なにかを始めたいあなたへ (知的生きかた文庫 し 18-1)

著者 : 澁澤幸子

• 三笠書房 (1994年9月10日発売)

感想・レビュー・書評

[pokoritさんの感想 · 2020年6月23日]

「なにかを始めたいあなた」の背中をいろいろな押し方で押す本。女性向け。雑誌の取材で出会った多くの女性に聞いた話を元に、いろいろな年齢、立場、やり方で、何かを始めることの素晴らしさ、始めるための心構えを説く。この本が単行本として出た1981年、著者自身50歳を過ぎて、トルコへの旅を通してトルコ文化に出会った。その後足繁く通い、何冊もトルコについての著作があるだけに説得力がある。

元々は兄である澁澤龍彦作品から著者に興味を持ち、トルコ関連の旅行記や小説、文化論を興味深く読んだ。自然体のスタンスと深い洞察、文化への共感が魅力。そのトルコとの出会いが書かれているかと思いきや、完全にその前の作品だった。これから「何か」を始めた人が書いた本として、特別な位置にあると思う。

著者プロフィール

東京生まれ。津田塾大学英文科卒。雑誌編集者を経て、フリー。1981年に初めてイスタンブールを訪れ以来、足繁く訪土を続け、現在はトルコ研究者としてトルコ文化をメインに、旅行記や歴史物語を執筆。主な著者に「なにかを始めたいあなたへ」（じゃこめてい出版）「イスタンブール、時はゆるやかに」（新潮文庫）など。故・澁澤龍彦氏の妹。

「2008年 『女、五十歳　さあ、これから』 で使われていた紹介文から引用しています。」