獅子の棲む国

著者 :
  • 文芸社
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  • Amazon.co.jp ・本 (479ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784835549583

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった!
    改めて、会津の苦難がよくわかりました。
    あまりにも理不尽な扱い・・・
    同じように考えてはいけないのだろうけど、
    今の福島の原発がらみの苦難を思い浮かんでしまいました。

    秋山さんの作品は、シビアなことがテーマでも、登場人物の会話など、コミカルな部分があるのがいいですね。
    山川と斎藤のやりとりなど、吹き出さずには読めなかった(笑)
    斎藤がこんなにも感情豊かに描かれてる作品も珍しい。

  • 維新後の会津は悲惨だった。城下町を略奪され、生残った者は不毛の地へ追いやられる。その境遇から這い上がった軍師・山川の物語。「五稜郭」とは打って変わって、長州の態度は強硬で悪役にも見える。しかし、伊藤が桂を「大悪人」と称すシーンでは桂の維新に賭けた強い志があり、また桂の死を山田が嘆くシーンは情感に溢れている。敵味方に分かれた者達のそれぞれの相克が真に迫る名作。

  • 斎藤さんを追うなら「新選組藤堂平助」→「歳三往きてまた」→「獅子の棲む国」→「密偵」となるかな。どれも主役じゃないけど。そんな所も秋山さん描く間諜斎藤らしいか。
    上の作品の中じゃ今作の斎藤さんが一番人間くさい。更に喰えない男・大久保卿に使われていたからかな。

  • 賊軍の汚名を注ぐ為に明治の世を生きる山川大蔵達会津藩士達の話。山川さんかっこいいです。『五稜郭を落した男』とセットで読むと切ない感じ。伊藤が桂さんを「先生は大悪党だ」と考えてるシーンがいい。

  • 斎藤一が新撰組にいたのに処罰されず、なぜ明治時代に生きることができたのかよくわかった。会津藩の苦悩がじーんと来る内容だった。

  • 再読。
    大河ドラマ「八重の桜」を鑑賞し終えてから「おさらい」のつもりで読書。
    登場人物たちの関係性が当時より、よりよく理解する事ができた!一年間の鑑賞の賜物(笑)

    この作品を読み終えて、山川大蔵(浩)のファンになった事は言うまでもない。
    この作品はフィクションだが、困難に立ち向かった時はこの作品の人物たちが頭をよぎるだろう。
    力強い作品の一つである。

  • 面白かった。
    主人公は山川大蔵であるが、物語の各展開では、常に2人の男の対立軸(山川と梶原、山川と齊藤、大久保と齊藤、etc)で描かれており、公私の葛藤、仕事における互いの嫉妬など、現代企業社会にも通じるところが見事に描かれている。著者が女性であることが、かえって男性のこういった深層心理を的確に捉えているのかなぁと思った。

  • 明治維新において最も辛酸を舐めた会津。苦しみ悩みながら進み続けた会津藩首脳陣たち。それを支えた女性。読み応えが有り。
    山川浩、梶原平馬、会津藩士として後半生を生きた斎藤一、函館戦争から土方さんによって生き残ることを命じられた市村鉄之助、薩摩の大久保利通、長州の山田顕義、土佐の谷千城など維新の敵・味方、様々な人物の維新への想いと明治の激動を描く。

  • 山川浩(大蔵)主人公小説。山川さんにとりあえず触れてみよう、と読んでみたのですが、のちに自分のなかで出来上がったのとは違うキャラだなぁ…。なんとなく前半はノラなかったんですが、段々面白くなっていきました。後半で出てくる山田は見ものです(笑)あと、大久保と斎藤一という激レアコンビ(?)が拝める。

  • 私ホイホイすぎる小説。ここまで山川プッシュの小説もないだろう(^p^)

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著者プロフィール

1968年福岡県生まれ。活水女子短大卒業。2002年『歳三往きてまた』でデビュー。2017年『龍が哭く河井継之助』で第6回野村胡堂文学賞受賞。柳生新陰流居合道四段。主な著作に『伊庭八郎凍土に奔る』『密偵』『獺祭り白狐騒動始末記』などがある。

「2022年 『氏真、寂たり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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