なくしたものたちの国

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784834251661

感想・レビュー・書評

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  • 私も、長くはない人生の中で沢山の物をなくしてしまった。でも、なくしたものにいつかまた会えるといい。ものだけじゃなく、なくしてしまったり忘れてしまった一瞬の気持ちにも。その気持ちは、その一瞬では辛く苦しいものでも、いつか再会した時には「よく頑張った」と言ってあげられるだろうから。いつかその気持ちと再会した時にそう言ってあげられるような人生を送りたい。

  • こどものころ持っていてなくしたものの多さをおもう。でも持ち続けては生きてはいけないともおもう。

  • ファンタジーでふわふわした不思議なお話。
    やぎのゆきちゃん、ミケ猫の銃一郎までは不思議だけど切なくて素直に心に響くいいお話で好きだけど、生き霊のあたりから「?」が増えてきて、子どもを忘れた話などに至っては、結局これは夢なのか現実なのか意味がわからないまま終わってしまった。
    最後の写真の現像のお話で、ふと昔就いていた介護の現場を思い出し、認知症の人の頭の中はこんな感じなのかな、と思ったりした。

  • 「なくしたものたちの国っていうのがあるんじゃないかな [...]あれ、見あたらないってものはみんな、消えるんじゃなくて、そこに移動してるんだ。そこにいけば [...] きっとあるし、きっといる」(55 ページ)

    人は一生の中で、さまざまな人や物や出来事と
    出会い、忘れていく。

    忘れないようにしようと、忘れませんように、
    と強く願ってしまうこともあるけれど、

    忘れていたって、どしたって出会ってしまい、
    出会えばまた、どうしたって愛してしまう。

    なくしたものたちの国があるのだから、
    また出会えるし、安心できる。

  • きらいなのではないけど敬遠しがちな角田光代。松尾たいこの絵見たさに借りてきた。好きなのは2話目の猫のミケの話。他のはちょっとこわい。

  • 挿絵と合わなかったんじゃないかなあ。ラストも少しこじつけた感が。

  • 初・角田光代。じんわり。ほんわり。私もよく物をなくす子ども(今でもそうだけど…)だったから、なくしたものたちの国があるって思えば何だか素敵だなって思う。2011/261

  • 不思議な世界は最初だけかと思ったら最後まで不思議な世界だった。なくしたもの、自分にもたくさんあるはず。悲しいけど、その分得てるものがあるから仕方ないな。自分も最後にフォトブック見てみたい!輪廻転生

  • 絵が可愛い

  • 女の子の一生の話。
    子供の時ってなんか大人とは違う感覚を持っていたことをこの本を読んでて思い出した。でもいくら忘れぽくても娘をなくすか?(笑)終始、不気味な雰囲気があった。

著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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