志ん朝落語 榎本版

著者 :
  • ぴあ
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784835615929

感想・レビュー・書評

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  • 志ん朝も榎本滋民さんも今は亡き・・・

  • 扱われているのは「三軒長屋」「子別れ」「愛宕山」「酢豆腐」「お直し「芝浜」「居残り佐平次」「百川」「明烏」「二番煎じ」「大工調べ」「佃祭」「黄金餅」「夢金」「高田馬場」「化けもの使い」「付き馬」「富久」「崇徳院」。

    各噺について「骨格」「来歴」「志ん朝の演じ方」が記されている。噺をよく知っている人は「骨格」は読み飛ばせる。「来歴」では噺の作者の話などが書かれている。

    やはり面白いのは志ん朝の演じ方を論じた部分。他の演者との差を記しつつ、志ん朝の芸を分析している。取り上げられる他の演者の版も知っていればより楽しめると思う。

    ひとつこの演じ方の部分で榎本滋民風の視点を協調しすぎているように感じられるところか。さほど紙数をとっているわけではないので、榎本滋民の感じ方を強要しているように感じてしまうかもしれない。比較による結論はむしろ読者にまかせてしまった方がすっきりしていたかもしれない。

  • 久しぶりに志ん朝さんに関する本を読んだ。著者は劇作家だが、落語の研究、評論でも有名でしばしば耳にする。 演目ごとにあらすじと、その話の成り立ちや時代背景などの解説、そして最後に志ん朝の話し方についての解説、という構成になっている。取り上げている演目は、芝浜、明烏、居残り佐平次等どれも大ネタばかりで、解説は堅苦しくなく今の時代に照らし合わせたりすごくわかりやすく、落語を聴かない人でも興味深く勉強になるだろう。志ん生ではないが、「こういうことはあまり学校では教えない」ことばかり。志ん朝の解説も頭からべた褒めではなく、「志ん朝ならもう少し工夫が欲しい」とか、「ここはこういう言い回しの方がいい」とか忌憚なく批評しているのが気持ちいい。ただこれは志ん朝存命中に書かれたものらしく、「年を経た志ん朝のこなれた話を楽しみにしている。」というような事を随所で言っておられるが、それが叶わなかったことは予想外だったことだろう。

  • 061209

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著者プロフィール

1930~2003年。昭和後期から平成時代の劇作家、演出家。昭和5年2月21日生まれ。36年「孤塁」が「オール読物」の一幕物懸賞戯曲に入選する。以後、新国劇、新派など幅ひろく活躍した。代表作に「たぬき」「同期の桜」「愛染め高尾」など。古典落語の解説でも知られた。平成15年1月16日死去。

「2017年 『落語ことば・事柄辞典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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