思わず読みたくなった作品 。 感動した

  • なくしたものたちには、なくしたものたちのいく国がある。

    大切なもの、時間、人、、、

    忘れてしまったもの、けれどもかけがえのない大切なもの。

    いろんなことを忘れてしまう私の心に、静かに強く響きました。

    わかれてしまってもまた会える。
    会えば、わかる。
    忘れていても、そこにある。

    不思議な物語でした。

  • 角田さんの作品はほとんど読んでいる。
    うまいけれどぞくりとするような読後感はあまり良くない作家との認識。
    それでも手にとってしまうのだけれど。

    地元の小さな本屋さんで平積みになっているのを購入。
    松尾たいこさんさんのイラストが大きなインパクト。

    読み進めて、不覚にも数回泣いてしまう。
    悲しいのではなくて、心の柔らかい部分を触られてしまったような、そんな涙。角田さん、こんな素敵なファンタジーを書くことができるのだという驚き。
    大好きな本の一つになりました。
    好きな人にプレゼントしたい本。

  • このお話のようになくしたものたちを管理してくれている場所や遠くに行ったとしてもまたいつか会えるならそれまでがんばれるのにな。

    購入決定。

  • 今まで読んだ角田光代の本で1番好きだ。と、言ってもそんなに読んでる訳じゃないけど。

    いろんななくしたものたちののがたり。小さい頃はやぎと話せて、高校生で飼ってたネコの生まれ変わりと出会い、生き霊になり、子どもを忘れる。

    皆ちょっと現実的でない。でも、忘れ物をしたことがあるから、その気持ちが皆わかるんじゃないかな。全体的に切なかった…。

    懐かしがる日が私にも来ているのかな。

  • 理性がぶっとんだ。堰を切るってこういうときを表現していうんだなってぼんやりとかろうじて残っていた思考たちが自分につげる。

    「生まれかわればもう一度会って話せるのだろうか、笑顔が見れるのだろうか」という考えがぐるぐると自分を侵食する。生まれ変わりが恐ろしくて何回も小さい時に泣いたのに、循環がいやで必死で科学書をよみあさったのに。

    びっくりするくらい浸透圧の高い、子どものときの気持ちを忘れていないあるいは思い出せる人に告げる物語。断片で少しずつ少しずつ、かたくなったよろいさえもいつの間にか浸透して、懐かしいような切ないようななにか大事な気持ちを思い出させる。

    もう少し落ち着いてもう少し思考を進ませてから、もう一度読みたい。
    そのときはもっとやわらかななにかが自分に浸透してくれるような気がする。

    なくしたものたち、その響きはなんて甘美なのだろう。
    Never let me goのNorfolkに、私は多分同じ響きを感じた。でもこの本はそれのためだけの物語。だからより押し寄せてくる。

著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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