マ-フィ-運命を好転させる易と成功法則 (知的生きかた文庫 ま 17-2)
- 三笠書房 (1996年2月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784837907909
感想・レビュー・書評
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ジョゼフ・マーフィー師による易占い入門。
聖書文化の米国人による易の解釈ですから、日本人による易の解釈と違った観点のところもあり、勉強になります。
本書では卦の出し方は、コインを3枚使う擲銭法(てきせん法)が採用されています。
擲銭法といっても色々あるようで、本書の方法では、変卦となる爻が複数出てきます。
日本で広く知られている擲銭法やサイコロ法や筮竹の略筮法(りゃくぜい法)では変卦となる爻が1か所です。
書物やネット上で易占の事例を見ていると、たまに変卦が複数になる例があり、これはどうやって出したのか、本筮法や中筮法を使ったのか五行易なのかと思っていたのですが、こんな方法もあったのですね。
本書では六十四卦の解説は見開き2ページで掲載されています。
成功哲学の専門家であるマーフィー師らしく、思考の意識・無意識に重点を置いた解釈です。
ただ、「しまずこういち編訳」と表記があるように、マーフィー師の原著をそのまま訳したのではなく、編訳のようです。
「マーフィー博士はこう書いています」
というような表現が頻出すると、メタ構造というか枠構造を意識するというか、リアリティを失って失望します。
何だマーフィー師匠の直接の講義ではないのか、編訳者が介在してるんかと。
となると、しまずこういちという方が何者なのか気になります。
そんなことを思い出すと、本書による六十四卦の解釈も、腑に落ちる卦がある一方で、一体何を言ってるのか要領を得ない卦もあります。
また、積極的思考を推奨するマーフィー博士らしい解釈もあり、東洋思想を背景に持つ消極思考の持ち主である私にとっては目から鱗の記述も。
例えば、28沢風大過では
「ゆるぎない信念を持っているならば、重荷は重荷とはなりません」。
29坎為水では
「こういうときこそチャンスはその底に潜んでいると見ることもできるのです」
「その意味でこの卦はあなたの一大飛躍のチャンス到来と積極的に解釈すべきです」
「ここは思いきって攻勢に出てみるのも一つの方法です」
……などと書かれています。
私はマイナス思考で君子危うきに近寄らずのタイプですから、こういった卦が出た時は多分籠城戦を選択すると思います。
多くの日本人が書いた易の解説書もそういった方向だと思うのですが、それだからこそ、異文化の積極的思考による本書の解説は、勉強になると思います。
本書の翻訳は幾つかのバージョンがあるようですが、現在は全部絶版になっているようです。
復刊または新訳が出ることを希望します。
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易の考え方が簡単に分かります。
コインを使った易の方法がありますので、すぐに試せそう。
だけど、卦の意味を全て覚えるには時間がかかるので、本を片手に手軽にためしてみるもの良いだろうな。
めんどくさくて、まだ試せないけど。 -
易経の根本思想は変化。
ツキを呼ぶためには何が必要かと言えば、それは自信です。
なんでもいいのです。
未来は本当は現在のわれわれの心の中にある自分の願望を実現していく様を想像し、そうなることを確信する。
チャンスをつかみことをいつも念頭におき、焦らずあきらめずに待つこと。
人は栄誉を得る前に試練を受けなければならない。努力が大切です。人生にとって一番マイナスなのは無意味な恐怖心。人生をより良くデザインするためには知識、才能、努力を考えるよりも心の状態を前向きにすること。
小さい仕事、つまらなく見える仕事の中にじつは大きな仕事を成し遂げる芽が隠されている。大きな仕事も小さな仕事の積み重ね。すべての困難は外部にあるようで実はその人の心の中にある。どんな場合でもマイナス思考をしてはいけない。不安を感じるのではなく今はそれがベターなのだと思い切る気持ちが大切。困難に対処する最良の方法は解決できると確信すること。想像力は知識よりも大切である。 -
易について、マーフィー流に解釈された本。
こういう解釈もありうるとは思うが、易の正統な解釈ではないことを意識して読む必要がある。まあ、マーフィーを信奉している人で、易について本書以外で学ぶつもりのない人は、全面的に信頼して読んで構わないかもしれない。
易について知りたいという場合は、他の本を当たった方がよい。
易について知っていて、既存の解釈ではさびしいというような人には勧める。