なきたろう

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  • Amazon.co.jp ・本 (28ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784835455167

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  • 悲しいときも嬉しいときも、どんなときも泣いているなきたろうの、成長物語。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ずーーーっと泣いてるなきたろう。
    絵本の8割方が、泣いてるなきたろうの絵でした。
    泣きすぎて、天狗さえも負かしてしまったなきたろうが、成長するきっかけは何だったのでしょうか。

    赤ちゃんが一番はじめに覚える表現は、“泣く”ことです。
    いろんなことを泣いて、まわりに伝えるためです。

    でも人は、いつまでも赤ちゃんのままではいられません。
    守られて、そのままで居たい気持ちと、自分の外の世界へ出かけたい気持ちが、ぶつかり合って、人間は成長していきます。
    泣きやむためには、自分の気持ちをそっと受けとめて、自分の外の世界に目を向けることが大事なのだなあと、思いました。

    最後の方はページが足りない印象があり、駆け足でお話が終わってしまったのが残念ですが、なきたろうの泣きのすごさは、とても伝わりました。


  • 表紙を見たとき、おもしろそうと思ったけど、やっぱりおもしろかった。
    ぼくも小さいころはなきたろうみたいだった。今はなかないけど、なきたろうは村のためにがまんしてえらい。
    絵が、おもしろくてきれい。でも、てんぐはこわかった。(小3)

  • 「この絵本の主人公「なきたろう」は異常な泣き虫で、流す涙で稲まで枯らしてしまい、村の人々も両親もほとほと困り果ててしまいます。
    「なきたろう」も泣かなくなりたいと思ってはいるのですが、思うだけで、また泣けてきてしまう始末。ところが、ある日、不思議な出会いから「なきたろう」は生まれて初めて泣くことをガマンできました。
    出会いによって自分以外の他者をはじめて気づかうことができた「なきたろう」。」

  • 5歳7ヶ月の息子もすぐ涙が出やすい方なので、読み聞かせの間なきたろうの行く末が気になってしょうがなかった。「つよく なれ、たろう」と声をかけ続けるお母さんの気持ちについ同調。
    たろうは赤ん坊の頃から八つになっても四六時中泣き通し。ついには山に修行に出されてしまう。
    たろうが泣くのを止めたきっかけは親でも友達でも天狗でもなく、困っている者たちを救おうとする自分の意思。相手を思い遣り、自分自身で強く決意した時に人は変われるんだな。
    いろいろ心配になる親の気持ちに安心と焦らずに見守る目を与えてくれる絵本だった。

  • 3歳〜。
    「成長」ものの昔話。作者は思い出のマーニーの翻訳者。作画の赤羽さんが描く絵は、本作では優しいトーンだと思いました。

  • 泣いて、泣いて、泣きすぎて、かんからかんのなきたろう。天狗様も驚くほどなのですから、それはすごいものです。
    お話のテンポがよい。

  • なきたろうは、生まれた時からずーっとないていた。そこで、なかないしゅぎょうのために、山にいくことになったが、そこでも大声でないていた。これはたまらんと、てんぐがうちわでなきたろうをふきとばし、とおくの山の中におっこちてしまった…。
    なきたろうのなきっぷりがすごくておかしい。でも、なくのをやめたときにおこったことは、なかなかのことでしたよ。

  • 何をしても泣きまくる なきたろうの
    成長話

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著者プロフィール

1935年、愛媛県に生まれる。早稲田大学第一文学部国文科卒業後、コロンビア大学大学院で児童図書、および図書館学を学ぶ。絵本に、『ふしぎなたけのこ』『かさ』(以上福音館書店)、『こぎつねコンとこだぬきポン』(童心社)など多数。訳書に、『時の旅人』(アトリー作)、『思い出のマーニー』(ロビンソン作)(以上岩波書店)などがある。2011年永眠。

「2016年 『にわとり城』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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